異世界召喚された俺は余分な子でした

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第3章

第52話 奴隷獲得

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 day11

 ふと気付くと見覚えの無い洞窟、いや、ダンジョンだろうか。殺伐とした空間に俺1人だけでいた。

 よく分らないが恐怖に駆られ何かから逃げていた。絶対に勝てない!絶望的な状況で必死に逃げ回っていたが、ついに袋小路に追い詰められた。迫って来ていたのは女が率いる一団で、その女の剣が俺を突き刺す。
 女が俺の髪を引っ張り、地面に叩きつけてきた。

「助かりたければ足を舐めなさい」

 その女、第2王女ルシテルが高慢な態度ですらりとした足を俺に向ける。
 俺は死にたくない一心で必死に足を舐めた。

 そして足蹴にされる。

「見苦しいわね。最後の望みを言いなさい。せめてもの情けで一撃で死なせてあげるわ!」

 そう言われたが、おかしい。これは夢だ!急に夢だと自覚し、最後の望みを言う。

「おっぱいをしゃぶらせて!」

 アホな事を夢だからとほざいたが、第2王女が服を開け、胸を露わにした。俺は目を輝かせながら、その乳房に齧り付こうとした。

「ランスロット様?ランスロット様!大丈夫ですか?」

 天使の声でふと目覚める。
 俺は大量の汗をかき、なにやらぶつぶつと呻いていたそうだ。
 変な夢であり、妙に生々しく、綺麗な乳房だった。 

 俺は気が付くと震えていた。シェリーが背中をさすってくれていて、ナンシーは俺の頭を胸に抱き寄せて来た。

 どうやら最後には悪夢に打ち勝った様だ。

 俺は2人のおかげで間もなく落ち着いていった。
 またもや俺は壊れてきた様だと呻き、苦悩した。実は今回は違ったのだ。精神攻撃を受けていたのだが、知るのはかなり先だ。

 体を起こすとナンシーがお茶を煎れてくれていた。気の利く素敵なレディーだ。

 ナンシーに代わりシェリーが俺を抱きしめてくれていたのだ。
 ふと頭のモヤモヤが晴れて来て、自分が何者なのかを思い出している事に気が付いた。名前って大事だよね。
 どうやら名前を忘れた為に恐怖が俺を悪夢に引きずり込んだ様だ。お気軽な俺はそう思い込んでしまった。精神攻撃を食らっていたと分かれば対処も出来たし、この先苦しまずに済んだのだろうが…

 お茶を飲むと落ち着いた。

「心配を掛けちゃったね。介抱してくれて有難う。怖い夢を見たけど、もう大丈夫だよ」

 まだ夜中だったので、お茶を啜った後に再び寝た。

 次に目覚めると朝だった。
 悪夢は再び現れなかった。悪夢を思い出したが、俺ってしょうも無いよな。悪夢でもパイ乙の事を考えていたしな。

 着替えを済ませ、3人で朝食にする。
 久し振りにあーんである。抵抗するも、先程のご褒美に私達の好きにさせてね!と言われ仕方なく身を任せた。嬉しいんだけど、めっさ恥ずかしいんだよね!何だかんだと俺の世話を焼きたがるんだよな。

 部屋に戻り、3人でギルドに向かう。
 宿の主人にお世話になったお礼と、ちょくちょく食事をしには来るよと伝えた。

 そして馬車にてギルドに向かう。
 ギルドの表に馬車を駐め、ナンシーが出勤する。そしてすぐにアドバイザーとして出掛ける感じだ。
 そしてシェリーが馬車に残り、俺は不動産屋に入った。
 担当のスタッフが書類と鍵を持ってくる。
 スタッフを入れて合計4人で、馬車で向かう。近いんだけどね。

 程なく屋敷に到着し、早速中に入る。
 一通り屋敷の中を確認していき、特に問題は無さそうなので、受け取りのサインをして鍵を受け取った。
 これで晴れて俺はこの屋敷の主となった。

 不動産屋のスタッフが帰ると、馬を厩舎に入れ、馬車を小屋に入れてから鍵を閉めた。
 先に2人が玄関に入り、改めて俺を迎え入れた。
 先ずはシェリーだ。

「ようこそご主人様」

 俺は嬉しさの余りシェリーにキスをし、脇を手で挟むと抱き上げてくるくると回った。

「ヒャー」

 嬉しそうな悲鳴が聞こえた。
 そしてナンシーだ。

「ご主人様おめでとうございます!」

 そう言うのでキスをして抱き上げた。そのまま数回転したりと大いにはしゃいだ。

「今日からここが我が城か!」

 そう言うと2人はうっとりと見つめてきたので、抱き締めつつ2人の頭を撫でた。

「さあ荷物などを入れて、住めるように準備をしよう!」

 意気揚々と準備を始めた。先ずは食堂にテーブルと椅子を収納から出し、並べていく。

 次にキッチンに食器棚を置く。食器を棚に入れるのはナンシーとなった。
 シェリーには客間の準備をお願いした。家具やベッドなどは俺が次々に出して回るのでその後だ。

 奴隷達を住まわせる場所はシェリーに任せている。
 昼少し前には一通り家具を置き終わった。
 昼食の時間の為近くで手早く食事をし、3人で奴隷商に向かう。馬車で向かう事としたので、またもや馬車に馬を繋げる。

 奴隷商に着くと、奴隷商の主人が待ち構えていた。

「ようこそおいで下さいました。つつがなく納品の準備が整ってございます」

 早速応接室へ案内されたが、やはり奴隷は物扱いだ。

 間もなく4人が連れて来られたが、4人共ごく普通のワンピースを着ている。首輪が無ければ奴隷とは思えない服で、お願いをちゃんと聞いてくれたようだ。

「この御方がお前達のご主人様だ。精一杯奉仕して、寵愛を賜るのだぞ!」

 奴隷商が奴隷達に告げた。

「ランスロット殿、自己紹介をお願い致します」

 俺は頷いた。

「俺が君達を購入したA級冒険者のランスロットだ。言っておくが、君達を性奴隷にする為に高い金を出しているのでは無い」

 シェリーに目配せをしたので、シェリーは颯爽と言い放った。

「第1奴隷のシェリーだ。近いうちにご主人様のハーレムに入る。そして第2夫人になる予定だ。私の後に第1奴隷を誰かに譲るから、勝ち取れるように頑張って欲しい」

 ナンシーは聖母の如く優しい口調で話し始めた。

「冒険者ギルドにて受付嬢をしておりますナンシーです。ランスロット様の正妻ですのでお見知り置きを」

 いつの間にか既に正妻になっているが、まあいいか。

 奴隷商から各々の奴隷に新しい名前を伝えて欲しいと言われた。

「元の名前や、既に思うところのある名前があれば言って欲しい」

 そう問うが誰も何も言わない。

「そうか。では君達に俺が名前を付ける。もしも親から貰った名前や、自ら希望する名前に変えたい場合は申告するように」

 そう言い、1人づつ奴隷契約を行っていく。
 契約は奴隷商が右手で首輪に触りながら魔力を流し、奴隷契約譲渡と発する。すると手が光る。次いで俺の頭にその光っている右手を添える。そして俺の指に小さな切り傷を付け血を出す。その血を少し手に付けてから1人目の首輪に手を添える。

「奴隷3を取得しました。名前を付けて下さい」

 脳内ディスプレイに文字が出た。

「1人目の譲渡が終わりました。首輪は魔法を封印しております。奴隷紋が宜しければ、一1人につき500万G掛かりますが、術者を手配して奴隷紋を施しますので、いつでもご相談下さい。調教後がお勧めでございます。先ずはお名前をお付け下さい。それでこの者達は完全にランスロット様の物です。夜伽も十分に楽しめると思います。どうぞお楽しみを」

 奴隷商は満面の笑みを浮かべていた。

「最後に奴隷を手放す場合でございますが、購入確定後にお気に召さない場合や、もう飽きた場合等でご不要になりましたら、販売致した奴隷商、つまり今回の場合私でございますが買い取り義務が有り、生きてさえいれば欠損奴隷でも拒否ができませんので買い取り致します。五体満足で有ればどの奴隷商にお売りになられても結構ですが、欠損奴隷については拒否権がございますのでご注意願います」

 一般の女性を連れているにも関わらず、大きな声で伝えてくる。俺はシェリーとナンシーに睨まれるかと思ったが、2人に目を向けると穏やかにウンウンといった感じで頷いていた。

 各自に名前を付けつつ、4人との契約も無事終わり、奴隷商がこの場にて名前というか、番号を各々書き込んだ袋を渡してきた。

「ご注文の品です」

 どうやらメイド服らしい。趣向品ではなく実用品との事だ。服を受け取ると、取り急ぎ奴隷の少女達を馬車に押し込み、急ぎ奴隷商を後にするのであった。
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