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第2章

第34話 専属受付嬢

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 解散後にシェリーとナンシーが4人組のパーティーと話し込んでおり、時折笑い声が聴こえた。
 近いうちに食事をする約束をしていたようだが、嫌な気がしてならない。時折意味ありげな視線をこの4人から向けられていたが、どうせ俺の事をスケコマシとでも言っているのだろうな。

 そしてこの後3人でギルドマスターの所に出頭した。いや、講習が終わったら顔を出すように言われていたんだよね。

 ギルドマスターの所に顔を出した。

「お前さんカヤックをあっさり負かせたんだって?報告が入ったよ」

 色々と規格外な強さになりつつ有る事と、俺ならSSS級冒険者となれるとも言われた。

 先ずは先日の盗賊団の討伐功績で、ブラックオニキスのメンバーを一律C級にランクアップさせる。報酬の準備が出来たとい言い、ナンシーにカードを渡すように言われた。実際は手続きの関係でごちゃごちゃしていたようだ。
 俺、シェリー、ナンシーのカード、ギルドマスターからのランクアップ指示書を持ってナンシーが手続きに行った。あれ?ブラックオニキスのメンバー全員って、ナンシーも含まれているよね?ギルドマスターさん、やらかしたね!と心の中で笑っていた。実際は分かっていて指示をしていたようだ。

 パーティーとしての功績で皆はC、俺個人はB級になる。パーティーとしては先日のオーガの討伐で既にC級に上がる要件を満たしているとの事だ。研修時点でC級に上がる貢献度を得ていた扱いだ。
 そして先の盗賊団の壊滅の功績は、戦闘力から俺個人の物と判断されており、新人研修での模擬戦で講師に勝ったらシェリーもB級に上がれたらしい。ランクアップ試験を兼ねていたようだ。
 ナンシーが戻ってきて、ランクアップしたカードを受け取りナンシーとの専属契約を結んだ。
 専属契約を結んだ場合、受付嬢は専属冒険者の報酬の10%程を得られる。元々ギルドの取り分が有り、その中から支出される。
 受付嬢が専属契約を結ぶというのは、その後結婚をしたり、ハーレム入りする場合が多く、受付嬢の目標となっている場合が多いのだそうだ。
 収入が劇的に上がるし、冒険者も専属契約者有りとなれば箔がつき、一流の仲間入りである。また、美人の受付嬢を落とすチャンスが大きくなるので、仕事を頑張る傾向が強くなり、一般冒険者の悲哀以外良い事が多い。俺もそんな俗物だったりする。

 ハーレムを築く男は実力者であれば社会的地位が高く、一種の英雄であり、そこに入る女性も羨ましがられるのだそうだ。魔物との闘いで、強い男の子孫を残す事は推奨されている。

 専属受付嬢は普段は窓口対応等の応援をしており、契約者が現れると一般冒険者の対応の途中であっても、その場を離れて専属者室で契約者への対応を行う。その為、専属契約をしている受付嬢が窓口を行う時は、カウンターに旗を立てるのと、専用の服を着る。護衛依頼で数日間不在になると分かっている場合でもだ。専用と言ってもデザインが少し違うだけなんだそうだ。専属契約を結んでいる受付嬢の窓口は、折角並んでいても契約者が来てしまえば別の所に並び直さないといけないので、比較的空いている傾向があるようになる。

 ナンシーの歳で専属契約を結ぶのは、異例中の異例だそうだ。彼女の容姿だけではなく、実力も高く評価されている証拠だ。

 ナンシーとの専属契約を結んだ最初の報酬が盗賊盗伐。
 2億4300万Gと俺は驚いた。ナンシーにも1割が入るとギルドマスターに言われ、ナンシーはその金額から気絶してしまった。
 俺は何とかナンシーを受け止めて介抱した。5分せずに意識を取り戻し、大丈夫そうなので続いて詳細を説明してくれた。

 騎士団が確認したら、 赤い狼団の幹部全員の死亡が確認された。未回収だった盗賊のカードも俺の報酬に加わる。ひょっとすると末端の盗賊が逃げおおせたかもだが、長年に渡り討伐できなかった賞金首の為金額も大きかった。
 盗賊団の壊滅の報酬が1億G。
 盗賊団の首領が6千万G、副団長(俺が最後に倒した3人の中の一人)4000万G、1000万Gが二人と500万Gが二人で残りの賞金首で1300万G。
 賞金首以外の一般員は、盗賊団の壊滅費用に含まれるそうだ。
 大金貨2枚と金貨100枚を現金で貰い、残りをカードに入れて貰った。他国のギルドでも引き出す事が出来るとの事だった。

 無事お金を貰い、何よりナンシーと言う貴重な人材を専属にして貰ったので、俺は有頂天になっていた。

 そんなこんなで、3人でギルドを後にし、シェリーとナンシーを伴っていつもの服屋に向かっていた。

 閉店までまだ少し時間があるので、ギルド服の問題があるナンシーの為に訪れる事にしたのだ。
 ナンシーに新しいギルドの制服を持ってきて貰っている。

 実は昨日、店主にギルドの制服について相談をしており、何とかなるとは思うが、当人とその服が必要だというのでナンシーはギルドの服に着替え、状況を確認して貰った。
 ブラウスのサイズが合わず、ボタンがキチンと留められない為、胸元が露わになるのだ。

「あの胸は俺のだ。あのけしからん!じゃなくて見事な谷間を見ていいのは俺だけだ」

 俺はそういうような独占欲から相談していた。そう独占欲からだった。
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