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第2章
第22話 ギルドマスター
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ギルドマスターを名乗る壮年の男が出て来て職員に事情を確認していたが、突然やたらとでかい声で詰問し始めた。
「グッディー! お前、今度馬鹿やったらギルド資格剥奪って言ったよな!残念だ。誰かそいつのカードを取り上げ、町の外に捨ててこい!」
そう言うと、吹き飛んだテーブルを見てため息をつき、食べ物を作り直すように食堂の職員に指示をし、金貨を投げていた。
そして俺達と受付嬢にクイクイと指を曲げて、ついて来るように示した。
ギルドマスターは俺より拳一つ分小さいが、筋肉質でダンディな雰囲気だった。
俺と強さは似たり寄ったりかなと感じ取れた。
応接室に入ると座るように手振りをされたが、案内された上座に座ろうとしたシェリーを手で制止し、シェリーを下座に座らせてから俺も下座に座った。
「ほう」
ギルドマスターが感心していた。
受付嬢に顎で扉を示し、一旦下がらせた。
程なくして受付嬢が4人分のお茶を持ってきたが、その間ギルドマスターにやたらと睨まれ、何度もアナウンスが聞こえてきた。
「レジスット成功」
相変わらずレジストじゃないんだなと思うのだが、考えるべきはそこじゃなく、どういった意図で何をされたかなんだけどね。
どうやら威圧を使ってきたようで、俺の事を試しているっぽいなと推測した。
ギルドマスターがため息をつく。
「すまなかったな。もっと早く追放しておくべきだった」
ギルドマスターの言葉に対し、俺は当たり障りのない回答をする事にした。
「いきなりだったので避けられませんでした」
ギルドマスターは俺をジト目で見ていた。
「ふん。まあそう言う事にしておくか。所で赤い狼団を壊滅させたのはお前達で良いんだよな?」
「名前までは知りませんが、奴隷商人を襲った奴らと戦って何人かを殺した事についてでしたら間違い有りません」
「やはりそうか。門番から黒髪黒目の若い奴が盗賊団達のカードを持って来たと言っていて、それで調査をしたらやはり死亡が確認できたのだと取り急ぎ報告が入ったぞ。だがしかし、元Aランクの冒険者の頭領をよく殺れたな」
「偶々ですよ。略奪に夢中になっている所を後ろからぶすりと殺っただけなので」
シェリーが何かを言い掛けたが、俺は手を強く握って制した。
「まあ死に掛けましたし、このシェリーがいなかったら実際問題くたばっていましたからね。運が良かったんですよ」
「おいナンシー、こいつらにギルドカードを渡してやれ。お前らのようにいくら強くても、規則の所為でFランクスタートで悪いな。明後日にある初心者講習に先ずは参加しろ。その後、適当な依頼をこなしてくれればEランクになれる。そうしたら盗賊討伐の功績でCランクにしてやれるからな。本来はCに上がるのには試験があるが、まあ試験と言っても盗賊の討伐か、死刑囚の処刑にて人を殺す事になるのだが、既にお前達は盗賊の1団を丸ごと潰しているからクリアしている。それと、Cランクに上がったら、このナンシーをアドバイザーとして、専属契約をさせてやる。盗賊の懸賞金は講習が終わる頃に渡せそうだぞ」
ギルドマスターが受付嬢改めナンシーの背中をばしっと叩いて挨拶をさせた。
「わたくしナンシーがランスロットさん達のアドバイザーを務めさせて頂きます。何分若輩者ですので至らぬ点も多々あるかと思いますが、どうぞ宜しくお願いしますね」
俺はナンシーさんに手を差し伸べて握手を交わした。ここでも一瞬電気が走り、お互い驚いた。直感が告げた。俺の運命の女神だと。
そしてナンシーの手に左手を重ね信頼できる人にする固い握手をした。いや、知らずにしてしまったのだ。日本のそれのつもりだったが、後で知ったが、交際や結婚の申込みだった…
「ミス・ナンシー、こちらこそ若輩者ですが、宜しくお願い致します」
一瞬だったが強く握ってきた。顔を見たら何故か握手如きなのに少し赤くなっており、しかもモジモジしていたような気がした。可愛い方だなと思った。そう、うぶなのかな?と。
シェリーを見ると、俺を優しく生暖かい目で見ていた。何でだろう?
ギルドマスターは何故か名乗らなかった。
懸賞金は渡せられるようになったら、カードの方に残高として入金しておくと伝えて来た。ギルドに行けば引き出す事が可能なのだ。
アドバイザーの斡旋は本来Aランクの冒険者からだそうだが、有名な盗賊団を壊滅させた為、特別に対応をしてくれるらしい。既にAランクの実力があると認識しているそうだ。まあ、Aランクの奴を殺せばそうなるわな。
その後手持ちのゴブリンとオークの盗伐証明部位を換金したが、魔石は使う予定があるので今回は換金しないと伝えた。ゴブリンとオークは常時依頼が有り、全部で金貨3枚と銀貨3枚を貰った。
ゴブリンは1匹1000G、オークは5000Gだった。
提出したのはゴブリン13体分とオーク4体分だ。つまりオーク20000G、ゴブリン13000Gで計33000Gだ。
金貨一枚が10000Gで銀貨1枚は1000Gだからだ。
それと、パーティー登録の仕方を教えて貰い、無事にパーティー登録が出来た。
パーティー名はブラックオニキスにした。分かる人は分かる名前だ。
取り敢えずギルドを後にし、昼食を食べてから町の外に行き魔物を狩りに行く事にした。
シェリーがまたもや奴隷チックな行動を取ろうとしたので、慌てて止めたのは言うまでも無い。
さて行きますかと万歳をし、これから異世界の冒険者としての第一歩を踏み出しますかと気合を入れていたが、隣で不思議そうな顔をしながらシェリーに見られていたので少し照れたが、折角の異世界、堪能したいものである。
「グッディー! お前、今度馬鹿やったらギルド資格剥奪って言ったよな!残念だ。誰かそいつのカードを取り上げ、町の外に捨ててこい!」
そう言うと、吹き飛んだテーブルを見てため息をつき、食べ物を作り直すように食堂の職員に指示をし、金貨を投げていた。
そして俺達と受付嬢にクイクイと指を曲げて、ついて来るように示した。
ギルドマスターは俺より拳一つ分小さいが、筋肉質でダンディな雰囲気だった。
俺と強さは似たり寄ったりかなと感じ取れた。
応接室に入ると座るように手振りをされたが、案内された上座に座ろうとしたシェリーを手で制止し、シェリーを下座に座らせてから俺も下座に座った。
「ほう」
ギルドマスターが感心していた。
受付嬢に顎で扉を示し、一旦下がらせた。
程なくして受付嬢が4人分のお茶を持ってきたが、その間ギルドマスターにやたらと睨まれ、何度もアナウンスが聞こえてきた。
「レジスット成功」
相変わらずレジストじゃないんだなと思うのだが、考えるべきはそこじゃなく、どういった意図で何をされたかなんだけどね。
どうやら威圧を使ってきたようで、俺の事を試しているっぽいなと推測した。
ギルドマスターがため息をつく。
「すまなかったな。もっと早く追放しておくべきだった」
ギルドマスターの言葉に対し、俺は当たり障りのない回答をする事にした。
「いきなりだったので避けられませんでした」
ギルドマスターは俺をジト目で見ていた。
「ふん。まあそう言う事にしておくか。所で赤い狼団を壊滅させたのはお前達で良いんだよな?」
「名前までは知りませんが、奴隷商人を襲った奴らと戦って何人かを殺した事についてでしたら間違い有りません」
「やはりそうか。門番から黒髪黒目の若い奴が盗賊団達のカードを持って来たと言っていて、それで調査をしたらやはり死亡が確認できたのだと取り急ぎ報告が入ったぞ。だがしかし、元Aランクの冒険者の頭領をよく殺れたな」
「偶々ですよ。略奪に夢中になっている所を後ろからぶすりと殺っただけなので」
シェリーが何かを言い掛けたが、俺は手を強く握って制した。
「まあ死に掛けましたし、このシェリーがいなかったら実際問題くたばっていましたからね。運が良かったんですよ」
「おいナンシー、こいつらにギルドカードを渡してやれ。お前らのようにいくら強くても、規則の所為でFランクスタートで悪いな。明後日にある初心者講習に先ずは参加しろ。その後、適当な依頼をこなしてくれればEランクになれる。そうしたら盗賊討伐の功績でCランクにしてやれるからな。本来はCに上がるのには試験があるが、まあ試験と言っても盗賊の討伐か、死刑囚の処刑にて人を殺す事になるのだが、既にお前達は盗賊の1団を丸ごと潰しているからクリアしている。それと、Cランクに上がったら、このナンシーをアドバイザーとして、専属契約をさせてやる。盗賊の懸賞金は講習が終わる頃に渡せそうだぞ」
ギルドマスターが受付嬢改めナンシーの背中をばしっと叩いて挨拶をさせた。
「わたくしナンシーがランスロットさん達のアドバイザーを務めさせて頂きます。何分若輩者ですので至らぬ点も多々あるかと思いますが、どうぞ宜しくお願いしますね」
俺はナンシーさんに手を差し伸べて握手を交わした。ここでも一瞬電気が走り、お互い驚いた。直感が告げた。俺の運命の女神だと。
そしてナンシーの手に左手を重ね信頼できる人にする固い握手をした。いや、知らずにしてしまったのだ。日本のそれのつもりだったが、後で知ったが、交際や結婚の申込みだった…
「ミス・ナンシー、こちらこそ若輩者ですが、宜しくお願い致します」
一瞬だったが強く握ってきた。顔を見たら何故か握手如きなのに少し赤くなっており、しかもモジモジしていたような気がした。可愛い方だなと思った。そう、うぶなのかな?と。
シェリーを見ると、俺を優しく生暖かい目で見ていた。何でだろう?
ギルドマスターは何故か名乗らなかった。
懸賞金は渡せられるようになったら、カードの方に残高として入金しておくと伝えて来た。ギルドに行けば引き出す事が可能なのだ。
アドバイザーの斡旋は本来Aランクの冒険者からだそうだが、有名な盗賊団を壊滅させた為、特別に対応をしてくれるらしい。既にAランクの実力があると認識しているそうだ。まあ、Aランクの奴を殺せばそうなるわな。
その後手持ちのゴブリンとオークの盗伐証明部位を換金したが、魔石は使う予定があるので今回は換金しないと伝えた。ゴブリンとオークは常時依頼が有り、全部で金貨3枚と銀貨3枚を貰った。
ゴブリンは1匹1000G、オークは5000Gだった。
提出したのはゴブリン13体分とオーク4体分だ。つまりオーク20000G、ゴブリン13000Gで計33000Gだ。
金貨一枚が10000Gで銀貨1枚は1000Gだからだ。
それと、パーティー登録の仕方を教えて貰い、無事にパーティー登録が出来た。
パーティー名はブラックオニキスにした。分かる人は分かる名前だ。
取り敢えずギルドを後にし、昼食を食べてから町の外に行き魔物を狩りに行く事にした。
シェリーがまたもや奴隷チックな行動を取ろうとしたので、慌てて止めたのは言うまでも無い。
さて行きますかと万歳をし、これから異世界の冒険者としての第一歩を踏み出しますかと気合を入れていたが、隣で不思議そうな顔をしながらシェリーに見られていたので少し照れたが、折角の異世界、堪能したいものである。
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