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第二章 逃亡編
第34話 ルースの死
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ドボンドボンと皆入水していった。川の水はかなり冷たかったが、皆岸に向かって泳いでいた。
岸に上がったアルテミスがぶちゅうとその可憐な口をルースの口に当てていた。
そう、助かった事を喜び熱いキスを・・・ではなくトニーの指示の元でルースに人工呼吸を行っていたのだ。
心臓マッサージはトニーがしていたが、流石に男相手にしたくはないので、人工呼吸はトニーが指示をして一回目はソフィア、そして今二回目をアルテミスが行っている所だった。
ルース一人だけ泳げなかった。泳げない上に頭を打っていたのもあり、あっさりと溺れて川底に沈んでいったのだ。これで溺れたのは僅か数日で二度目の事になる。
そして暫くしてからルースは川底に沈んでいる状態で発見され、アルテミスにより岸に引き上げられており、トニーの指示で必死に心臓マッサージと人工呼吸をして、蘇生を試みている所だった。
「確かルースも魔法使用が出来るように制限を外していたようだけど、弱い雷系の魔法って誰か行ける?気絶させる程度だとありがたい!」
ソフィアが遠慮気味に手を上げた。
「私、風が得意属性です。魔力を弱めれば火傷を負ってしまいますが、致命傷にならない範囲できるかと思います」
「よし、僕がやれと言ったら僕が離れた事を確認してからだけど、今僕の手がある所に雷を放って欲しい。これをすれば心臓が再び動き出して、息を吹き返す可能性があるんだ。ルースを助けるには最早これしかないんだ。無理そうならルースに変わって命令をしなきゃならないができるね?」
「はい。それでルース様が生き返るのでしたら」
そこから頃合いと見てトニーが言った
「準備ができたら放って。放つと言ったら僕は離れるから、教えて欲しい。詠唱が必要なら始めて!」
「森羅万象の理に願う。そよ風舞う清き大気よ我にその力を示し給え!我が前にその大いなる力を解き放たんと欲っする!リトルサンダー」
アルテミスが告げた。
「トニー様下がってください」
トニーがルースの体から離れたと同時に、ソフィアの右腕の肘辺りに魔法陣が発生し、手に向かって移動した。するとバチバチと電気がスパークしていた。そしてその手をルースの左胸に当てるとばちばちばちと電撃が放たれ、ルースの胸を焦がした。
ルースの胸にリトルサンダーが放たれると、一瞬だが体がビクンとなった。
しかし呼吸をしないので、すかさず3回目のマウストゥーマウスを、涙で目を腫らしたソフィアがトニーの指示により行おうとしていたのであった。
岸に上がったアルテミスがぶちゅうとその可憐な口をルースの口に当てていた。
そう、助かった事を喜び熱いキスを・・・ではなくトニーの指示の元でルースに人工呼吸を行っていたのだ。
心臓マッサージはトニーがしていたが、流石に男相手にしたくはないので、人工呼吸はトニーが指示をして一回目はソフィア、そして今二回目をアルテミスが行っている所だった。
ルース一人だけ泳げなかった。泳げない上に頭を打っていたのもあり、あっさりと溺れて川底に沈んでいったのだ。これで溺れたのは僅か数日で二度目の事になる。
そして暫くしてからルースは川底に沈んでいる状態で発見され、アルテミスにより岸に引き上げられており、トニーの指示で必死に心臓マッサージと人工呼吸をして、蘇生を試みている所だった。
「確かルースも魔法使用が出来るように制限を外していたようだけど、弱い雷系の魔法って誰か行ける?気絶させる程度だとありがたい!」
ソフィアが遠慮気味に手を上げた。
「私、風が得意属性です。魔力を弱めれば火傷を負ってしまいますが、致命傷にならない範囲できるかと思います」
「よし、僕がやれと言ったら僕が離れた事を確認してからだけど、今僕の手がある所に雷を放って欲しい。これをすれば心臓が再び動き出して、息を吹き返す可能性があるんだ。ルースを助けるには最早これしかないんだ。無理そうならルースに変わって命令をしなきゃならないができるね?」
「はい。それでルース様が生き返るのでしたら」
そこから頃合いと見てトニーが言った
「準備ができたら放って。放つと言ったら僕は離れるから、教えて欲しい。詠唱が必要なら始めて!」
「森羅万象の理に願う。そよ風舞う清き大気よ我にその力を示し給え!我が前にその大いなる力を解き放たんと欲っする!リトルサンダー」
アルテミスが告げた。
「トニー様下がってください」
トニーがルースの体から離れたと同時に、ソフィアの右腕の肘辺りに魔法陣が発生し、手に向かって移動した。するとバチバチと電気がスパークしていた。そしてその手をルースの左胸に当てるとばちばちばちと電撃が放たれ、ルースの胸を焦がした。
ルースの胸にリトルサンダーが放たれると、一瞬だが体がビクンとなった。
しかし呼吸をしないので、すかさず3回目のマウストゥーマウスを、涙で目を腫らしたソフィアがトニーの指示により行おうとしていたのであった。
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