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第4章

女殺し

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 当夜が戦い始めた頃、街は大騒ぎだった。
 突然魔法の撃ち合いでドゴーンドゴーンと大地が揺れるのだ。

 敵兵が街の近くで野営をしているのは分かっていた。しかし、戦力差が激しく指揮官は撤退準備をしていた矢先だけに誰かがと言うよりリーサルウェポンが来てくれた!?と確信というより祈っていた。

 そしてシャクラ達は規格外の魔方が飛び交っていて、近づくのを諦め、巻き添えを喰らう恐れから一端離れて様子を窺っていた。
 小さい方の魔法も当夜を覗けば世界屈指の大きさだ。当夜と比べるのが酷なのだが。

 皆唖然としていた。必至に遠ざかったが、遂に大魔力のストームが発生し凄い事になったと恐怖すらしていた。改めて知ったのだ、己が伴侶として選んだ者は最早生きる災厄で、文字通り国をも滅ぼす力を持っていると。

 そして当夜はまだ息のある者達の元に向かう。
 そこは魔法を放ってきた奴等がいた所だった。それまでは兵士しかいなかったが、今見ているのは魔術師だ。当夜は呆然と立ち竦めた。そこにいたのは高校生位の若い男女だったからだ。

 一部は死んでいるが、大半の者は虫の息でまだ生きていた。
 おそらく魔法に抵抗して威力を弱めたのか、ストームの中で自らを守ったか。

 そうしていると、白旗を持った女が向かってきた。背格好は妙齢の女のようだが顔はローブを纏っていてよく分からない。女装してなければスカートなのと、胸の膨らみから女性と判断した。しかし既にかなり弱っていて今にも倒れそうだった。当夜は一瞬首を振り、相手を見て頷いたが、手を前に出して少し待てとジェスチャーし、その相手に近づきヒールを唱える。そして離れて一礼して、頷いてから構えた。倒れる寸前の状態の相手と一騎討ちをするのは騎士道に反すると変な感情を抱く当夜だ。

 女は戸惑いながら何かを召喚し当夜に向けて放った。
 蜥蜴が火を纏ったようなのだ。

 当夜は燃え盛るそれに対してエクスプローションで爆散し消し、女の背後に回り首に剣を当てて決着した。
 女は項垂れて膝をついて敗北を認め、生きている者は抵抗を止めたのだった。
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