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第1章
アモネスの決意
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朝当夜が目覚めるとアモネスが布団の中に居た。気が付かない振りをしてルナに朝のチャージをする。
アモネスが昨夜ルナに頼み込んでいて、ルナが受け入れた為に今の状況に至っている。
アモネス「ルナ姉様、アモネスは全てを知った上で、やはり当夜様の事が好きなんです。当夜様の体の事を理解した上でなのです。今後も今回のような事が有りましてもアモネスなら大丈夫です。例え生娘のまま歳老いて死しても本望です。ただ、あの子達には話すつもりはありません。言えば恐らく付いて来るでしょうが、子を産むみ育てる幸せをあの子達には持って貰いたいのです。ですからあの子達には私が当夜様に抱かれた事にしたいんです。そうすれば当夜様に対する恋心も収まり、他の殿方といずれ結婚すると思います。ですので部屋の鍵をお貸し願いませんか?」
ルナ「良いのですか?あなたの進もうとする道は当夜様自身を苦しめる事になるやも知れませんよ。それに貴女自身が言った、子供の事を諦める事になる可能性が有るのですよ?少なくとも女としての悦びを得られない事を選択為されるのですよ?私は自らの意思で、他の男と体の関係を持った者を当夜様のお付にはさせませんが、そういった覚悟を決めているのですね?」
アモネス「勿論です。姉様の仰るように女性を抱けない、私を母親にしてあげられないという事で当夜様は苦悩されると思いますが、それでも添い遂げたいと思います。勿論ですが、自らの欲望により他の殿方に抱かれ、汚されるつもりは有りません。それと女の悦びというのがよく分からないのです」
ルナ「分かりました。私もいつまで顕現できるか分かりません。何が有って一週間以上チャージが出来なくなる事態が訪れるかは分かりません。当夜様からは絶対そういう事にならないようにして下さいますが、当夜様の意志とは関係ない所で何があるか分かりません。私に何かあった時は当夜様の事はお任せしましたよ。それと私の場合ですが、当夜様に召喚された時に人間の知識として植え付けられている事であって、経験があるわけではありません。私もまた生娘ですので実際の所よく分からないのです。ですが当夜様より頂きしこの体に、他の男を受け入れるつもりは有りませんよ」
そう言いルナがそっと部屋の鍵をアモネスに渡して、夜中にそっとベットから抜け出したアモネスが当夜の布団の中に潜り込んで今の状況に至っているのだった。
アモネスは当夜とルナのチャージが終わるのをずっと待っていた。当夜の背中に抱き着く形で当夜の背中の温もりを感じていた。
『男の人の背中ってやっぱり大きいな。お父様みたい』
と当夜を亡くなった父親の面影に重ねてしまっていたのだ。
実は三人は当夜達に嘘をついているのだ。既に帰る村はもう無い。偶々村の用事で出掛けており、ついでに麓の山に三人で山菜を摘んでいる時に村が50人を超える蛮族に襲われ、全員が殺されていたのだ。彼女達は煙を見つけ異変を察知し、蛮族が去るまで山中に身を潜めていたのだ。結果的に両親を含め村人を見捨てた形になり、彼女達は今もその事について苦しんでいるのだ。
高々14、15歳の女の子三人に何ができるのか?そう、何も出来ない。村へ助けに行った所で多勢に無勢だ。犯され辱められた挙げ句の果てに殺され、死体の数が増えるだけだ。単に犠牲者が3人増えるだけで、無駄死になるのが関の山だ。魔法を勉強していたので簡単な攻撃魔法は使えたから、ひょっとすると2、3人位は倒す事が出来た程度だった。
彼女達を責める者は誰もいない。むしろよく我慢したと、気の毒だと言ってれくれる。
アモネスはとてもじゃないが当夜には言えなかったのだ。言えば一緒に苦悩し、あまつさえ敵討ちをしようと言ってくるだろう。巻き込みたくなかった。それでもルナにだけは話をして口止めをお願いしたのだ。当夜の性格だと敵討ちに動くだろうからとの趣旨をルナが理解して、言わずにいてくれていたのだ。
アモネスは思っていた。自分の子を残せないのは仕方が無いが、あの二人がちゃんと子をなせば村の血は受け継がれていく。子をなせない苦しみを背負うのは自分一人で十分だと。当夜に陰日向になり尽くそうと。恐らく猛烈なアタックは当夜を苦しめるだろう。彼の頭が良いのは分かっているので、そんな彼を納得させるのに十分な理路整然とした話がまだ思い浮かばない。今は一緒に、ただ一緒に居るだけで良しとしようと心に決めるアモネスだった。しかし、思い通りに事が進む訳が無いのだが。
アモネスが昨夜ルナに頼み込んでいて、ルナが受け入れた為に今の状況に至っている。
アモネス「ルナ姉様、アモネスは全てを知った上で、やはり当夜様の事が好きなんです。当夜様の体の事を理解した上でなのです。今後も今回のような事が有りましてもアモネスなら大丈夫です。例え生娘のまま歳老いて死しても本望です。ただ、あの子達には話すつもりはありません。言えば恐らく付いて来るでしょうが、子を産むみ育てる幸せをあの子達には持って貰いたいのです。ですからあの子達には私が当夜様に抱かれた事にしたいんです。そうすれば当夜様に対する恋心も収まり、他の殿方といずれ結婚すると思います。ですので部屋の鍵をお貸し願いませんか?」
ルナ「良いのですか?あなたの進もうとする道は当夜様自身を苦しめる事になるやも知れませんよ。それに貴女自身が言った、子供の事を諦める事になる可能性が有るのですよ?少なくとも女としての悦びを得られない事を選択為されるのですよ?私は自らの意思で、他の男と体の関係を持った者を当夜様のお付にはさせませんが、そういった覚悟を決めているのですね?」
アモネス「勿論です。姉様の仰るように女性を抱けない、私を母親にしてあげられないという事で当夜様は苦悩されると思いますが、それでも添い遂げたいと思います。勿論ですが、自らの欲望により他の殿方に抱かれ、汚されるつもりは有りません。それと女の悦びというのがよく分からないのです」
ルナ「分かりました。私もいつまで顕現できるか分かりません。何が有って一週間以上チャージが出来なくなる事態が訪れるかは分かりません。当夜様からは絶対そういう事にならないようにして下さいますが、当夜様の意志とは関係ない所で何があるか分かりません。私に何かあった時は当夜様の事はお任せしましたよ。それと私の場合ですが、当夜様に召喚された時に人間の知識として植え付けられている事であって、経験があるわけではありません。私もまた生娘ですので実際の所よく分からないのです。ですが当夜様より頂きしこの体に、他の男を受け入れるつもりは有りませんよ」
そう言いルナがそっと部屋の鍵をアモネスに渡して、夜中にそっとベットから抜け出したアモネスが当夜の布団の中に潜り込んで今の状況に至っているのだった。
アモネスは当夜とルナのチャージが終わるのをずっと待っていた。当夜の背中に抱き着く形で当夜の背中の温もりを感じていた。
『男の人の背中ってやっぱり大きいな。お父様みたい』
と当夜を亡くなった父親の面影に重ねてしまっていたのだ。
実は三人は当夜達に嘘をついているのだ。既に帰る村はもう無い。偶々村の用事で出掛けており、ついでに麓の山に三人で山菜を摘んでいる時に村が50人を超える蛮族に襲われ、全員が殺されていたのだ。彼女達は煙を見つけ異変を察知し、蛮族が去るまで山中に身を潜めていたのだ。結果的に両親を含め村人を見捨てた形になり、彼女達は今もその事について苦しんでいるのだ。
高々14、15歳の女の子三人に何ができるのか?そう、何も出来ない。村へ助けに行った所で多勢に無勢だ。犯され辱められた挙げ句の果てに殺され、死体の数が増えるだけだ。単に犠牲者が3人増えるだけで、無駄死になるのが関の山だ。魔法を勉強していたので簡単な攻撃魔法は使えたから、ひょっとすると2、3人位は倒す事が出来た程度だった。
彼女達を責める者は誰もいない。むしろよく我慢したと、気の毒だと言ってれくれる。
アモネスはとてもじゃないが当夜には言えなかったのだ。言えば一緒に苦悩し、あまつさえ敵討ちをしようと言ってくるだろう。巻き込みたくなかった。それでもルナにだけは話をして口止めをお願いしたのだ。当夜の性格だと敵討ちに動くだろうからとの趣旨をルナが理解して、言わずにいてくれていたのだ。
アモネスは思っていた。自分の子を残せないのは仕方が無いが、あの二人がちゃんと子をなせば村の血は受け継がれていく。子をなせない苦しみを背負うのは自分一人で十分だと。当夜に陰日向になり尽くそうと。恐らく猛烈なアタックは当夜を苦しめるだろう。彼の頭が良いのは分かっているので、そんな彼を納得させるのに十分な理路整然とした話がまだ思い浮かばない。今は一緒に、ただ一緒に居るだけで良しとしようと心に決めるアモネスだった。しかし、思い通りに事が進む訳が無いのだが。
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