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第1章

街に

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 盗賊の死体を見ると体からグレー色をした5cm四方位のキューブ状の物が出ていた。ルナによると死体にはコレが出るのと、盗賊の討伐証明にもなると言う。殺されている冒険者?を見ると色の違うキューブが出ていた。
 普通の人は白で盗賊はグレーだった。

 殺された者のキューブも集めたが、容れるカバン等の持ち合わせがない。周囲を確認すると背負えるバックを発見した。そのバックにキューブを入れ、水と食料を少し発見したので一ヶ所に集めた。

 お金が見つかったので、二人共少しだけ身につけ残りはカバンに入れた。
 当夜が装備出来そうなサイズの防具が無く、取り敢えず二人共武器を装備し、短剣とナイフを予備や投擲用に身に付けた。

 死体を見ると大きな者でも165cm位のようで、この世界では当夜はかなり大きい者となるようだ。   

 お金は金貨30枚、銀貨15枚、銅貨20枚が集まったが、当夜には貨幣価値がわからない。なので人里にて教えて貰う必要が有ると思ったのだ。

 服も馬車の残骸から着れそうな物を見繕い、その場で着替えた。当夜が着ていたのは病院で普段着ていた作無服のような簡易な寝間着だったのだ。
 当夜は靴を履いていなかったが、盗賊の一人のが何とか履けたので、それでなんとかした。
『水虫じゃないよな?』と場違いな事を思ったりしていた。

 残念ながら無事な馬車が無かった為、徒歩で移動する事になった。

 道を少し進むと街道に出たので何となく右に進む事にした。


 因みに盗賊の物は倒した者が権利を主張出来るとルナが言っていた。その為、窃盗ではなく合法的に自分の物に出来ていたのだ。

 道中、多分ゴブリンやオークと思われる魔物と遭遇したが、ルナがサクサク倒し、魔石と討伐証明部位を回収していった。ルナによると魔物についての知識は召喚の影響で持ち合わせている。魔石と討伐証明部位をギルドに持っていくとお金になるから回収していた。

 道中困ったのは排泄だ。
 ルナはおしっこの仕方がわからないと言うので、真面目に教えていた。用を足した後にビデの拭き方を一度だけだよと言い、回収した荷物の中の柔らかい紙のような物で拭き取ると、理解したようだ。
 大きな赤ん坊の世話をしている感じだったのだ。当夜は女性のオシッコを見て興奮する性癖はなく、やらない訳にはいけないから嫌々だがやっていたのだ。

 夕方になり何とか街に辿り着いたが、街に入るのに困ってしまった。

 当夜もルナも守衛から出すように言われたキューブが出ない。守衛も慌てているが、一緒に冒険者ギルドに行き、作成する事となった。

 町並みは中世のヨーロッパを彷彿とさせる煉瓦が多く使われている建物が多い。二階建てが基本のようで、 やはり現代日本とは様子が違ったのだ。まるで観光地に来た気分になる様な古い町並みだ。と言っても日本からしたらで、これが彼らの最新様式なのだろう。

 ギルドがある建物は3階建てで、1階は依頼の掲示板が壁際にあり、中には受付と食堂がある。ギルドにて作成して貰った物を一度体内に入れ、取り出すと登録ができるのだが、ルナは白色だったが当夜の場合、金色をしていた。当夜のキューブの色を見てその場の全員が驚いていた。金色は異世界人だからだ。取り出しやしまうのは念じるだけであっさり出来たのだった。異世界人と言うので急遽ギルドマスターと面談する事になったのだ。

 ギルドマスターの部屋に行くと40代後半位のおっさんがいた。特に特徴はないが元冒険者らしく、鍛えられた体だ。顛末を説明すると暫くこの街で過ごし、王都に行くと良いと言われた。その為暫くこの街で力を付ける事になりそうだ。異世界人と言うのは極力伏せるようにアドバイスを、それたのだ。

 そして受付で冒険者登録を行うのと、初心者用の講習会の案内があり申し込むのだが、字が読めないのでルナに全てを委ねざるを得なかった。
 受付嬢は綺麗な方ばかりで当夜はドギマギしたものだ。
 初心者講習を受講するのは初心者講習を受けないと殆どの依頼が受けられない為だ。受講済みじゃないと簡単な採取依頼くらいしかできないのだ。
 冒険者登録の説明はよくあるファンタジー物の感じで、冒険者は主に採取依頼、護衛依頼、魔物の討伐や調査依頼等で報酬を貰う。
 依頼は一つ上と下のランクまでは受けられる。

 冒険者ランクはFからスタートしてE,D,C,B,A,S, SS,SSSになる。

 魔物を倒すと魔石を得られるので、魔石と討伐証明部位を持って来ると買い取ってくれる等だ。

 取り敢えず道中に倒した魔物の魔石と討伐証明部位、盗賊のキューブ、亡くなった方のキューブを提出したが驚かれた。
 査定に時間が掛かり、明日お金を受け取る事になった。

 お勧めの宿を教えて貰ったが、相場は中級宿の場合二人で一部屋で概ね銀貨10枚~20枚位だそうだ。

 今回教えて貰った宿は中級宿で、早速宿に向かう事にしたのであった。
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