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第3章

第176話 後始末とキャッスル再び

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 さて困った。
 アイリーンをどうするか?だ。
 ここは何もないただの草原跡地だが、直接地面に寝かせたくはない。

 なぜ跡地?
 だってドラゴンが墜落したもん。
 違うだろ!って?
 は、はい。私が岩で辺り一帯を凸凹にしました・・・

 取り敢えず布団を出してその上に寝かせました。

 アイリーンの荷物を纏め、トランシーバーを使います。
 寝ている所悪いけど、一斉にアラームを送ります!
 スマホを出して、そのアラームです。

 ピコーン!ピコーン!!ピコーン!ビピビピ!
 数秒間発信です。

「うっさいわよ!起きているわよ!誰?ってこんな事するのどうせレオンでしょ!?今丁度良いところなんだから静かにしなさいよ!!」

 みっちゃんである。
 まったりとしながら小説を読み耽っている所を邪魔したようだ。

「悪かったな。緊急事態だ。今俺とアイリーンだけが地上にいるんだ。もう一度タウンドリフトを使うが、他の繭は見えるか確認してくれ!」

「何やっているのよ?他はちゃんと見えるわよ。確かに2つ無いわね」

「良かった。俺の繭がドラゴンにぶつかったようで、気が付いたら落下しててさ、取り敢えず倒したところだ。で、何故かアイリーンの繭だけ俺の所に戻ってきたんだよ」

「瑞・・・よい・・・ちゃん・・・ザー・・・」

 距離が離れた所為か会話が出来なくなった。
 さてどうするかな?先ずは荷物をしまう。そうそう、あの岩だが、同じ大きさの鉄の塊に化けたよ。

 アイリーンは起きる気配がない。

「起きなきゃおっぱい揉むぞー」

 そう言っても全く反応がないから、深い眠りに落ちているっぽい。
 仕方が無いのでアイリーンを抱き寄せると紐で縛り、ベルトにカラビナを付け合い離れないようにした。

 未だにアイリーンは寝ているので、布団をしまうと、そのままタウンドリフトを発動した。
 さてどうなるかな?

 予測通りに同じ繭の中にいた。
 再び空の人になったので、アイリーンを降ろして布団を出す。
 狭いので1枚しか出せないから、アイリーンを抱き寄せる形で布団に包まる。

 やはりアイリーンは美人過ぎる。 
 しかし、俺も眠く、人肌のあたたかさから眠りに落ちたが、代わりに程なくしてアイリーンが目覚めた。

「私夢を見ているんだ。だって繭の中で栃郎さんに抱きしめて貰っているもん。夢なら何でもしても良いわよね!」

 アイリーンは夢と思い込み、俺の唇に己の唇を重ね、舌を絡めてきた。
 俺はそれで目が覚めた。

 背中を擦るとアイリーンがはっとなり口を離した。
 良かった!
 禁断の女子高生とのディープキス。

「おはようアイリーン!」

「あれ?夢じゃないの?」

「リアルだよ?」

「何で栃郎さんがいるの?私、その、栃郎さんにキスしちゃった・・・」

「色々な事があって・・・」 

 俺は落下中にスマホで撮った写真の中にドラゴンの姿を確認し、アイリーンに見せながら説明をした。

 ドラゴンを倒した後、お互いの体を括り付けてからタウンドリフトを使ったと。
 まだ2時間程あるからどうしようとなりお互い真っ赤になっていたが、狭い所で男女2人!・・・

 勿論あれをやりましたよ!あれを!

 ってエッチな事はやってませんからね!
 いつ到着するか分からないし、最悪マッパでやっているその姿で地上に降りるなんて事になり兼ねないから。

 暫くはトランプをしてたんだよ。
 その後布団の中に入り、アイリーンの求めで長時間のキスをしたさ。
 したのはちょっとモミモミしただけで、手は出さなかったからね!

 アウト?・・・・

 アイリーンはここぞとばかりに俺への想いを話してきた。

 ずっと想いを抱いており、俺を追い掛けて銀行への就職を目指していたと。

 俺は愛おしくなりその体を・・・って求めていません。ぎゅっとハグしただけだから。
 17歳の子に手を出したら犯罪だから、抑止力が働いてます。
 18歳になったら?
 うーん、高校を卒業するはずの日本でいうと3月になったらかな。
 今は7月になったばかりのはずなんだ。
 日本なら夏か。そろそろ花火の本格シーズンなんだよな。アイリーンやみっちゃんと浴衣を着て観に行ったら最高だろうな。
 花火をバックに女の子をパシャリ!
 よかよか。

 コホン。
 妄想は置いておいてと。お触りしてたのも妄想です。モミモミも妄想っす。触りたくてウズウズしているけど、妄想だけで我慢!精々飛翔する等、背負った時に感触を堪能するに留めます!キスだけはしました・・・

 アイリーンはそんなふうにお触りしても良い存在ではないからね。

 でも、半身を起こしていて、今はアイリーンは俺の胸元に頭を預けて甘えてきている。その細い肩を抱いているが、やっぱり人肌は良い。エロス抜きで落ち着くよ。
 狭いからそうせざるを得ないんだよね。カプセルホテルの部屋に無理やり2人が入っている狭さなので、もしも尿意を催したらまじでやばい・・・

 しかしなんで俺はドラゴンにぶつかったのか?と思うも、約3時間後、皆がいる城の屋根に無事に降り立った。

 俺とアイリーンが同じ繭から出てきたので、みっちゃんに胸ぐらを掴まれた。

「あんたまさか瑞希にてを出していないわよね!?」

「当たり前だろ。あの中でそんな事をしてみろ!行為のまっ最中に目的地に到着して裸で外に放り出されるかもなんだぞ!」

 みっちゃんはジト目をするが、ニーナから窘められた。

「レオン、今は痴話喧嘩している時ではないぞ。ここもそのうち発見されるぞ!で、どうやって降りるんだ?レオンが何度かに分けて運ぶのか?」

「そんな面倒臭いのをする訳ないだろ。アーリバンと同じだょーぐへへへ!」

 ニーナはキョトンとしていて可愛らしかった。
 しかし、誰も分かっていない。
 不安定な屋根にいて、しがみついている形なので、早くしないとだ。

 今はお昼少し過ぎだ。腹減った。

「じゃあニーナとアウィンは皆を守ってな。って事で行くよ!収納っと!ほうら踊れぇ愚民どもぉー!くけけけ!」

「ちょっとあんたそれじゃあまんま悪人じゃないの!って、えっ!?」

 そうして2つ目となる城を収納にいれたのであった。
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