上 下
174 / 241
第3章

第174話 ニーナと朝チュン

しおりを挟む
 朝どうしてこうなった?と唸りざるを得なく、その状況に顔が青くなる。
 俺は赤毛の超絶美人を胸元に抱き寄せている形で目覚めた。
 勿論お互い裸だから要は朝チュンをやってしまったのだ。
 つまりそういう事だろう。

 しかし、やはりニーナのお胸はスンバラシイ形と言っておく。流石に肩を抱き寄せているから、ガン見している。
 揉み心地?おぼえていないんだ。
 生で触った記憶はない。精々飛翔の時に押し当てられるその感触位で、今までも部屋の中で着替えている時とかに見えたりしており、しっかりと脳内に残っているがチラ見だけだった。

 俺は頭を撫でる。
 確かに愛おしいと思うけど、昨夜の記憶がない。
 しかも頭がガンガンしている。
 これはあれだ、昨夜酒をしこたま飲んだようだ。
 この状況は酔ってしまい、部屋に運んでくれたニーナを押し倒したんだな。

 俺は最低だ。
 彼女の気持ちは痛い程知っている。
 何かにつれ、今晩こそ抱けよと言っていた。
 ただ、経験がないし知識がないからリードしてくれと言うので、日課の如くデコピンの刑に処してきた。

 だから求めたら泣いて喜んだのだと思う。
 そんな相手を欲望のはけ口にしてしまったようだ。
 彼女は己を殺す事が出来る実力の有る相手、しかし10歳差以内の相手に限るが、そういった強者にしか靡かないと言っていた。
 俺と命のやり取りをするも、余程運が良くなければ勝てないと理解したので、俺の伴侶として欲しいと言ってきた。

 しかし残念なのは、彼女の体を貪った記憶がない。初めての相手に優しくできたのか?も分からない。手荒に扱っていなければよいが。

 俺なアホだ。今日の事を考えると、絶対にしてはならない事だった。
 何度も抱いた相手と愛し合うのとは違う。

 そうこうしているとニーナが起きた。

「おはよう旦那様!そうまじまじと胸を見られると流石にちょっと恥ずかしいぞ」

「おはようニーナ、愛しているよ!」

 目を瞑りキスをおねだりするのでそっと唇を重ねる。
 しかしニーナが泣いた。
 俺は初めて見た泣き顔に動揺した。

「ど、どうした?」

「あたいの事を愛していると言ってくれたから。アタイの事をそんなふうに思ってくれていたなんて嬉しいんだ。でも、言葉じゃなくて、次はちゃんと抱いて欲しいんだ。出来ればアイリーンの次に」

 俺はあれ?っと思う。今の行動は愛し合った前提だったが、違うのか?

「俺達は昨夜愛し合わなかったのか?」 

「やはり記憶がないんだね。レオンは極端に酒に弱いんだけどわかっていないのかい?2杯位で完全に潰れて、国王達の目の前でいびきをかいて寝たんだぜ。それをアタイが客間に運び、ベッドに寝かせたんだ。で、アタイの部屋が何処か聞きそびれて、面倒くさいからそのまま寝る事にしただけだよ」

「じゃあなんで裸なんだよ?」

「アタイは平時に自室で寝る時は裸だぜ!だからレオンも裸にしたけど、寝る時は寝間着を着ていないと駄目だったか?」

 俺は残念と思う反面、良かった!とも思う。 

「そうか・・・理解した!」

 そうこうしていると、ドアがノックされ、ドアの外からメイドがそろそろ朝食の準備が出来るから食堂にと言われ、着替えてから行くと答えた。

「そっか。取り敢えず腹減ったから服を着て飯にしようか!」

 俺はニーナが服を着るさまをまじまじと見ていた。
 やはり細い。全裸を見たのは初めてだが、どこかのお姫さま?モデルさん?と思われる細さだ。確かに腹筋も割れており、ボクサー?といった感じのボディーだ。しかしこの細い体なのに、タフなんだよな。

 そうして着替えとその後の食事も終わり、今日これからする事の話しをする事にした。

 事後処理を国王に丸投げし、俺はパーティー員と向き合った。

「みっちゃん、俺がクマーシャルに飛ばした時の事を覚えているか?地上に降りるまでの事を教えて欲しい」

 みっちゃんはカプセルホテルの部屋程の大きさの空間に数時間いたと言う。

 1番困ったのはトイレを我慢しなければならない事だった。誰かが5時間ほどだったと言っていたらしいが、はっきりと時計を見るなりして時間を計った訳ではないと言っていた。

 また、一応外が見えたが、一緒に飛んでいる者は卵?のような形のふわっとした繭のようなモノが飛んでいるのは分かったが、中までは見えなかった。
 ただ、地上に到着すると一緒に飛ばされていた者達は普通に立っていたと。

 俺はみっちゃんの話を元にアイリーンに色々な物をポチってもらうお願いをした。
 携帯トイレ、袋そして枕、毛布を入れた鞄を人数分用意する事にしたのだ。

 そうして準備が出来ると、一緒に向かうメンバーは手を繋ぎ輪っかになった。

 俺は行くよ!と発すると開放されたタウンドリフトを発動したのであった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

異世界で穴掘ってます!

KeyBow
ファンタジー
修学旅行中のバスにいた筈が、異世界召喚にバスの全員が突如されてしまう。主人公の聡太が得たスキルは穴掘り。外れスキルとされ、屑の外れ者として抹殺されそうになるもしぶとく生き残り、救ってくれた少女と成り上がって行く。不遇といわれるギフトを駆使して日の目を見ようとする物語

スキルスティール〜悪い奴から根こそぎ奪って何が悪い!能無しと追放されるも実はチート持ちだった!

KeyBow
ファンタジー
 日常のありふれた生活が一変!古本屋で何気に手に取り開けた本のタイトルは【猿でも分かるスキルスティール取得法】  変な本だと感じつい見てしまう。そこにはこう有った。  【アホが見ーる馬のけーつ♪  スキルスティールをやるから魔王を倒してこい!まお頑張れや 】  はっ!?と思うとお城の中に。城の誰かに召喚されたが、無能者として暗殺者をけしかけられたりする。  出会った猫耳ツインズがぺったんこだけど可愛すぎるんですが!エルフの美女が恋人に?何故かヒューマンの恋人ができません!  行き当たりばったりで異世界ライフを満喫していく。自重って何?という物語。  悪人からは遠慮なくスキルをいただきまーーーす!ざまぁっす!  一癖も二癖もある仲間と歩む珍道中!

外れスキルは、レベル1!~異世界転生したのに、外れスキルでした!

武蔵野純平
ファンタジー
異世界転生したユウトは、十三歳になり成人の儀式を受け神様からスキルを授かった。 しかし、授かったスキルは『レベル1』という聞いたこともないスキルだった。 『ハズレスキルだ!』 同世代の仲間からバカにされるが、ユウトが冒険者として活動を始めると『レベル1』はとんでもないチートスキルだった。ユウトは仲間と一緒にダンジョンを探索し成り上がっていく。 そんなユウトたちに一人の少女た頼み事をする。『お父さんを助けて!』

モブ高校生と愉快なカード達〜主人公は無自覚脱モブ&チート持ちだった!カードから美少女を召喚します!強いカード程1癖2癖もあり一筋縄ではない〜

KeyBow
ファンタジー
 1999年世界各地に隕石が落ち、その数年後に隕石が落ちた場所がラビリンス(迷宮)となり魔物が町に湧き出した。  各国の軍隊、日本も自衛隊によりラビリンスより外に出た魔物を駆逐した。  ラビリンスの中で魔物を倒すと稀にその個体の姿が写ったカードが落ちた。  その後、そのカードに血を掛けるとその魔物が召喚され使役できる事が判明した。  彼らは通称カーヴァント。  カーヴァントを使役する者は探索者と呼ばれた。  カーヴァントには1から10までのランクがあり、1は最弱、6で強者、7や8は最大戦力で鬼神とも呼ばれる強さだ。  しかし9と10は報告された事がない伝説級だ。  また、カードのランクはそのカードにいるカーヴァントを召喚するのに必要なコストに比例する。  探索者は各自そのラビリンスが持っているカーヴァントの召喚コスト内分しか召喚出来ない。  つまり沢山のカーヴァントを召喚したくてもコスト制限があり、強力なカーヴァントはコストが高い為に少数精鋭となる。  数を選ぶか質を選ぶかになるのだ。  月日が流れ、最初にラビリンスに入った者達の子供達が高校生〜大学生に。  彼らは二世と呼ばれ、例外なく特別な力を持っていた。  そんな中、ラビリンスに入った自衛隊員の息子である斗枡も高校生になり探索者となる。  勿論二世だ。  斗枡が持っている最大の能力はカード合成。  それは例えばゴブリンを10体合成すると10体分の力になるもカードのランクとコストは共に変わらない。  彼はその程度の認識だった。  実際は合成結果は最大でランク10の強さになるのだ。  単純な話ではないが、経験を積むとそのカーヴァントはより強力になるが、特筆すべきは合成元の生き残るカーヴァントのコストがそのままになる事だ。  つまりランク1(コスト1)の最弱扱いにも関わらず、実は伝説級であるランク10の強力な実力を持つカーヴァントを作れるチートだった。  また、探索者ギルドよりアドバイザーとして姉のような女性があてがわれる。  斗枡は平凡な容姿の為に己をモブだと思うも、周りはそうは見ず、クラスの底辺だと思っていたらトップとして周りを巻き込む事になる?  女子が自然と彼の取り巻きに!  彼はモブとしてモブではない高校生として生活を始める所から物語はスタートする。

劣等生のハイランカー

双葉 鳴|◉〻◉)
ファンタジー
ダンジョンが当たり前に存在する世界で、貧乏学生である【海斗】は一攫千金を夢見て探索者の仮免許がもらえる周王学園への入学を目指す! 無事内定をもらえたのも束の間。案内されたクラスはどいつもこいつも金欲しさで集まった探索者不適合者たち。通称【Fクラス】。 カーストの最下位を指し示すと同時、そこは生徒からサンドバッグ扱いをされる掃き溜めのようなクラスだった。 唯一生き残れる道は【才能】の覚醒のみ。 学園側に【将来性】を示せねば、一方的に搾取される未来が待ち受けていた。 クラスメイトは全員ライバル! 卒業するまで、一瞬たりとも油断できない生活の幕開けである! そんな中【海斗】の覚醒した【才能】はダンジョンの中でしか発現せず、ダンジョンの外に出れば一般人になり変わる超絶ピーキーな代物だった。 それでも【海斗】は大金を得るためダンジョンに潜り続ける。 難病で眠り続ける、余命いくばくかの妹の命を救うために。 かくして、人知れず大量のTP(トレジャーポイント)を荒稼ぎする【海斗】の前に不審に思った人物が現れる。 「おかしいですね、一学期でこの成績。学年主席の私よりも高ポイント。この人は一体誰でしょうか?」 学年主席であり【氷姫】の二つ名を冠する御堂凛華から注目を浴びる。 「おいおいおい、このポイントを叩き出した【MNO】って一体誰だ? プロでもここまで出せるやつはいねーぞ?」 時を同じくゲームセンターでハイスコアを叩き出した生徒が現れた。 制服から察するに、近隣の周王学園生であることは割ている。 そんな噂は瞬く間に【学園にヤバい奴がいる】と掲示板に載せられ存在しない生徒【ゴースト】の噂が囁かれた。 (各20話編成) 1章:ダンジョン学園【完結】 2章:ダンジョンチルドレン【完結】 3章:大罪の権能【完結】 4章:暴食の力【完結】 5章:暗躍する嫉妬【完結】 6章:奇妙な共闘【完結】 7章:最弱種族の下剋上【完結】

1×∞(ワンバイエイト) 経験値1でレベルアップする俺は、最速で異世界最強になりました!

マツヤマユタカ
ファンタジー
23年5月22日にアルファポリス様より、拙著が出版されました!そのため改題しました。 今後ともよろしくお願いいたします! トラックに轢かれ、気づくと異世界の自然豊かな場所に一人いた少年、カズマ・ナカミチ。彼は事情がわからないまま、仕方なくそこでサバイバル生活を開始する。だが、未経験だった釣りや狩りは妙に上手くいった。その秘密は、レベル上げに必要な経験値にあった。実はカズマは、あらゆるスキルが経験値1でレベルアップするのだ。おかげで、何をやっても簡単にこなせて――。異世界爆速成長系ファンタジー、堂々開幕! タイトルの『1×∞』は『ワンバイエイト』と読みます。 男性向けHOTランキング1位!ファンタジー1位を獲得しました!【22/7/22】 そして『第15回ファンタジー小説大賞』において、奨励賞を受賞いたしました!【22/10/31】 アルファポリス様より出版されました!現在第四巻まで発売中です! コミカライズされました!公式漫画タブから見られます!【24/8/28】 よろしくお願いいたします。 マツヤマユタカ名義でTwitterやってます。 見てください。

性奴隷を飼ったのに

お小遣い月3万
ファンタジー
10年前に俺は日本から異世界に転移して来た。 異世界に転移して来たばかりの頃、辿り着いた冒険者ギルドで勇者認定されて、魔王を討伐したら家族の元に帰れるのかな、っと思って必死になって魔王を討伐したけど、日本には帰れなかった。 異世界に来てから10年の月日が流れてしまった。俺は魔王討伐の報酬として特別公爵になっていた。ちなみに領地も貰っている。 自分の領地では奴隷は禁止していた。 奴隷を売買している商人がいるというタレコミがあって、俺は出向いた。 そして1人の奴隷少女と出会った。 彼女は、お風呂にも入れられていなくて、道路に落ちている軍手のように汚かった。 彼女は幼いエルフだった。 それに魔力が使えないように処理されていた。 そんな彼女を故郷に帰すためにエルフの村へ連れて行った。 でもエルフの村は魔力が使えない少女を引き取ってくれなかった。それどころか魔力が無いエルフは処分する掟になっているらしい。 俺の所有物であるなら彼女は処分しない、と村長が言うから俺はエルフの女の子を飼うことになった。 孤児になった魔力も無いエルフの女の子。年齢は14歳。 エルフの女の子を見捨てるなんて出来なかった。だから、この世界で彼女が生きていけるように育成することに決めた。 ※エルフの少女以外にもヒロインは登場する予定でございます。 ※帰る場所を無くした女の子が、美しくて強い女性に成長する物語です。

異世界の約束:追放者の再興〜外れギフト【光】を授り侯爵家を追い出されたけど本当はチート持ちなので幸せに生きて見返してやります!〜

KeyBow
ファンタジー
 主人公の井野口 孝志は交通事故により死亡し、異世界へ転生した。  そこは剣と魔法の王道的なファンタジー世界。  転生した先は侯爵家の子息。  妾の子として家督相続とは無縁のはずだったが、兄の全てが事故により死亡し嫡男に。  女神により魔王討伐を受ける者は記憶を持ったまま転生させる事が出来ると言われ、主人公はゲームで遊んだ世界に転生した。  ゲームと言ってもその世界を模したゲームで、手を打たなければこうなる【if】の世界だった。  理不尽な死を迎えるモブ以下のヒロインを救いたく、転生した先で14歳の時にギフトを得られる信託の儀の後に追放されるが、その時に備えストーリーを変えてしまう。  メイヤと言うゲームでは犯され、絶望から自殺した少女をそのルートから外す事を幼少期より決めていた。  しかしそう簡単な話ではない。  女神の意図とは違う生き様と、ゲームで救えなかった少女を救う。  2人で逃げて何処かで畑でも耕しながら生きようとしていたが、計画が狂い何故か闘技場でハッスルする未来が待ち受けているとは物語がスタートした時はまだ知らない・・・  多くの者と出会い、誤解されたり頼られたり、理不尽な目に遭ったりと、平穏な生活を求める主人公の思いとは裏腹に波乱万丈な未来が待ち受けている。  しかし、主人公補正からかメインストリートから逃げられない予感。  信託の儀の後に侯爵家から追放されるところから物語はスタートする。  いつしか追放した侯爵家にザマアをし、経済的にも見返し謝罪させる事を当面の目標とする事へと、物語の早々に変化していく。  孤児達と出会い自活と脱却を手伝ったりお人好しだ。  また、貴族ではあるが、多くの貴族が好んでするが自分は奴隷を性的に抱かないとのポリシーが行動に規制を掛ける。  果たして幸せを掴む事が出来るのか?魔王討伐から逃げられるのか?・・・

処理中です...