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第2章

第159話 シャルルとアウィンと朝チュン?

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 一騒動あったが、時間的にそろそろ町に帰らなければならないので急いで村に戻り、村長に何が出たのかと、牧草地の様子を写真に撮ったのをタブレットで見せると愕然としていた。

 だが、牧草地の事をどうこう言われたくないので、話をシャルルに任せ、依頼達成の書類にサインを貰う。

「じゃあそういう事で!」

 シャルルが何か言いたげだった。  
 俺が1言告げて馬車の中に駆け込んだものだから、シャルルも村長もあっ!!?と唸るしかなかった。
 それもあり、結局呆れたシャルルは慌ててお辞儀をし、その場を引き上げる事になった。

「レオン様?村と交渉しなくても良いのですか?私達が相手にしたのはグリーンとは言えドラゴンですのよ」

「だって牧草地の損害を言われるのヤダモン」

 最後は棒読みだ。

「レオン様?子供じゃあるまいし、ヤダモンはないですわよ。私そのようなレオン様は嫌ですわ。しっかりなさってください。別段あの荒地について我々は責を負う事はありません。あくまで戦闘により発生した事象ですから。それよりも、村から相応の報酬を得られますが、放棄なさるのですか?」

「怒られないの?」

「誰に誰が怒られるのですか?確かに穴を掘りましたが、あれによりドラゴンの鱗が何枚か回収出来たのも事実ですわ。感謝こそされ、誹りを受けるいわれはありません。それにお祖父様もとい、陛下にお願いして兵士や魔術師団を派遣し、土地を均し牧草地として復活させて貰えれば宜しいのですわ」

 俺はスキルの影響から弱気だった。交渉を全て委ねたが、可哀想なこの村に更なる負担を求めたくはなかった。その為に基本方針を以下のように定めた。
 荒地について一切の責を負わない。
 村に違約金等を求めない。
 鱗は何枚か置いていくのでそれを売り復興の足しにする。
 その鱗は少なく共1枚は売らずに村のシンボル的なアイテムとして保管する事。
 このような事を決めた。

 これを聞いた村長はその場に座り込み安堵していた。

 その場を離れ馬車に向かうが、最優先事項を思い出して日本人のみを集めた。

 他の者には出発の準備を頼んだ。

 流石に今回ドラゴンを討伐した為に例外なく皆のレベルが10以上上がり、俺を含めスキル制御をその場で取得する。

 アイリーンの鑑定にて皆がスキル制御を取得した事を確認し、馬車に乗り込み帰路についた。

 俺は先程のシャルルの言葉に愕然としていた。

【レオン様?子供じゃあるまいし、ヤダモンはないですわよ。私そのようなレオン様は嫌ですわ。しっかりなさってください】

 このように怒られたのだが、鬱状態に精神が落ち込んでおり、嫌われた!愛想を尽かされた!と唸っていた。あれ程俺にラブコールをくれていたにも関わらずだ。

 婚前交渉を迫れば体を委ねる勢いだ。
 それは何故か?
 命と純潔を救った1人の男として惚れられたのか?
 勇者だからか?
 勇者?俺の?子を身ごもりたいのか?
 それはなぜか?
 体の関係になれば婚姻したとみなされる世界だから、事実上の俺の妻になりたいのはいくら鈍感な俺にでも分かる。国の為か?

 ついつい仕事の時によくやっていた原因追求の深掘りをしていた。
 だが、目の前のシャルルは俺の事をうっとりと見ている。

 また、アウィンもだ。
 なぜかよく分からない。
 普段のアウィンは俺と一定の距離を置いていたはずなのだが、最近はいつの間にか俺に忠誠を尽くしてくれている?感じだ。

 そっと水を差し出してくれたり、食べかすが口についているとハンカチで拭いてくる。

 女騎士なのもありがさつな所も目立つが、そうやって世話をされるのは恥ずかしくもある。
 たが、そんなアウィンからぎこちなく世話をされるのは正直心地良かった。

 水も少しこぼして服を濡らしたり、口を拭くのも頭がのぞける位に痛いのだ、それはそれで一生懸命で良かった。
 誰の入れ知恵だろうか?
 彼女は良い奥さんになれるだろう。
 彼女を奥さんとして迎える男が羨ましい。

 レオンは女心を分かっておらず、アウィンがなぜそうするのか理解できていなかった。

 ただ、俺はスキルと魔法を使い過ぎたからか、帰りの馬車は隣に座るアウィンに肩を貸して貰ったというか、首を預ける形で寝ていった。

 そして朝目覚めると、裸のシャルルとアウィンに挟まれての朝チュンの状況に、何があったのか分からず、必死になり記憶を取り戻そうとオロオロしていたのであった。
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