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第2章

第123話 奴隷の首輪

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 俺はあまりこの場に長居したくはないと思い、話の途中で一度方向転換する事にした。

「シャルル、再会した者達と色々な事を話したりしたいとは思うが、あまり時間を掛けるのも良くない。それに俺やニーナの紹介は後でもよいだろう。今は味方だと分かればよいだろう?それとこの5人と女性2人は味方だとの認識で良いんだな?」

「はい。そうです」

「じゃあ、2号馬車にはアウィン、シャルルはあの女性2人とみっちゃん2号で。1号馬車は俺、アイリーン、みっちゃん1号、ニーナ、エンピアルだ」

「何よその1号とか2号って!仮面ライダーじゃあるまいし」

「おい待て、何故仮面ライダーを知っている?40年以上前のだぞ!」

「レ、レオン突っ込みたいのは私と同じだけど、今はそうじゃないと思うの。それにみっちゃんも、1号さんとかが嫌だったら後でどう呼ぶか決めた方が良いと思うよ!」

 いつの間にかテントにアイリーンとみっちゃんがいたが、話が逸れてしまった。
 俺はある意味驚いた。それはアイリーンが正論を言ったからだ。

「コホン。えっと、あんたの今の主人はここにいるのか?」

「はい。おります」

「よし。そいつを教えてくれ」

 テントを出るとみっちゃん2号が隷属の首輪を4個持ってきた。

「テントを物色したらこれが在ったわよ。奴隷商でもいるのかしら?」

「そういえばフリオールから隷属の首輪の使い方や、特殊性について教えられていたよ。というか、みっちゃん、これって君達がはめられた物と同じだよな?」

「別の個体だけど?」

「今は真面目に話しているんだ。揚げ足をとるな。同じ作りのだろ?」

 みっちゃんはしゅんとなった。

「ご、ごめんなさい。同じ物だと思うわ。でもどうするのよ?」

「ああ、これは装着してから呪文を唱えると効果があるんだ。普通は知らないかもだけど、俺は呪文を知っている。奴隷化するだけならこれで行けるんだよ。解除したり主人を変更したりは奴隷商でなければ無理だけど、奴隷化するだけならみっちゃんでもできるんだよ。アイリーン鑑定よろ。因みに彼らの主人となっている奴を殺すと殺した奴が主人になるんだ。殺さなくても例えば俺が首輪をはめて奴隷にしてやれば、彼らの主人は俺に移るんだ」

「じゃあレオンの奴隷にするの?」

「一旦な。それと敵のリーダー等は分かるか?」

「はい。奴隷の主人となっている者が雇い主の代理人で、部隊を率いている隊長がその指示に従っています」

「こんな時で悪いが敵の幹部を教えてくれ。首輪の数に限りがあるが少なくともその代理人とやらと隊長を俺の奴隷にする。貴方達はいずれちゃんと開放しますから、心配しなくても良いです」

 護衛の男を1人呼び、面通しをしてくれる者へ肩を貸すように言ったが、片脚を喪った者だった。

 大体察しはついている。
 女を凌辱していた奴がそうだろうと。

 案の定裸だった奴がそうだ。俺は護衛の者に頼んで服を着させていた。
 テントから外に出す時に見苦しい物を見たくないし、俺の周りの女性陣に見せたくもない。
 何よりテントで何があったかのか一目瞭然になるからだ。

「こいつが依頼主の代理人だと言っていました」

 俺はさくっと首輪を填め、フリオールを奴隷にした時と同じで、【コントラクト】と唱える。

 するとこいつとは別に7人が新たに奴隷となった事が分かった。いや8人だ。あれっ?と思うが、他にも奴隷がいるようだ。
 つまり、新たな奴隷として9人がカウントされたのだ。

 因みに奴隷商は手を触れて【コントラクト】と唱えると、首輪がなくとも隷属紋にて奴隷にできる。

 次に見たのは装備の上等具合から隊長だと思われる者だったが、40代前半のいかにもといった傭兵団を率いていそうな奴だった。

 首輪の数に限りがあるが、取り敢えずこいつには着ける。
 程なくして副隊長も判明したので、そいつも奴隷化する。

 取り敢えずその他の者は、無造作に馬車に突っ込み、主に護衛班が分散して御者をして貰う。四肢の無事な冒険者にもお願いをした。

 そして先ずは代理人の頬を叩き、尋問の為に起こすのであった。
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