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第2章

第82話 ニーナがいた

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 食堂に行くと、ニーナが子供達の相手をしているというか、子供と一緒に遊んでいる姿が目に入ってきた。

 どうも俺が在宅の時に、俺、つまり主人を差し置いて食事をするという事は出来ないようだ。

 俺の認識は甘かった。奴隷扱いをしないとは言っても、現実問題として俺が奴隷の主になっている。つまり、皆からすると主である俺が具体的に命じれば従うのだが、曖昧なお願いしかしなかったのだ。

 明確に俺の事を待たずに食べ始めろと命じておけばよかったと後悔した。待たずに食べてもらってもいいよと言ったので、誰も食べなかった。命令として待たずに食べなさいとすべきだったと、その時後悔したものである。

 それはさておき、ニーナの意外な一面を見る事が出来て、それはそれで中々に面白いものが見れたなと思った。

 また、俺が食堂に来た事が見えると、皆ほっとしたような顔をしたような気がする。食事を目の前にし誰も手を付けていないのだ。しかも子供達もだ。

 俺は急ぎいただきますをする事にした。


「すまない。遅くなってしまった。皆お腹が減ったろうし、食べようか。では、いただきます!」

 俺が手を合わせていただきますをしたものだから、皆ぽかんとしていた。 

 俺ははっとなった。

「すまない。これは俺のいた国での食事を食べる時の作法なんだ。こうやって手を合わせて、いただきます!と発するんだ。皆もやってみようか。それと、食べ終わったらこうやって手を合わせ、ごちそうさまでした!と言うんだ。こほん。それではいただきます!」

 皆ぎこちなく見様見真似でいただきますをした。それでも皆俺の事を見ている。そうか!と思いパンを手に取り口に入れた。そうすると堰を切ったかのように皆一斉に食べ始めた。

 そう、いただきますをするだけでは駄目だった。主人たる俺が1口目を食べると漸く、自分達も食べていいという判断をしたようだ。

「俺がいると皆気を使うだろうから、俺は早目に部屋に行くよ」

 俺は急いで食べ、ごちそうさまでしたをした。

「皆は俺の事を気にせずにゆっくり食べて、この後は部屋等で旅の疲れを癒やしてくれ!」

 俺はそう告げると、とっとと部屋に行った。主人の部屋がどんなのかが楽しみだったのだ。

 部屋というか、執務室を少し見渡すと扉があり、続き部屋である寝室を確認する。そこにはどーんと置かれたでかいベッドが目にとまる。うん?キングサイズか!でかい!

 少し横になってみた。そうすると疲れたなと思う。

 するとメイドが風呂の準備が出来たと知らせに来たので風呂場に行く。すると既にバスタオルを巻いただけのニーナとアイリーンがいた。 

 思い出した。屋敷の購入者が最初だけは必ず1番風呂に入る風習があったなと。俺達3人が風呂に入らないと皆入れないのだ。破るのはかなり縁起が悪いらしい。俺は後ろを向いて裸になり、タオルを腰に巻いた。気の所為かお尻に熱い視線を感じる。

 脱衣場は6畳程の広さだ。
 風呂場は20畳程の広さで、湯船は2つ。小さい方は1畳位だろうか。
 大きい方は6畳程の大きさでハート型だ。

 取り敢えず掛け湯をし、体を洗う。そして体を洗った後は勿論3人で一緒に湯船に入る。

 15分程で上がり、脱衣場に行くとメイド服に身を包んだエンピアル達がいた。

 俺達の着替えの手伝いだそうだが、俺は必死に股間を隠した。貴族はメイド達が体を拭き、服を着させると言っていたが、今日だけと伝え恥ずかしさから明日からは止めるようお願いをした。

 そんな事があったが、大人しく部屋に戻る事に。特にニーナやアイリーンのポロリイベントもなく、少ししたら打ち合わせをするとして、俺の部屋に来るようにお願いをしたのであった。
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