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第4章
主神エンピアル
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晃と大輔が中に入ると扉が勝手にしまり、二人が扉を見た僅かな間に応接セットが現れ、誰かが座っていた。
勿論上座に座っている。
いきなり立ち上がり晃にハグをし、次に大輔にハグをする。
マントを羽織り、フードを被っていたが、フードがふわっと外れた。
そこには絶世の美女がいた。
二人共ポカーンとしていた。
二人は震えた。あり得ないと。存在しない筈の美女だった。
「よく来ましたね。晃は。私の加護を使ってくれてるけど、大輔はもう一つの加護に気がついていないわね」
「あっ!ひょっとしたら僕の転移とかは女神様の加護なのですか?」
「半分正解、半分間違いよ。私が誰か聞かないのね」
「あっ・・・あの、神様ですよね?女神様ではないのですか?お名前を伺っても良いでしょうか?」
「晃、良く出来ました。大輔は気にならないの?」
「いや、美人の神様でじゅうぶんだろう」
「つれないのね。改めて初めましてかしら。私は主神のエンピアルよ。二人は我が子らを大事にしてくれてるのね。感謝するわ」
「えっ!女神様の母上なのですか?」
「ふふふ。私は女に見えるのかしら?あの子らは私の実の子ではないのよ。下界の民には理解できないでしょうけど、育ての親の一人ではあるの。アルテミスを救ってくれてありがとう。あの子には可愛そうな事をしたわ。だから因果律の捻じ曲げを許したの。来なさい。さあ、これであの子がエレクトラだった時にあのファーストにされた事もキャンセルされたわ。これでアルテミスは清い乙女よ。悪いけど、アルテミスとエレクトラは別人に分けたから。天界の因果律も干渉しました」
エンピアルは二人の前で柏手をする。あれ?となり
「あらあら、私がいくら美しいからと言って見惚れていてはあなた方を愛する女性が嫉妬するわよ。さて、今まで誰もなし得なかった最下層攻略おめでとう。褒美を上げるわ。質問も受けましょう」
「えっと、ダンジョンってそもそも何なのでしょうか?地下を制覇すると次は何が待っているのでしょうか?、僕は元の世界に帰れるのでしょうか?」
「あらあら欲張りね。そうね、ダンジョンは神が与えた修行の場かしら。来たるべく終焉を阻止すべくあなた方を鍛える仕組みかしら。終焉は近いの。終焉から下界を救うべく神々が下界へ干渉出来る数少ない仕組みかしら。女神を中途半端に顕現させているのもそう。儀式みたいなものよ。4つ目のダンジョンは中々発見されなかったけれども、上手い具合にダンジョン生成の仕組みを使ったわね。これであのエリアに男の神が顕現するわ。気がついているのでしょう?男の神との契約枠が開放されたのを。このダンジョンは難易度が低く設定されたままだから、最下層に行ける者が増えるわ。すると女神と神との契約が出来るの。この後は残り3つの最下層を開放するのです。そうやって力を着けてから塔に挑むのです。今入れば3階に行けるかどうかで半分は死ぬわ。それと残念ながら帰れないわ。ごめんなさいね」
晃は半分ほっとし、半分泣きそうになっていた
「そっか、帰れないか。まあ良いけどさ。せめて向こうの世界にいる者に現状を知らせ、別れを告げられないか?俺はまあいいんだけど、晃がな。俺はまあ、帰りたくないから再召喚とか強制送還とかないようにしてくれたらそれで良いや。俺はあんたに感謝してるんだ。ケイトに会えたから」
「ふふふ。欲がないのね。一度だけ、そう、一度だけ夢で会えるようにするわ。晃はどうしたいの?」
「よく分からないのです。でも、帰れないならそれはそれで良いのかな?って思うんです。そっかー父ちゃんと母ちゃんに会えないのか。うん。決めた。アルテミスさんがあのファーストにされた事を無かった事にしてください。出来るのでしょう?それが希望です。今のままじゃ気まずくて愛する自信がないんです。それに清らかな女神が侵されていたなんて不憫過ぎます」
「これは驚いたな。晃から記憶を奪った筈なのだけども。大丈夫よ。女神や神達に新たにアルテミスという清らかな乙女の記憶と因果律を触ったから。貴方には感謝するわ。私が指を鳴らしたら晃の記憶と記憶の因果率も今度は間違いなく変わるの。知っているのは私だけ。これは褒美ではないの。そうね、貴方方には時が来れば褒美が分かる筈よ。さあ、勇者特典は終わり。通常の褒美を持って新たな神との契約に挑みなさい。大丈夫よ。貴方方の大切な女性を奪う下衆には契約させないから。では御機嫌よう。」
晃にキスをし指をパチンと鳴らすとエンピアルは消えた。晃達は目の前に突如現れた褒美の宝箱を開け、中に入っていた晃と大輔用の宝箱を収納に入れ、皆の所に戻るのであった。
勿論上座に座っている。
いきなり立ち上がり晃にハグをし、次に大輔にハグをする。
マントを羽織り、フードを被っていたが、フードがふわっと外れた。
そこには絶世の美女がいた。
二人共ポカーンとしていた。
二人は震えた。あり得ないと。存在しない筈の美女だった。
「よく来ましたね。晃は。私の加護を使ってくれてるけど、大輔はもう一つの加護に気がついていないわね」
「あっ!ひょっとしたら僕の転移とかは女神様の加護なのですか?」
「半分正解、半分間違いよ。私が誰か聞かないのね」
「あっ・・・あの、神様ですよね?女神様ではないのですか?お名前を伺っても良いでしょうか?」
「晃、良く出来ました。大輔は気にならないの?」
「いや、美人の神様でじゅうぶんだろう」
「つれないのね。改めて初めましてかしら。私は主神のエンピアルよ。二人は我が子らを大事にしてくれてるのね。感謝するわ」
「えっ!女神様の母上なのですか?」
「ふふふ。私は女に見えるのかしら?あの子らは私の実の子ではないのよ。下界の民には理解できないでしょうけど、育ての親の一人ではあるの。アルテミスを救ってくれてありがとう。あの子には可愛そうな事をしたわ。だから因果律の捻じ曲げを許したの。来なさい。さあ、これであの子がエレクトラだった時にあのファーストにされた事もキャンセルされたわ。これでアルテミスは清い乙女よ。悪いけど、アルテミスとエレクトラは別人に分けたから。天界の因果律も干渉しました」
エンピアルは二人の前で柏手をする。あれ?となり
「あらあら、私がいくら美しいからと言って見惚れていてはあなた方を愛する女性が嫉妬するわよ。さて、今まで誰もなし得なかった最下層攻略おめでとう。褒美を上げるわ。質問も受けましょう」
「えっと、ダンジョンってそもそも何なのでしょうか?地下を制覇すると次は何が待っているのでしょうか?、僕は元の世界に帰れるのでしょうか?」
「あらあら欲張りね。そうね、ダンジョンは神が与えた修行の場かしら。来たるべく終焉を阻止すべくあなた方を鍛える仕組みかしら。終焉は近いの。終焉から下界を救うべく神々が下界へ干渉出来る数少ない仕組みかしら。女神を中途半端に顕現させているのもそう。儀式みたいなものよ。4つ目のダンジョンは中々発見されなかったけれども、上手い具合にダンジョン生成の仕組みを使ったわね。これであのエリアに男の神が顕現するわ。気がついているのでしょう?男の神との契約枠が開放されたのを。このダンジョンは難易度が低く設定されたままだから、最下層に行ける者が増えるわ。すると女神と神との契約が出来るの。この後は残り3つの最下層を開放するのです。そうやって力を着けてから塔に挑むのです。今入れば3階に行けるかどうかで半分は死ぬわ。それと残念ながら帰れないわ。ごめんなさいね」
晃は半分ほっとし、半分泣きそうになっていた
「そっか、帰れないか。まあ良いけどさ。せめて向こうの世界にいる者に現状を知らせ、別れを告げられないか?俺はまあいいんだけど、晃がな。俺はまあ、帰りたくないから再召喚とか強制送還とかないようにしてくれたらそれで良いや。俺はあんたに感謝してるんだ。ケイトに会えたから」
「ふふふ。欲がないのね。一度だけ、そう、一度だけ夢で会えるようにするわ。晃はどうしたいの?」
「よく分からないのです。でも、帰れないならそれはそれで良いのかな?って思うんです。そっかー父ちゃんと母ちゃんに会えないのか。うん。決めた。アルテミスさんがあのファーストにされた事を無かった事にしてください。出来るのでしょう?それが希望です。今のままじゃ気まずくて愛する自信がないんです。それに清らかな女神が侵されていたなんて不憫過ぎます」
「これは驚いたな。晃から記憶を奪った筈なのだけども。大丈夫よ。女神や神達に新たにアルテミスという清らかな乙女の記憶と因果律を触ったから。貴方には感謝するわ。私が指を鳴らしたら晃の記憶と記憶の因果率も今度は間違いなく変わるの。知っているのは私だけ。これは褒美ではないの。そうね、貴方方には時が来れば褒美が分かる筈よ。さあ、勇者特典は終わり。通常の褒美を持って新たな神との契約に挑みなさい。大丈夫よ。貴方方の大切な女性を奪う下衆には契約させないから。では御機嫌よう。」
晃にキスをし指をパチンと鳴らすとエンピアルは消えた。晃達は目の前に突如現れた褒美の宝箱を開け、中に入っていた晃と大輔用の宝箱を収納に入れ、皆の所に戻るのであった。
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