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第4章

エニーは放つ

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 訓練場にエニーを連れてきたのだが早速詠唱を始めた

「清らかなる乙女が求む。我が父我が母の名誉と慈悲により和が求めに答え給え。我の愛する者を守り、愛する者を傷つける者を倒す力を欲する。森羅万象の理にと我の想い人を助け、敵を駆逐せん力を欲する。異界の門番、展開の門番、魔界の門番に問う。力を欲する晴我の純粋なる想いよ響け!そして心躍る結果を求む。正義の為に欲する我の想いに応え給え!生きとし生けるものその全てに対し感謝をし敵を殲滅せよ!レインボーシャワー」

 そうすると七色の魔法陣が複数出現した。足元には詠唱中に大きな魔法陣が展開していた。かなりの魔力が魔法陣に注がれているのが分かった。晃はふと思う。ターゲットがないと流石にやりづらいだろうとフレイムランスを出現させエニーの準備ができたのが分かった。エニーが晃に頷いたからだ。晃はこれに向かって魔法を放つんだ!そう言ってフレイムランスを空高くに向け投げた。そして先のレインボーシャワーである。虹色の光り輝く魔力の奔流がフレイムランスに向かって飛んで行く。

 まもなくフレイムランスをとらえ次々に当たって行く。そして上空で大爆発が起こった。そう上空1 キロ 位まで行ったのだ。爆発し虹色の光があちこちに飛んで行く。飛んでいったのには特に外害はないのだが、さながら花火のごとく飛び散る。魔法を放ったエニーはケロっとしていた。

 本来これ程の威力の魔法だと1日に2発打つのが限界だと言うが、まだ少し晃の魔力が残っていると言う。しかし、かなり楽になったとと。ただ エニーは一言言う。魔法の威力が凄まじいことになっていると、おそらく今までの倍位の威力があると言っていた。

 皆ポカンとしていた。そう放った魔法の威力がかなりの者と本人でなくても見ていて分かったからである。

 晃はエニーが魔法を放つ様を見て見惚れていた。凛としてかっこいいのだ。魔法を放った後エニーはスカートをパンパンと払い、後ろ手に手を回しくるっと回り

「晃様どうでしたか?今の魔法を放ってだいぶ楽になりました。ありがとうございます」

 そうして首をかしげにっこり笑うのである。反則である。それ以外言う言葉がない。エニーは可愛すぎたのだ。後ろ手に手を回しくるっと回ったものだからスカートがふわっとなり下着が見えそうで見えない。下着がである。

 スタンピードの時に気にはしなかったのだが、フレイムランスは周りに物凄い熱を発っしている。魔法を唱えた当人は何ともないのだが、隣に立っていれば思わず後ろずさる、そんな熱量を発するのだ。

 ユニーク魔法であった。ただこの魔法が使えるのはほぼ単独で行動をしている時ぐらいである。仲間がいると仲間が焼けてしまうのだ。威力は申し分なかった。先のスタンピードの時は大活躍だったのだ。周りに害を与えない魔法としては鎌鼬があるが、晃が使える魔法は多くはない。

 脳筋判定者が多い中で魔法を使える貴重な存在なのだが、如何せんその魔法に難があるのだ。極大魔法ははっきりと言うとチートである。今のところどんなに強大な敵でもこれを放てば倒せれるのだ。チャージに時間がかかるというのと対象が一体という難点はある。


 晃は魔法剣士での扱いである。またレヴィは完全に後方支援で、ヒーラー兼アーチャーなのだ。そしてエニーは純然たる魔法使い、ソレイユはごくごく初歩的な魔法しか使えない剣士。そして意外や意外桜も近接戦闘要員、しかも剣を使わずに拳につけた武器で戦う。身体能力が高かったのだ。

 スタンピードの時に魔法を取得できるスクロールが出ていた。これをどうするか悩んでいたのだ。己が取得するべきか、魔法を苦手とする者に使わせるべきか。アルテミスに相談すると一笑された。魔法が苦手な者は魔力も少ない。そういった者に貴重な物を与える必要はないと。宝の持ち腐れだ。ソレイユ等は剣などの近接戦闘を磨いて魔法を使う者を守る、その腕を上げる方が現実的だと言う。確かに一理ある話なので晃が頷いていた。

 今日は晃達は街の外への見回りの担当になっていた。実は晃は初めて街の外に出る。
 街は高さ4メートルほどの擁壁に囲まれている。外に魔物が多い為である。魔物と対峙して倒す事が出来るのは基本的に女神と契約している者しかいない。女神と契約している者が必ずしも冒険者になるとは限らないのだ。例えばこの国の兵士。
 基本的に女神と契約している。剣の扱いが上手くなる類の、要は剣術を使える加護を得ている。普段から魔物と戦っていない為に大してレベルが上がってい者が多い。
 レベル1や2の物が中心なのだ。だが盗賊や一般人と比べると遥かに強い。噂によると剣術の加護はレベルが1違う位の腕の違いがあると言うのであった。
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