上 下
95 / 195
第4章

進むか?

しおりを挟む
 ドロップをしまい、今からどうすべきかセーフエリアに入り確認した。34階層にセーフエリアがあるが、それ以外は分からないと。無理して進むかもう休憩にするか。

 セーフエリアが他にもあるかもだし、無いかもだ。体力的に34までは厳しいとなり、そのまま休憩に入る事になった。

 魔物避けもそろそろ切れるタイミングでもあった。

 今日の戦闘は5回程しかしていないが、かなり無理をして進んだので皆疲れていた。
 テントを出して食事をする。

 食材を出して調理は任せていた。ドロップの魔法書をどうするかレヴィと話す事にした。
 中級魔法は晃が取得し、初級はレヴィが取得するとした。
 三人組のうち二人は魔力を持たないから選択肢から外したのだ。レヴィは攻撃魔法を持たないので、初級を覚えて貰う。早速レヴィに読ませると初級の火魔法を取得し、ファイヤーボールとファイヤーウォールを覚えた。

 続いて晃だが、光属性の中級だ。使える魔法は広域浄化いうアンデッド系に対する攻撃魔法と欠損修復だった。初級がすっとはされた感じだが、欠損修復は有り難かった。

 リジビが左目を失っていて、試しに使うと目が再建された。怪我の治療は出来ないのだが、変な取得の仕方だった。

 退避している者た達はそろそろ食料が尽きた筈だという。後3日もすれば死ぬ者が出始める。

 晃は食料を確認する事にした。ただ、食料の多い少ないに関わらず晃達の食事の量は変えない。特に晃とレヴィが皆の生命線になるから、食事を減らして戦闘力が落ちてしまえば元も子もないからだ。

 乾燥豆5L位が3袋、小麦粉5L位が6袋、大量のお菓子、何かのパスタのような乾麺200人前、麺の具材100人前、野菜の乾物1L位が5袋、野菜100食位、茶葉100回分、調味料各種、何かの粉5L1袋、お弁当90食位。そんな感じだった。

「あのー晃様?つかぬ事をお伺いしますが、何故にこれだけの食料をお持ちで?お菓子が多い理由は聞きませんが」

「あははは。えっとそれ言わなきゃ?多分僕の事を嫌いになるよ?」

「やましい事をされてるのですか?いえ、晃様はそのような事はされませんよね。多分女性絡みでその女性の関係先で不要な買物をして溜まってきたといった所でしょうか?」

「あはははぁ。何で分かるかなぁ?」

「はぁ、晃様、かまをかけただけよ。駄目ですよそこは誤魔化さないと」

「えっ?」

「あのね、私はね、晃様が他に想い人がいても良いのですよ。責任を取ると言われてある意味嬉しかったのですよ。多少なりとも私を多少なりとも好きでいてくれるのかなって。まだよく知らないけど、晃様がいなければ私は今頃オークの慰め者にされ犯され殺されていた筈なの。だから身も心も晃様に捧げるつもりなの。だからね、都合の良い女で良いから側に置いて欲しいの。好きなの。助けられた時一目惚れしたのよ。って会うのが二回目だったけれども。それとは別に私が言いたいのは駆け引きをちゃんとして欲しいからなの」

「えええ?怒ってないの?」

「もう晃様はバカね。朴念仁って言われるでしょ?」

 アキラは乾いた笑いしかできなかった。

「あのね、レヴィちゃんからねその辺りの事は聞いてるの。それよりかまをかけられた時の対応が良くないの。女神様のファーストになった以上これから団長として皆を率いていかなければなのよ。こんな簡単な引っ掛けに躓いていちゃ駄目なの。好きになった人にはしっかりして欲しいだけなの。ね。あっ!偉そうな事を言ってごめんなさい」

「こっちこそごめんなさい。肝に命じるよ。あの、僕よくわからないんだ。その、女性と付き合った事がなくて、世界が違いすぎて。一つお願いがあるんだ。その、確かに僕がエニーを助けたけど、その前に助けられているんだ。だから、貸し借りなしなんだ。だから、体を捧げるとか言わないで欲しいんだ。恩人の立場じゃなく、対等な立場で接したいんだ。だから、一旦リセットして欲しいんだ」

「でも、今は危険を冒して下に向かってるのよ!」

「それは最初に僕を助けたのはエニーだけじゃなくて、えっと何団?エニーの所の団に助けられたから、救える人を地上に連れて行くまでがその時の借りなんだ。ただただ借りを返しているのだから気にしないで。僕の心はあの時から格好よく助けてくれたエニーに囚われているんだ。だから、地上に戻って落ち着いたらデートしてください!」

「まったくもう。そんな事を言われたらうんって言わないといけないじゃないの。ずるいよ。じゃあ、ケーキをご馳走してくださいね!」

 そんな緊張感の無い会話の後、食事の後は明日に備えに眠りに付く。晃は左右にレヴィとエニグマに挟まれ、しかも抱きつかれ腕に当たる胸の感触が気になるが、疲れから堪能せずに眠りに落ちてしまったのだった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

性奴隷を飼ったのに

お小遣い月3万
ファンタジー
10年前に俺は日本から異世界に転移して来た。 異世界に転移して来たばかりの頃、辿り着いた冒険者ギルドで勇者認定されて、魔王を討伐したら家族の元に帰れるのかな、っと思って必死になって魔王を討伐したけど、日本には帰れなかった。 異世界に来てから10年の月日が流れてしまった。俺は魔王討伐の報酬として特別公爵になっていた。ちなみに領地も貰っている。 自分の領地では奴隷は禁止していた。 奴隷を売買している商人がいるというタレコミがあって、俺は出向いた。 そして1人の奴隷少女と出会った。 彼女は、お風呂にも入れられていなくて、道路に落ちている軍手のように汚かった。 彼女は幼いエルフだった。 それに魔力が使えないように処理されていた。 そんな彼女を故郷に帰すためにエルフの村へ連れて行った。 でもエルフの村は魔力が使えない少女を引き取ってくれなかった。それどころか魔力が無いエルフは処分する掟になっているらしい。 俺の所有物であるなら彼女は処分しない、と村長が言うから俺はエルフの女の子を飼うことになった。 孤児になった魔力も無いエルフの女の子。年齢は14歳。 エルフの女の子を見捨てるなんて出来なかった。だから、この世界で彼女が生きていけるように育成することに決めた。 ※エルフの少女以外にもヒロインは登場する予定でございます。 ※帰る場所を無くした女の子が、美しくて強い女性に成長する物語です。

ロリコン村の転生英雄~少女化した魔物達の最強ハーレムで世界救済~

青空顎門
ファンタジー
 人の願望や衝動が世界に少しだけ影響を与え、魔法と魔物が存在する異世界アントロゴス。魔物は人の欲動の影響によって少女の形へと変化し、人々はそれを少女化魔物(ロリータ)と呼んだ。その少女化魔物と契約して力を得る少女化魔物征服者(ロリータコンカラー略してロリコン)を多く輩出する村に転生し、イサクと名づけられた主人公。彼は世界の危機に転生者が現れて人々を救う伝説と、実際におおよそ百年周期で転生者が現れて人々を救ってきた事実を知る。前回の転生者が世界を救ってから百年。ほぼ間違いなく、世界の危機に立ち向かわなければならなくなる運命を前に、イサクは少女化魔物征服者(ロリコン)として力をつけていく決意をするのだった。 【少女化魔物は固有技を使う時のみモン娘のようになりますが、通常時は人間とほぼ同じ姿です】 ※小説家になろう様、カクヨム様、ノベルアップ+様、ノベルバ様にも掲載しております。

異世界で穴掘ってます!

KeyBow
ファンタジー
修学旅行中のバスにいた筈が、異世界召喚にバスの全員が突如されてしまう。主人公の聡太が得たスキルは穴掘り。外れスキルとされ、屑の外れ者として抹殺されそうになるもしぶとく生き残り、救ってくれた少女と成り上がって行く。不遇といわれるギフトを駆使して日の目を見ようとする物語

奴隷勇者の転生物語

KeyBow
ファンタジー
 主人公は異世界召喚直後に奴隷にされた後に命じられて魔王を討伐した。 その時に奴隷から逃れる為に転生術を発動するも、不完全で記憶を無くしての転生になった。  本来ありえない2つのギフトを得られており、同郷の者と冒険者をするも、リーダーがその可能性に気が付き、嫉妬により腐らせた挙げ句に暗殺に失敗する。  そして追放された。  絶望の最中一人の女性と出会い、その後多くの仲間を得る。しかし、初めて彼女ができるも、他の少女を救った事から慕われ、思い悩む事になる。  だが、転生前と違い、追放後はハッピーに生きようとするが、そうは問屋が・・・  次から次に襲ってくる女難?と悪意から乗り切れるか?

地獄の手違いで殺されてしまったが、閻魔大王が愛猫と一緒にネット環境付きで異世界転生させてくれました。

克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作、面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります! 高橋翔は地獄の官吏のミスで寿命でもないのに殺されてしまった。だが流石に地獄の十王達だった。配下の失敗にいち早く気付き、本来なら地獄の泰広王(不動明王)だけが初七日に審理する場に、十王全員が勢揃いして善後策を協議する事になった。だが、流石の十王達でも、配下の失敗に気がつくのに六日掛かっていた、高橋翔の身体は既に焼かれて灰となっていた。高橋翔は閻魔大王たちを相手に交渉した。現世で残されていた寿命を異世界で全うさせてくれる事。どのような異世界であろうと、異世界間ネットスーパーを利用して元の生活水準を保証してくれる事。死ぬまでに得ていた貯金と家屋敷、死亡保険金を保証して異世界で使えるようにする事。更には異世界に行く前に地獄で鍛錬させてもらう事まで要求し、権利を勝ち取った。そのお陰で異世界では楽々に生きる事ができた。

蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる

フルーツパフェ
大衆娯楽
 転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。  一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。  そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!  寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。 ――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです  そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。  大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。  相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。      

異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜

KeyBow
ファンタジー
 間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。  何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。  召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!  しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・  いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。  その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。  上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。  またぺったんこですか?・・・

ギルドから追放された実は究極の治癒魔法使い。それに気付いたギルドが崩壊仕掛かってるが、もう知らん。僕は美少女エルフと旅することにしたから。

yonechanish
ファンタジー
僕は治癒魔法使い。 子供の頃、僕は奴隷として売られていた。 そんな僕をギルドマスターが拾ってくれた。 だから、僕は自分に誓ったんだ。 ギルドのメンバーのために、生きるんだって。 でも、僕は皆の役に立てなかったみたい。 「クビ」 その言葉で、僕はギルドから追放された。 一人。 その日からギルドの崩壊が始まった。 僕の治癒魔法は地味だから、皆、僕がどれだけ役に立ったか知らなかったみたい。 だけど、もう遅いよ。 僕は僕なりの旅を始めたから。

処理中です...