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第4章
後悔
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晃は風呂に入っていた。
ソレイユの元から逃げた後、風呂に入り、スッキリしようと考えた。
胸の感触に真っ赤になっていた。この前も似たような事が有ったなと思うが、激しく後悔していた。男になれたのにと。
相手は自分の事を一方的に惚れていて、エッチな事をしようと思えば最後まで出来きた筈なのだ。そう、折角童貞を卒業出来るチャンスを見逃したのだ。でも胸の感触は良かったなと思い出していた。
はっきり言うと、ソレイユはかなりの天然さんだが、スタイルは良いし、顔もアイドル並みに綺麗というか可愛く、外観だけは超絶的に好みだ。
ただ、ルーシーの顔が思い浮かんだ。デートの約束をしたし、ルーシーが彼女になると認識していたのだ。まだちゃんと付合ってはいないが裏切り行為だとルーシーの顔が思い浮かんだのだ。正常な倫理観を持っている典型的な日本人なのだ。
でも年頃の男の子としてはやはり異性の体に興味はあるし、性行為はしたい。しかし、浮気になると葛藤していた。そんな感じで理性が勝ったのだ。または酔い潰れたともいう。
結果としては予測と違う良い方向に行くのだが、この時は童貞を捨てられなかった後悔しかなかった。晃は聖人君子ではないのだ。
ただ、今は気持ち悪いのと頭が痛い。先日のようにお酒を何故か飲んだみたいだと確信していた。
風呂を出て自室に戻った。先程いたのは自室だったようで布団にはソレイユがいた。
「先程ははしたない事をしてごめんなさい。もう行きます」
布団をでてなみだを流しながら部屋を出ようとしたソレイユの腕を掴み、晃は抱き寄せた。ソレイユは「あっ」と短い小さな悲鳴をあげる。
「さっきはごめんね。ソレイユの気持ちは嬉しいよ。でも、もし今君を抱くとしたら君が好きだからじゃなく、性欲のはけ口にしかならないよ。でも、今はこれで我慢してね」
目が合いキスを交わす。ソレイユはトロンとなった。
「僕のファーストキスだよ。それと、その、添い寝を頼みたいんだ。添い寝だけだよ。お酒を飲まされたようで頭が割れるように痛いんだ。撫でていて欲しいんだ。楽になるんだよね」
「うん。晃様?ソレイユの事嫌いになった?」
「ううん。嫌いな人に添い寝なんては頼まないよ。それとごめんね。ソレイユに魅力がなかったんじゃなくて、また誰かにお酒を飲まされたようで頭が痛いから寝たいんだ。寝よう?」
そうしてソレイユに抱き寄せられ頭を撫でられる。胸の感触はやはり心地よい。ソレイユの少し早い心臓の鼓動が心地良く眠りに落ちていった。
そして翌朝晃が目覚めた時ソレイユは既にいなかった。残念な気持ちと、襲ってないよなとの確認をしたくてウズウズしていたが、単にトイレに行っていただけだった。昨夜の事は断片的な記憶があるだけだ。
「お、おはようソレイユさん。俺昨日の記憶が曖昧なんだけど、何か有った?」
「あ、あの、私とのベッドでの事も忘れたの?酷い。私、未経験だったのに。ううう」
晃は真っ青になった。
やってしまったようだと思い
土下座を敢行した。
「ごめんなさい。記憶にないとはいえ、男としてちゃんと責任を取らないと。あの、僕の妻になって下さい」
ソレイユはからかったつもりだったが、まさかの求婚に焦った。確かに晃の妻のポジションを狙っているが流石にフェじゃないと感じたのと、けじめをちゃんと付け、遊びでは女性と致さないと言っていた通りの誠実な男だった。
ソレイユは謝罪する。
「ごめんなさい。嘘です。晃様は私を抱けたのに遊びでは抱かないと言って抱きませんでした。私はお陰でまだ清い体のままです。騙してごめんなさい。昨夜はちょっと胸を揉まれた以外は添い寝だけで、晃様が心配している事は無かったんです。本当にごめんなさい。ただ、晃様からファーストキスを頂きました。私も初めてでした。うふ」
晃はホッとした。ソレイユからちゃんと顛末を伝えられ、改めて娼館がどういう所か教えられた。
自分と大輔が異世界からの訪問者だと伝え、証拠としてスマホでソレイユの動画を撮り、それを見せた。画面に釘付けになり驚きまくるソレイユが可愛く見えた。
ソレイユから真面目な話として、この世界は強い男の子孫を多く残し、次代をより良くする義務があり、晃にはその義務がある強者だという。本妻とは言わないが、いずれ自分の事を信頼してくれるなら妾にでもして欲しいと、真面目な顔で話してきた。一夫多妻が当たり前だというのだ。多くの者が特に若い男が魔物との戦い、近隣諸国との戦いで命を落とすのだと。
法律で禁止されている事ではなく、子供を生んだ女性はダンジョンに入れなくなる。加護が消える訳ではないが、何故かダンジョンに入れなくなる。つまり稼げなくなるのだ。その為に女性の冒険者は強い男を求め、子供を育てるのに養ってもらわざるを得ない。そんな事情があるのだと。
晃は分かっていなかった。大輔の所のアマゾネス3人組とソレイユの行動が同じだったのだ。
晃が黙って俯いているとソレイユが
「あーもうダメダメ。晃様はそんな暗い顔しちゃだめだよ。私って別に重い女でもないし、私の事を大事にしてくれるなら別の子と仲良しになってても気にしないよ。だからね、晃様はスマイルスマイル。ねえお腹減ったから食べようよ」
そうやって腕を捕まれ、引っ張られながら食堂に連れて行かれるのであった。
ソレイユの元から逃げた後、風呂に入り、スッキリしようと考えた。
胸の感触に真っ赤になっていた。この前も似たような事が有ったなと思うが、激しく後悔していた。男になれたのにと。
相手は自分の事を一方的に惚れていて、エッチな事をしようと思えば最後まで出来きた筈なのだ。そう、折角童貞を卒業出来るチャンスを見逃したのだ。でも胸の感触は良かったなと思い出していた。
はっきり言うと、ソレイユはかなりの天然さんだが、スタイルは良いし、顔もアイドル並みに綺麗というか可愛く、外観だけは超絶的に好みだ。
ただ、ルーシーの顔が思い浮かんだ。デートの約束をしたし、ルーシーが彼女になると認識していたのだ。まだちゃんと付合ってはいないが裏切り行為だとルーシーの顔が思い浮かんだのだ。正常な倫理観を持っている典型的な日本人なのだ。
でも年頃の男の子としてはやはり異性の体に興味はあるし、性行為はしたい。しかし、浮気になると葛藤していた。そんな感じで理性が勝ったのだ。または酔い潰れたともいう。
結果としては予測と違う良い方向に行くのだが、この時は童貞を捨てられなかった後悔しかなかった。晃は聖人君子ではないのだ。
ただ、今は気持ち悪いのと頭が痛い。先日のようにお酒を何故か飲んだみたいだと確信していた。
風呂を出て自室に戻った。先程いたのは自室だったようで布団にはソレイユがいた。
「先程ははしたない事をしてごめんなさい。もう行きます」
布団をでてなみだを流しながら部屋を出ようとしたソレイユの腕を掴み、晃は抱き寄せた。ソレイユは「あっ」と短い小さな悲鳴をあげる。
「さっきはごめんね。ソレイユの気持ちは嬉しいよ。でも、もし今君を抱くとしたら君が好きだからじゃなく、性欲のはけ口にしかならないよ。でも、今はこれで我慢してね」
目が合いキスを交わす。ソレイユはトロンとなった。
「僕のファーストキスだよ。それと、その、添い寝を頼みたいんだ。添い寝だけだよ。お酒を飲まされたようで頭が割れるように痛いんだ。撫でていて欲しいんだ。楽になるんだよね」
「うん。晃様?ソレイユの事嫌いになった?」
「ううん。嫌いな人に添い寝なんては頼まないよ。それとごめんね。ソレイユに魅力がなかったんじゃなくて、また誰かにお酒を飲まされたようで頭が痛いから寝たいんだ。寝よう?」
そうしてソレイユに抱き寄せられ頭を撫でられる。胸の感触はやはり心地よい。ソレイユの少し早い心臓の鼓動が心地良く眠りに落ちていった。
そして翌朝晃が目覚めた時ソレイユは既にいなかった。残念な気持ちと、襲ってないよなとの確認をしたくてウズウズしていたが、単にトイレに行っていただけだった。昨夜の事は断片的な記憶があるだけだ。
「お、おはようソレイユさん。俺昨日の記憶が曖昧なんだけど、何か有った?」
「あ、あの、私とのベッドでの事も忘れたの?酷い。私、未経験だったのに。ううう」
晃は真っ青になった。
やってしまったようだと思い
土下座を敢行した。
「ごめんなさい。記憶にないとはいえ、男としてちゃんと責任を取らないと。あの、僕の妻になって下さい」
ソレイユはからかったつもりだったが、まさかの求婚に焦った。確かに晃の妻のポジションを狙っているが流石にフェじゃないと感じたのと、けじめをちゃんと付け、遊びでは女性と致さないと言っていた通りの誠実な男だった。
ソレイユは謝罪する。
「ごめんなさい。嘘です。晃様は私を抱けたのに遊びでは抱かないと言って抱きませんでした。私はお陰でまだ清い体のままです。騙してごめんなさい。昨夜はちょっと胸を揉まれた以外は添い寝だけで、晃様が心配している事は無かったんです。本当にごめんなさい。ただ、晃様からファーストキスを頂きました。私も初めてでした。うふ」
晃はホッとした。ソレイユからちゃんと顛末を伝えられ、改めて娼館がどういう所か教えられた。
自分と大輔が異世界からの訪問者だと伝え、証拠としてスマホでソレイユの動画を撮り、それを見せた。画面に釘付けになり驚きまくるソレイユが可愛く見えた。
ソレイユから真面目な話として、この世界は強い男の子孫を多く残し、次代をより良くする義務があり、晃にはその義務がある強者だという。本妻とは言わないが、いずれ自分の事を信頼してくれるなら妾にでもして欲しいと、真面目な顔で話してきた。一夫多妻が当たり前だというのだ。多くの者が特に若い男が魔物との戦い、近隣諸国との戦いで命を落とすのだと。
法律で禁止されている事ではなく、子供を生んだ女性はダンジョンに入れなくなる。加護が消える訳ではないが、何故かダンジョンに入れなくなる。つまり稼げなくなるのだ。その為に女性の冒険者は強い男を求め、子供を育てるのに養ってもらわざるを得ない。そんな事情があるのだと。
晃は分かっていなかった。大輔の所のアマゾネス3人組とソレイユの行動が同じだったのだ。
晃が黙って俯いているとソレイユが
「あーもうダメダメ。晃様はそんな暗い顔しちゃだめだよ。私って別に重い女でもないし、私の事を大事にしてくれるなら別の子と仲良しになってても気にしないよ。だからね、晃様はスマイルスマイル。ねえお腹減ったから食べようよ」
そうやって腕を捕まれ、引っ張られながら食堂に連れて行かれるのであった。
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