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第3章 大輔編

決勝へ向けて

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 今日もケイトにちゃんとただいまを言え、その小さな胸に何故か抱き寄せられて何故かナデナデしてもらっていたが、複雑な気分の大輔だ。これがナイスバディなお姉さんだったらウハウハだけど、チッパイだから残念だなと心の中で思うのだが、何故か頭をポカポカ叩かれたりし、中々鋭いケイトだ。

 最近のケイトは大輔の抱き枕と化している。なのでケイトは大輔が寝てから腕を解き武器のお手入れをする。

 大輔が抱き枕にしているのはベッドからケイトが落ちないように抱き留める為なのだが、それをケイトは分かってはいるが、それでも嬉しかった。

 明日はいよいよ決勝で、色んな事が一気に動く日だ。なので大輔のマッサージは念入りにするケイトだ。大輔は競技場でパフォーマンスを頼まれていて何をするか思案中だ。頼まれてはいるが、実質命令だ。

 そして決勝だが、ギランが負けてしまい、同門勝負がなくなった。つまりワンツーフィニッシュは無くなったのだ。
 先にトーマス対ギランで順位決定戦を行い、その後で大輔の決勝だ。
 相手は騎士の出身か騎士そのもので、お上品な攻撃だったらしい。そして礼儀正しかったと。小柄なギランと膂力が似通っていて、かなりの技持ちだったと言っていた。

 そして一夜明け準備が整うとケイトと手を繋ぎ座の待機所に向かう。

 そして全員集合で盛大に送り出された。

 闘技場の待機室でウォーミングアップをする。待機時間が結構長く、いつの間にかウトウトしていた。

 誰かに肩を揺らて大輔は起こされた。

「おい坊主、出番だぞ。しかしよくこんな状況で寝れるな。頑張ってな」

「ああ、おっちゃんの為に頑張るさ」

 いつもの案内役のおっちゃんだった。

 競技場入り口で待機していたが、大輔の心の準備も大丈夫だった。殺しても首輪が外れた直後に生き返らせれば良い。
 両頬をパチンと叩き気合を入れて闘技場の中に入る。

 反対側から対戦相手が出てきた。

 ザッツ騎士だ。フルプレートメイルにヘルム。盾に剣だ。

 大輔は座長に頼まれたパフォーマンスをする。

 なので鎧や武器を持った座の者とケイトが後から入ってきた。

 大輔は派手に何度かバク転し、最後は対戦相手の目の前に着地し、大いに場を盛り上げていた。

 司会が解説や競技や戦歴について話し始めたのだか、その間に座の者達で大輔に鎧を着せ始めた。

 対戦相手からは唸り声が聞こえてきた。

 大輔はふと気になり剣を見ると自分のと同じ剣だ。柄も同じ装飾だった。
 嫌な予感しかしないが装備が終わると大輔は軽く体を動かし、手を掲げゆっくり手を叩く。観客も同じく手を叩き、大輔の掛け声で拍手喝采が起こり、大輔は気合を入れる。これらは座長命令で、場を盛り上げる行為だった。
 確かに自身も興奮するが、やりたくはなかった。

 今日は剣、盾、鞭、メイスだ。相手がフルプレートと聞いた段階で折り畳みナイフ
 は無しになった。

 相手が苛立っているのが分かるが、聞いているのと態度が違うのが気になった。

 大輔の準備が整い、相手と正対する。160cmに少し足りない小柄な奴だった。

 ただ、強いのは向き合った殺気からも判断でき、苦戦の予感がし、ダイスを落としたのであった。96
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