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第145話 タワー内での野営

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 30階層のボスはこれまで出没した記録のあるボスで、ほぼ瞬殺だった。

 顕現と同時に俺とミリアの剣が各々肩と脇腹から入り、3等分されるとエフェクトの海に沈んだ。

「えっ?」

 皆うなり、カレンはアルマゲドンの発動を止めた。

「嘘だろ?簡単過ぎやしないか?」

 正直何が出たかよく分からない。

 顕現と同時に斬り裂いたから、オーガかサイクロプス?のような気がする。

 本当はマナー違反だが、今日はボス部屋で野営だ。

 魔石はダブリスキルでストレージ行きだ。

 誰かが持っているスキルの2人目への付与とかはタワー攻略が終わり落ち着いてからかな。

 テントを出して寝床の準備やテーブルや椅子を出して野営の準備だ。

 状況が良くない。

 皆と話し合い、明日31階層へ行ったら俺とシルフィスで1度1階に行く事にした。

 食料が心許ないからだ。

 流石に当番を決めて野営だ。
 カレンは免除で2人組で3班構成だ。

 くじ引きで1番と2番が最初、次が3番と4番とし、最後が5番と6番だ。
 俺があみだくじを作り、俺は選ばない。
 つまり残ったところだ。

 1番初めの者が1箇所線を引く。
 勿論隠しておき俺すら見えないようにしている。

 毎回こうなるのかな。
 何せ皆俺とペアを組みたがる。
 不公平になるからと、俺は番号順に明日からのペアを変わって行く事にした。
 6日したらリセットだ。

 初日はルシアスとだった。
 最後の番で、ルシアスはずっと俺にもたれ掛かっていた。

「なあルシアス。今困っている事とかないか?」

「そうですわね。私達は結婚したのに皆生娘のままで、貴方はタワーを攻略したらと言いますが、本当にそうなのか心配しているの。もし男の人が好きとかだった・・・」

「ないないないない!絶対ない!身籠ったら命取りだからだよ。もう少しの辛抱だし」

「ふふふ。それだけじゃないでしょ?」

「分かるのか・・・何故タワーを攻略したらというかだけどさ、俺の意志とは関係なく元の世界に送還されかねないからなんだ。タワーを攻略してもここにいるのならもうその心配をする必要はないからさ。勿論俺が選択出来てもこの世界に留まるよ」

「ごめんなさい。本当は帰りたいよね」

「だから帰らないって。恐れているのは強制的に送られる事なんだ。だから、もしもいなくなったら新たにパートナーを得て幸せになって欲しいから抱かないんだよ。この世界の貞操観念からすると・・・ね」

 ルシアスに言わんとする事が通じたようだ。

 暫くして朝になったので食事の用意をし皆を起こすのだった。
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