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第114話 謁見と言う名の娯楽
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謁見の間には既に王がいるとの事だったが、タワー探索者からの報告なので、礼儀作法等は問われないと言われたが、執事さんがドアを開ける時含み笑いをされた。
執事は30代後半だろうか。
金髪のイケメン執事で、この王女さん?の専属執事さんだったとしても納得する。
子供達を見ても特に何も言わない。
良いのだろうか?
俺1人を肩車しているんだよな。
「なあ坊主、降りなくて良いのか?」
「うん。大丈夫だよ。誰かが何か言ってきたら僕がメっ!するから」
「なら良いんだけどさ、俺の知っている謁見ってさ、こんな事しないんだけどな。この国はこんなのが当たり前なんかな?」
俺のつぶやきに誰も答えず、肩にいる坊主が早く早くと急かすので仕方なくこのまま入る。
中は・・・思った通りの謁見の間で、奥に幅の広い階段があり、その上に玉座がある。
そこにいかにもといった感じの、でっぷりとしたおっさんがふんぞり返っている。
そして多くの貴族、騎士達、文官と思われる者達がその場に並んでいた。
映画やアニメで見た事のあるはずの期待通りの光景だったから驚かなかった。
しかし、子供を肩車しているのに誰も何も言ってこない。
流石に誰かが何かを言って来るだろうから、それに従おうと思っていたが・・・
何故皆さん俺を生暖かい目で見る?
やはり格好が変なのか?
因みに女の子の方はカレンにおんぶされているシュール?な状況だ。
謁見の間に足を踏み入れる時にカレンの背中に飛びついており、メイドさんが手直しをしてしっかりおぶされるようにすらしていたんだよな。
今更どうにもならず進んでいた。
で、階段の下で並ぶように執事さんに言われ、俺達は俺とカレンを中心に横1列に並び、メイドさんと執事さんが俺とカレンの斜め後ろに陣取っていた。
「なあ坊主、国王様の名前って知っているか?」
「なんだよ兄ちゃんは自国の国王の名前も知らないのか?」
「俺と君のお姉さんをおんぶしているカレンは最近遠い異国から来たばかりで、この国の事をよく知らないんだ」
「ふーん。国王はねトスシルナって言うんだよ」
「陛下の御前です。片膝をついて頭を下げ、陛下よりお声を掛けられるのをお待ち下さい」
俺と子供達を除き、段上にいる玉座に座る者に対して片膝をつくが、俺がそうしないのでざわめきが起こる。
執事から、ほう!?と感嘆の声が聞こえた。
「ぶ、無礼だぞ!」
段上にいる騎士の1人が叫んだ。
「主殿!駄目!」
イリーヌに怒られたが、サインバーグって誰だ?
俺の横にいる領主さんに聞いた。
「サインバーグって人は知り合いですか?」
「何処からその名を?前国王陛下のお抱え商会の主の名ですな」
「私は国王陛下に報告に来たのであって、サインバーグと言う人に臣下の礼をする為に来たんじゃないんですが、陛下はどこに?これは余興ですか?それとも影武者ですか?」
ざわめきと笑い声が起こった。
横にいた后と思わる女性が立ち上がり話し始めようとしたが、領主さんが俺に一言言った。
「あの女人は陛下の母君です」
「冒険者と聞いておるが、サインバーグ卿と何故判るのじゃ?」
「失礼ながら、私は鑑定のスキル持ちで、その方の名前や商人だと言うのも分かります。失礼ですが貴女様は前国王陛下の第1夫人で、現国王陛下の母君ですね」
「見事じゃ。ならば5分で陛下を見つけ出すのじゃ。心配せずとも謁見の間におり、妾のスカートの中に隠れてもたらりもしていないのじゃ。見つけたのならば陛下からの褒美とは別に妾からささやかながら褒美を渡そう!良いか?」
「分かりました。見つからなかったら?」
「うむ。今日の娯楽はそなたが陛下を発見するかじゃから皆が残念がるだけじゃ。既にサインバーグ卿の前に跪かなかった故に賭けに負けた者も多くいるのじゃ。5分時間をやる故、5分したら誰が陛下か告げるが良い。そうじゃな、妾からは陛下の姿は確認できるのじゃ。勿論天井に潜んではおらぬ。ではスタートじゃ」
誰かが段上に用意された砂時計をクルッと回した。
「兄ちゃん凄いな。見つけられるの?」
「問題ないだろうな。ところで坊主もこの事は聞いていたのか?」
「勿論。じゃなきゃ兄ちゃんがオイラを肩車して中に入れないよ」
「だな。執事さんかと思ったけど違うな。おお!近衛騎士隊長か。強そうだね」
「アロン、大丈夫なの?私さっぱり分からないわよ」
女の子はカレンの背中にしがみつき、ちらちらとこちらを見てニヤニヤしていた。
さて、余興をサクッと終わらせますか!
俺は肩車をしたまま1度段上に上がり、その場にいる人達を見たが・・・
うーん・・・いない・・・
大見得を切ったが、さてどうしてくか!
執事は30代後半だろうか。
金髪のイケメン執事で、この王女さん?の専属執事さんだったとしても納得する。
子供達を見ても特に何も言わない。
良いのだろうか?
俺1人を肩車しているんだよな。
「なあ坊主、降りなくて良いのか?」
「うん。大丈夫だよ。誰かが何か言ってきたら僕がメっ!するから」
「なら良いんだけどさ、俺の知っている謁見ってさ、こんな事しないんだけどな。この国はこんなのが当たり前なんかな?」
俺のつぶやきに誰も答えず、肩にいる坊主が早く早くと急かすので仕方なくこのまま入る。
中は・・・思った通りの謁見の間で、奥に幅の広い階段があり、その上に玉座がある。
そこにいかにもといった感じの、でっぷりとしたおっさんがふんぞり返っている。
そして多くの貴族、騎士達、文官と思われる者達がその場に並んでいた。
映画やアニメで見た事のあるはずの期待通りの光景だったから驚かなかった。
しかし、子供を肩車しているのに誰も何も言ってこない。
流石に誰かが何かを言って来るだろうから、それに従おうと思っていたが・・・
何故皆さん俺を生暖かい目で見る?
やはり格好が変なのか?
因みに女の子の方はカレンにおんぶされているシュール?な状況だ。
謁見の間に足を踏み入れる時にカレンの背中に飛びついており、メイドさんが手直しをしてしっかりおぶされるようにすらしていたんだよな。
今更どうにもならず進んでいた。
で、階段の下で並ぶように執事さんに言われ、俺達は俺とカレンを中心に横1列に並び、メイドさんと執事さんが俺とカレンの斜め後ろに陣取っていた。
「なあ坊主、国王様の名前って知っているか?」
「なんだよ兄ちゃんは自国の国王の名前も知らないのか?」
「俺と君のお姉さんをおんぶしているカレンは最近遠い異国から来たばかりで、この国の事をよく知らないんだ」
「ふーん。国王はねトスシルナって言うんだよ」
「陛下の御前です。片膝をついて頭を下げ、陛下よりお声を掛けられるのをお待ち下さい」
俺と子供達を除き、段上にいる玉座に座る者に対して片膝をつくが、俺がそうしないのでざわめきが起こる。
執事から、ほう!?と感嘆の声が聞こえた。
「ぶ、無礼だぞ!」
段上にいる騎士の1人が叫んだ。
「主殿!駄目!」
イリーヌに怒られたが、サインバーグって誰だ?
俺の横にいる領主さんに聞いた。
「サインバーグって人は知り合いですか?」
「何処からその名を?前国王陛下のお抱え商会の主の名ですな」
「私は国王陛下に報告に来たのであって、サインバーグと言う人に臣下の礼をする為に来たんじゃないんですが、陛下はどこに?これは余興ですか?それとも影武者ですか?」
ざわめきと笑い声が起こった。
横にいた后と思わる女性が立ち上がり話し始めようとしたが、領主さんが俺に一言言った。
「あの女人は陛下の母君です」
「冒険者と聞いておるが、サインバーグ卿と何故判るのじゃ?」
「失礼ながら、私は鑑定のスキル持ちで、その方の名前や商人だと言うのも分かります。失礼ですが貴女様は前国王陛下の第1夫人で、現国王陛下の母君ですね」
「見事じゃ。ならば5分で陛下を見つけ出すのじゃ。心配せずとも謁見の間におり、妾のスカートの中に隠れてもたらりもしていないのじゃ。見つけたのならば陛下からの褒美とは別に妾からささやかながら褒美を渡そう!良いか?」
「分かりました。見つからなかったら?」
「うむ。今日の娯楽はそなたが陛下を発見するかじゃから皆が残念がるだけじゃ。既にサインバーグ卿の前に跪かなかった故に賭けに負けた者も多くいるのじゃ。5分時間をやる故、5分したら誰が陛下か告げるが良い。そうじゃな、妾からは陛下の姿は確認できるのじゃ。勿論天井に潜んではおらぬ。ではスタートじゃ」
誰かが段上に用意された砂時計をクルッと回した。
「兄ちゃん凄いな。見つけられるの?」
「問題ないだろうな。ところで坊主もこの事は聞いていたのか?」
「勿論。じゃなきゃ兄ちゃんがオイラを肩車して中に入れないよ」
「だな。執事さんかと思ったけど違うな。おお!近衛騎士隊長か。強そうだね」
「アロン、大丈夫なの?私さっぱり分からないわよ」
女の子はカレンの背中にしがみつき、ちらちらとこちらを見てニヤニヤしていた。
さて、余興をサクッと終わらせますか!
俺は肩車をしたまま1度段上に上がり、その場にいる人達を見たが・・・
うーん・・・いない・・・
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