上 下
109 / 147

第109話 オムツしているんですが

しおりを挟む
 俺はふと目覚めたが、なんとなく知っている?天井が見えたが、ここはどこだ?

 宿!?それともカノープスさんのところ?
 窓の方を向くと内装からカノープスさんの客間のように思えた。
 反対側を見るとシルフィスが横になっている。

 体を起こして部屋の中を見ると、シルフィス以外いない。
 俺もシルフィスも貫頭衣のようなのを着ている。
 下腹部は違和感がある。
 どうやらオムツを着けられている。

 シルフィスを見ると規則的に胸が上下しているのと、顔色から寝ているだけのようだ。

 取り敢えず椅子の上に俺とシルフィスの着替えがおいてあり、水の入ったタライとタオルがあるので裸になり下腹部を拭く。

 オムツは小便で濡れていたからそうする必要から着けられていたようだ。

 何をするにも着替えないと駄目だ。
 着替えると念の為シルフィスの股間を見ると、俺と同じようにオムツを着けられている。
 布団にも防水シーツのようなのが敷かれていた事から、どうやら俺とシルフィスは介護されていたようだ。

 最後の記憶が魔力切れになるのが分かっていて無理にテレポートを使った事だ。

 シルフィスは何故だ?

 俺は魔力切れにより3日程寝ていたのだろう。
 魔力切れは絶対してはならないと言われていた。
 3日意識を失くすと聞いていたからだ。
 命取りになるので一か八かの状況でやむを得ず使うしかない。

 魔力回復ポーションも底をつき、あと僅かで体力が尽きた関係でテレポートを何度も使ったが、最後の最後はもう魔力切れをするしかなく、しないと皆が死んでしまう。

 俺の事は捨て置くように言ったのに連れて来てくれたんだな。

 他はどうだろうか?
 無事か?
 この様子からシルフィスも魔力切れのようだ。

 シルフィスが起き掛けている。

 シルフィスの貫頭衣を脱がし、オムツを外す。
 やはり小便で濡れているから、魔力切れにより意識をなくしていたようだ。

 俺のも袋に入れたが、ゴミ箱がないので取り敢えずストレージに入れ、シルフィスの体を拭いていく。
 ビデをどう拭けばよいのかよくわからないので、起きたらトイレか風呂で綺麗にしてくれ!

 ついでに体の隅々までじっくり見て、傷がない事を確認してホッとした。

 シルフィスの絹のような繊細な肌に傷が付いたら発狂物だ。
 彼女の肌は国宝だ!
 そう言いたい程きめ細かく、滑らかだ。
 カレンすら羨ましがっていたもんな。
 どうやら種族的な特性で、これの為に性奴隷にすべく理不尽に捕まったりする事案が多いのだとか。
 シルフィスもその1人だった。

 俺がパンティーを履かせていると気が付いたようで、呻き出した。
 体を起こすとシルフィスが涙を流しながら俺を抱き寄せ、その胸に俺の頭を押し付けた。

 うん、柔らかくて心地良いっす。

 つい出来心でボッチをペロリンチョしたら裸なのに気が付いたようで恥ずかしがっていたから、用意してあった服を着せてあげた。

 その後布団に入り少しまったりしながら話をし始めた。

「シルフィス、君も魔力切れかい?俺は階段の所で気絶したからその後の事が分からないんだ」

「そうね。階段を降りた所のドアが瓦礫で開かず、私が命を糧にして魔法を放ったのだけれども、なぜ私は生きているのかしら?」

「俺がした強化かボーナスポイントの為じゃないのか?ゼロより下になってもまだ強化分か補正分があるから生き残ったんじゃ?」

 シルフィスは大粒の涙を流しながらキスをしてきた。

「やはり貴方は運命の人。貴方を選んで良かったわ。この命はもう貴方だけの物よ。愛しているわ」

 俺が涙を拭っているとドアがノックされ、メイドが入ってきた。

 そのメイドに全員無事で、やはり3日意識をなくしていた事を伝えられた。

 カレン達は町の中に潜む魔物の駆除の為に駆り出されていて、もう何時間かしないと帰って来ないと教えてもらった。

 ちらちらと下腹部を気にしていて、風呂に入る事を勧められたのもあり俺はシルフィスと風呂へと向かうのだった。
しおりを挟む
感想 11

あなたにおすすめの小説

神々の間では異世界転移がブームらしいです。

はぐれメタボ
ファンタジー
第1部《漆黒の少女》 楠木 優香は神様によって異世界に送られる事になった。 理由は『最近流行ってるから』 数々のチートを手にした優香は、ユウと名を変えて、薬師兼冒険者として異世界で生きる事を決める。 優しくて単純な少女の異世界冒険譚。 第2部 《精霊の紋章》 ユウの冒険の裏で、田舎の少年エリオは多くの仲間と共に、世界の命運を掛けた戦いに身を投じて行く事になる。 それは、英雄に憧れた少年の英雄譚。 第3部 《交錯する戦場》 各国が手を結び結成された人類連合と邪神を奉じる魔王に率いられた魔族軍による戦争が始まった。 人間と魔族、様々な意思と策謀が交錯する群像劇。 第4部 《新たなる神話》 戦争が終結し、邪神の討伐を残すのみとなった。 連合からの依頼を受けたユウは、援軍を率いて勇者の後を追い邪神の神殿を目指す。 それは、この世界で最も新しい神話。

最強の職業は解体屋です! ゴミだと思っていたエクストラスキル『解体』が実は超有能でした

服田 晃和
ファンタジー
旧題:最強の職業は『解体屋』です!〜ゴミスキルだと思ってたエクストラスキル『解体』が実は最強のスキルでした〜 大学を卒業後建築会社に就職した普通の男。しかし待っていたのは設計や現場監督なんてカッコいい職業ではなく「解体作業」だった。来る日も来る日も使わなくなった廃ビルや、人が居なくなった廃屋を解体する日々。そんなある日いつものように廃屋を解体していた男は、大量のゴミに押しつぶされてしまい突然の死を迎える。  目が覚めるとそこには自称神様の金髪美少女が立っていた。その神様からは自分の世界に戻り輪廻転生を繰り返すか、できれば剣と魔法の世界に転生して欲しいとお願いされた俺。だったら、せめてサービスしてくれないとな。それと『魔法』は絶対に使えるようにしてくれよ!なんたってファンタジーの世界なんだから!  そうして俺が転生した世界は『職業』が全ての世界。それなのに俺の職業はよく分からない『解体屋』だって?貴族の子に生まれたのに、『魔導士』じゃなきゃ追放らしい。優秀な兄は勿論『魔導士』だってさ。  まぁでもそんな俺にだって、魔法が使えるんだ!えっ?神様の不手際で魔法が使えない?嘘だろ?家族に見放され悲しい人生が待っていると思った矢先。まさかの魔法も剣も極められる最強のチート職業でした!!  魔法を使えると思って転生したのに魔法を使う為にはモンスター討伐が必須!まずはスライムから行ってみよう!そんな男の楽しい冒険ファンタジー!

ざまぁから始まるモブの成り上がり!〜現実とゲームは違うのだよ!〜

KeyBow
ファンタジー
カクヨムで異世界もの週間ランク70位! VRMMORゲームの大会のネタ副賞の異世界転生は本物だった!しかもモブスタート!? 副賞は異世界転移権。ネタ特典だと思ったが、何故かリアル異世界に転移した。これは無双の予感?いえ一般人のモブとしてスタートでした!! ある女神の妨害工作により本来出会える仲間は冒頭で死亡・・・ ゲームとリアルの違いに戸惑いつつも、メインヒロインとの出会いがあるのか?あるよね?と主人公は思うのだが・・・ しかし主人公はそんな妨害をゲーム知識で切り抜け、無双していく!

アイテムボックス無双 ~何でも収納! 奥義・首狩りアイテムボックス!~

明治サブ🍆スニーカー大賞【金賞】受賞作家
ファンタジー
※大・大・大どんでん返し回まで投稿済です!! 『第1回 次世代ファンタジーカップ ~最強「進化系ざまぁ」決定戦!』投稿作品。  無限収納機能を持つ『マジックバッグ』が巷にあふれる街で、収納魔法【アイテムボックス】しか使えない主人公・クリスは冒険者たちから無能扱いされ続け、ついに100パーティー目から追放されてしまう。  破れかぶれになって単騎で魔物討伐に向かい、あわや死にかけたところに謎の美しき旅の魔女が現れ、クリスに告げる。 「【アイテムボックス】は最強の魔法なんだよ。儂が使い方を教えてやろう」 【アイテムボックス】で魔物の首を、家屋を、オークの集落を丸ごと収納!? 【アイテムボックス】で道を作り、川を作り、街を作る!? ただの収納魔法と侮るなかれ。知覚できるものなら疫病だろうが敵の軍勢だろうが何だって除去する超能力! 主人公・クリスの成り上がりと「進化系ざまぁ」展開、そして最後に待ち受ける極上のどんでん返しを、とくとご覧あれ! 随所に散りばめられた大小さまざまな伏線を、あなたは見抜けるか!?

異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜

KeyBow
ファンタジー
 間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。  何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。  召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!  しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・  いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。  その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。  上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。  またぺったんこですか?・・・

夢幻の錬金術師 ~【異空間収納】【錬金術】【鑑定】【スキル剥奪&付与】を兼ね備えたチートスキル【錬金工房】で最強の錬金術師として成り上がる~

青山 有
ファンタジー
女神の助手として異世界に召喚された厨二病少年・神薙拓光。 彼が手にしたユニークスキルは【錬金工房】。 ただでさえ、魔法があり魔物がはびこる危険な世界。そこを生産職の助手と巡るのかと、女神も頭を抱えたのだが……。 彼の持つ【錬金工房】は、レアスキルである【異空間収納】【錬金術】【鑑定】の上位互換機能を合わせ持ってるだけでなく、スキルの【剥奪】【付与】まで行えるという、女神の想像を遥かに超えたチートスキルだった。 これは一人の少年が異世界で伝説の錬金術師として成り上がっていく物語。 ※カクヨムにも投稿しています

【改稿版】休憩スキルで異世界無双!チートを得た俺は異世界で無双し、王女と魔女を嫁にする。

ゆう
ファンタジー
剣と魔法の異世界に転生したクリス・レガード。 剣聖を輩出したことのあるレガード家において剣術スキルは必要不可欠だが12歳の儀式で手に入れたスキルは【休憩】だった。 しかしこのスキル、想像していた以上にチートだ。 休憩を使いスキルを強化、更に新しいスキルを獲得できてしまう… そして強敵と相対する中、クリスは伝説のスキルである覇王を取得する。 ルミナス初代国王が有したスキルである覇王。 その覇王発現は王国の長い歴史の中で悲願だった。 それ以降、クリスを取り巻く環境は目まぐるしく変化していく…… ※アルファポリスに投稿した作品の改稿版です。 ホットランキング最高位2位でした。 カクヨムにも別シナリオで掲載。

異世界で穴掘ってます!

KeyBow
ファンタジー
修学旅行中のバスにいた筈が、異世界召喚にバスの全員が突如されてしまう。主人公の聡太が得たスキルは穴掘り。外れスキルとされ、屑の外れ者として抹殺されそうになるもしぶとく生き残り、救ってくれた少女と成り上がって行く。不遇といわれるギフトを駆使して日の目を見ようとする物語

処理中です...