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第108話 脱出!
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ミリアは辛うじて自ら立ち上がるとルシアスに肩を貸して貰い、1階への階段を進む。
残り30秒程だ。
カレンとイリーヌの2人は魔力切れにより気絶したアロンを挟んで階段を降りて行く。
魔力が底をついており、身体能力向上系や回復系も使えない。
そして先に降りたシルフィスとトルネアは必死に扉を開けようとしていた。
押して出る扉なのだが、5Cm程開けると何かに引っ掛かり押せなかった。
ミリアは階段を降りるとイリーヌと共に扉に体当たりをする。
すると扉は崩れ去ったが、そこには瓦礫がおり、進路を塞いでいた。
時折ゴゴゴゴと地響きやドゴーンと上の階層が順次崩れる音がする。
間仕切りの壁が崩れ、進路を塞いでいた。
中途半端に崩れたからだ。
そこにシルフィスが来て、魔法の詠唱を始めた。
「下がってください。私の魔法で何とかします。最悪私は捨て置いてでもアロンを脱出させるのですよ!」
本当は魔法を放てないのだが、シルフィスには秘策がある。
本来禁止されている部族に伝わる禁忌を犯す。
己の生命を糧にして魔法を放つのだ。
瓦礫を吹き飛ばせば脱出出来る。
そして皆がよく分かっていない中、大魔力を込めたウインドストームを前方に発生させ、タワーの外に瓦礫を押し出した。
前方に外の景色が目に入るとシルフィスはその生命活動を終えたように、その場に崩れ落ちた。
ルシアスが受け止めると、駆け付けたイリーヌがシルフィスをお姫様抱っこして外へと進む。
「ミリアはアロンをお願い。トルネアは先に進み通路の確認を兼ねて外に出て!」
トルネアが外に出られないと皆も出られないからと、斥候を兼ねてトルネアは外に送り出された。
「大丈夫デス!早く外に出るデス!」
「良かった!急いで出ましょう!」
イリーヌの掛け声で歩いていたのが全力で駆け出す。
そして3階層が崩れた音と振動で地面が揺れた時、タワーの入り口、最早2階層より上が無い、入り口を突破した瞬間1階層が崩れ、瓦礫の山が残る。
「キャー!」
爆風と瓦礫に皆吹き飛ばされ、女性陣が悲鳴を上げる。
そしてトルネアはアロンに覆い被さるも皆なす術もなく吹き飛ばされ地面を転げており、血塗れになり倒れ伏した。
ゴホッ!ゴホッ!とカレンが咳き込むも何とか起き上がる。
シルフィス以外は呼吸をしているのが分かり、ストレージから回復ポーションを出して飲み干す。
状況が分からないから、意識を取り戻した自分が1人で皆を守らないと行けないかもなので、先ずは己を回復する事にした。
瓦礫が散乱している以外危険は無さそうなので、カレンは皆の所に駆け寄り、ストレージに入れていた回復ポーションを先ずはイリーヌに飲ませる。
「うっ!?カ、カレン殿無事で!皆は無事なのだろうか?」
「皆生きているわ。ミリアとルシアスに回復ポーションをお願い。私はアロンとシルフィスに飲ませてくるわ」
「分かりました。皆無事で良かった!」
イリーヌは涙を浮かべながら近くにいたミリアに駆け寄る。
トルネアは意識を取り戻すも瓦礫に足を挟まれており身動きができなかった。
だが、やがて回復ポーションを飲ませ終わったカレンが駆け付け、瓦礫をストレージに入れる事により脱出出来た。
アロンとシルフィスは気絶したままなので、イリーヌがシルフィスをお姫様抱っこし、カレンとミリアにてアロンの腕を掴みながら安全そうな場所に移動する。
タワーは地下層も崩れ、その穴は地上の階層だった瓦礫で丁度塞がる形だ。
また、町に溢れかえった魔物の事で手一杯で、殆どの者がタワーが崩れ去った事についてまだ考える事ができなかったのであった。
残り30秒程だ。
カレンとイリーヌの2人は魔力切れにより気絶したアロンを挟んで階段を降りて行く。
魔力が底をついており、身体能力向上系や回復系も使えない。
そして先に降りたシルフィスとトルネアは必死に扉を開けようとしていた。
押して出る扉なのだが、5Cm程開けると何かに引っ掛かり押せなかった。
ミリアは階段を降りるとイリーヌと共に扉に体当たりをする。
すると扉は崩れ去ったが、そこには瓦礫がおり、進路を塞いでいた。
時折ゴゴゴゴと地響きやドゴーンと上の階層が順次崩れる音がする。
間仕切りの壁が崩れ、進路を塞いでいた。
中途半端に崩れたからだ。
そこにシルフィスが来て、魔法の詠唱を始めた。
「下がってください。私の魔法で何とかします。最悪私は捨て置いてでもアロンを脱出させるのですよ!」
本当は魔法を放てないのだが、シルフィスには秘策がある。
本来禁止されている部族に伝わる禁忌を犯す。
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瓦礫を吹き飛ばせば脱出出来る。
そして皆がよく分かっていない中、大魔力を込めたウインドストームを前方に発生させ、タワーの外に瓦礫を押し出した。
前方に外の景色が目に入るとシルフィスはその生命活動を終えたように、その場に崩れ落ちた。
ルシアスが受け止めると、駆け付けたイリーヌがシルフィスをお姫様抱っこして外へと進む。
「ミリアはアロンをお願い。トルネアは先に進み通路の確認を兼ねて外に出て!」
トルネアが外に出られないと皆も出られないからと、斥候を兼ねてトルネアは外に送り出された。
「大丈夫デス!早く外に出るデス!」
「良かった!急いで出ましょう!」
イリーヌの掛け声で歩いていたのが全力で駆け出す。
そして3階層が崩れた音と振動で地面が揺れた時、タワーの入り口、最早2階層より上が無い、入り口を突破した瞬間1階層が崩れ、瓦礫の山が残る。
「キャー!」
爆風と瓦礫に皆吹き飛ばされ、女性陣が悲鳴を上げる。
そしてトルネアはアロンに覆い被さるも皆なす術もなく吹き飛ばされ地面を転げており、血塗れになり倒れ伏した。
ゴホッ!ゴホッ!とカレンが咳き込むも何とか起き上がる。
シルフィス以外は呼吸をしているのが分かり、ストレージから回復ポーションを出して飲み干す。
状況が分からないから、意識を取り戻した自分が1人で皆を守らないと行けないかもなので、先ずは己を回復する事にした。
瓦礫が散乱している以外危険は無さそうなので、カレンは皆の所に駆け寄り、ストレージに入れていた回復ポーションを先ずはイリーヌに飲ませる。
「うっ!?カ、カレン殿無事で!皆は無事なのだろうか?」
「皆生きているわ。ミリアとルシアスに回復ポーションをお願い。私はアロンとシルフィスに飲ませてくるわ」
「分かりました。皆無事で良かった!」
イリーヌは涙を浮かべながら近くにいたミリアに駆け寄る。
トルネアは意識を取り戻すも瓦礫に足を挟まれており身動きができなかった。
だが、やがて回復ポーションを飲ませ終わったカレンが駆け付け、瓦礫をストレージに入れる事により脱出出来た。
アロンとシルフィスは気絶したままなので、イリーヌがシルフィスをお姫様抱っこし、カレンとミリアにてアロンの腕を掴みながら安全そうな場所に移動する。
タワーは地下層も崩れ、その穴は地上の階層だった瓦礫で丁度塞がる形だ。
また、町に溢れかえった魔物の事で手一杯で、殆どの者がタワーが崩れ去った事についてまだ考える事ができなかったのであった。
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