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第107話 残り時間僅か
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俺達の膝は限界を迎えていた。
上りは問題なかったが、階段の下りに潜む危険性を認識していなかった。
普段膝に負担の掛かる階段を降る事は大してしていない。
少なくとも短時間で高層ビルの上層階から下層階へ階段を使って移動するような事はまずない。
遺跡や神社仏閣の一部が山の中にあり、かなりの段数の階段を登らないといけない場所にあり、それらの上り下りはかなりの時間を掛けて行い、疲れたら休むだろう。
しかし、ボス部屋の階段は50段にもなる。
他の階層は15段だった。
駆け足で降るので膝への負担が半端なかった。
途中から階層を早駆けし、階層を降りる速度をかなり落としたが、それまでの疲労蓄積は確実に体力を奪い、膝にダメージが来ていた。
階段を降りると回復魔法を掛けるも、ある程度の膝の痛みを取る程度で、体力を補うものではない。
種族の違いから1番体重のあるミリアが15階層に降りた時に膝を付いた。
「済みません。どうやら私はこれまでのようです。私はこれ以上進めそうにありません。捨て置いてください」
「諦めるな!俺は誰も死なせない!ここからはテレポートを使う!魔力は全部俺に集めて欲しい。ミリアは俺におぶされろ!」
「いけません!それではアロンも倒れてしまいます」
「却下だ!」
俺はお姫様抱っこでミリアを抱き上げた。
身体能力向上のお陰でなんとかなりそうだ。
「時間がない。文句は後で聞いてやるから恥ずかしがらず大人しくしていろ!行くぞ!」
貯金は300秒ほどしかない。
体力の低下で進む速度が落ちてきており、遂にテレポートの出番が来た。
残存魔力は分けて貰えれば何とかなる?感じだ。
俺はそう言うと皆が俺に触れているのを確認してからテレポートを発動した。
現状、フロアを走っても間に合わなくなってきている。
45秒/階層で進まないと間に合わない。
疲れから110秒/階層にまでペースが落ちてきていた。
ちょっとした瓦礫に躓いたりと、皆の表情は段々と正規が失せていく。
階段を降りるとシルフィスが階段の位置を確認し、俺に伝えるのに2秒、転移するのに2秒。
そして階段を降りるのに15秒だ。
11階から10階への階段は30秒掛かったが、何とか2階層へ来た。
しかし、全員の魔力がなくなり、俺も枯渇した。
残り30秒。
これまでは魔力切れによる発動に寄生を掛けていたが解除した。
何とかミリアは動けるまでになっており、最後の力を振り絞り転移した。
1階へ続く階建に足を踏み入れると、のその途端にくらくらして俺は階段を転げ落ちていった。
「くう。俺を置いて行くんだ!」
俺は痛みに耐えながら何とかその一言を言うと、魔力切れによりブラックアウトしたのだった。
上りは問題なかったが、階段の下りに潜む危険性を認識していなかった。
普段膝に負担の掛かる階段を降る事は大してしていない。
少なくとも短時間で高層ビルの上層階から下層階へ階段を使って移動するような事はまずない。
遺跡や神社仏閣の一部が山の中にあり、かなりの段数の階段を登らないといけない場所にあり、それらの上り下りはかなりの時間を掛けて行い、疲れたら休むだろう。
しかし、ボス部屋の階段は50段にもなる。
他の階層は15段だった。
駆け足で降るので膝への負担が半端なかった。
途中から階層を早駆けし、階層を降りる速度をかなり落としたが、それまでの疲労蓄積は確実に体力を奪い、膝にダメージが来ていた。
階段を降りると回復魔法を掛けるも、ある程度の膝の痛みを取る程度で、体力を補うものではない。
種族の違いから1番体重のあるミリアが15階層に降りた時に膝を付いた。
「済みません。どうやら私はこれまでのようです。私はこれ以上進めそうにありません。捨て置いてください」
「諦めるな!俺は誰も死なせない!ここからはテレポートを使う!魔力は全部俺に集めて欲しい。ミリアは俺におぶされろ!」
「いけません!それではアロンも倒れてしまいます」
「却下だ!」
俺はお姫様抱っこでミリアを抱き上げた。
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「時間がない。文句は後で聞いてやるから恥ずかしがらず大人しくしていろ!行くぞ!」
貯金は300秒ほどしかない。
体力の低下で進む速度が落ちてきており、遂にテレポートの出番が来た。
残存魔力は分けて貰えれば何とかなる?感じだ。
俺はそう言うと皆が俺に触れているのを確認してからテレポートを発動した。
現状、フロアを走っても間に合わなくなってきている。
45秒/階層で進まないと間に合わない。
疲れから110秒/階層にまでペースが落ちてきていた。
ちょっとした瓦礫に躓いたりと、皆の表情は段々と正規が失せていく。
階段を降りるとシルフィスが階段の位置を確認し、俺に伝えるのに2秒、転移するのに2秒。
そして階段を降りるのに15秒だ。
11階から10階への階段は30秒掛かったが、何とか2階層へ来た。
しかし、全員の魔力がなくなり、俺も枯渇した。
残り30秒。
これまでは魔力切れによる発動に寄生を掛けていたが解除した。
何とかミリアは動けるまでになっており、最後の力を振り絞り転移した。
1階へ続く階建に足を踏み入れると、のその途端にくらくらして俺は階段を転げ落ちていった。
「くう。俺を置いて行くんだ!」
俺は痛みに耐えながら何とかその一言を言うと、魔力切れによりブラックアウトしたのだった。
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