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第104話 瀕死の重傷
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「おらあぁぁぁ!行くぞおぉ!」
普段の俺はこのようにオラオラで行く事はないのだが、小さくなったのを誤魔化すかのように気を大きくして誤魔化した。
つまりイキっていた。
ボス部屋の中に入ると即時に視界にボスがいない事を確認し、からテレポートを発動し、中央やや右に転移した。
入口付近にボスの気配がするので作戦通りに振り向くと・・・
「ギィヤアアアアアー!」
俺は苦痛に叫んだ。
肌が焼け、肉が焦げる悪臭が漂う。
目を開けていたが、一瞬辺りが真っ赤になったが、俺の左眼球が破裂した。
咄嗟に右眼は手で覆い庇ったが、その手も焼けただれた。
そう、ドラゴンが扉の上方の壁際にへばりついており、扉を開けた段階で見えなかったのだ。
こちらの行動を見透かされたようで、転移した場所周辺にブレスを吐いてきており、俺はまんまとやられた。
読まれたのだ。
「主殿ぉぉおぉ!」
イリーヌが叫ぶが俺は手で制し、フラガラッハを投げた。
「使え!後は頼んだ!」
30階層のドロップアイテムにあった剣を無事な方の手で握り締め、転移した。
目の前に転移したが、腕を振るわれ、振るった腕が俺の左腕をもぎ取った。
最後の力を振り絞り俺は剣に魔力を纏わせ、ドラゴンの左目に突き刺した。
「ざまあみろ!一矢報いてやったぞ!」
そう言ったつもりだが、実際は顔面は焼けただれ、ゴモゴモするだけだった。
剣を突き刺すも、もう一度薙ぎ払われ下半身が千切れる。
さようなら息子よ!
咄嗟に回復魔法で血を止める。
内蔵もかなり持っていかれたので死ぬのは時間の問題だろう。
だが、カレンがアルマゲドンを発動する時間を稼ぐ事が出来ればよい。
不思議と痛みはない。
アドレナリンがドバドバ出ているからだろう。
ドラゴンは俺を掴むとゴミクズのように投げ飛ばした。
なす術もなく投げ飛ばされていく。
グシャリ!と俺の体は壁に叩きつけられ、肺の空気が一気に抜ける。
残った側の目も掴まれた時に見えなくなった。
ミリアとイリーヌの怒声が響き、シルフィスがカレンだけは何が何でも守りなさい!と叫んでいた。
どれ位の時間が経っただろうか?
辛うじて命がまだあるのだが、必死にスキルで回復を図る。
回復系のポーションを取り出そうとするも、両腕が無い。
右腕も先程掴まれ、投げられた時にもげたようだ。
ストレージから出せない。
出せても飲めないから同じ事だ。
ゴヒュー、ゴヒュー・・・
片肺も潰れておりまともに息が出来ない。
多くの冒険者はこのようにして死んでいっているのだろうか・・・
走馬灯が・・・いよいよ駄目だ。
初めて竹刀を握った時の事が思い出される。
顔は分からないが、これは中学の部活か?
初めて装備を身に着け、慣れない面が鬱陶しくあわわわ!としていたが、不思議と竹刀を握った時は【これだ!】と脳内にピコーンと音が鳴った気がした。
先輩と模擬試合をした時も、遊んでやるよ!といった感じだったが、余りにも遅く、動きが読めた。
面を狙うかと思ったら竹刀を持つ手を狙っていると予備動作から分かり、払いつつ突きを入れた。
周りが騒然となった。
2年生の中で1番の腕っぷしだった者を負かしたからだ。
そこから俺の伝説が始まった。
俺は試合で打たれた事がない。
中学の時は初戦に優勝出来なかった。
倒す事に意識が向き、当時の俺は血気盛んだった。
途中からは治ったが、中二病ちっくで血の気が多かった。
鍔迫り合いになると頭突きをして反則となったのだ。
実戦ならありなんだけど、小説やアニメの影響だったかも。
そんな失われた記憶の断片?が頭の中を駆け回っていたが、やがてドドドドドドドドド!との轟音共に発生した爆風に俺は吹き飛ばされ、床を転げる中意識を手放したのであった。
普段の俺はこのようにオラオラで行く事はないのだが、小さくなったのを誤魔化すかのように気を大きくして誤魔化した。
つまりイキっていた。
ボス部屋の中に入ると即時に視界にボスがいない事を確認し、からテレポートを発動し、中央やや右に転移した。
入口付近にボスの気配がするので作戦通りに振り向くと・・・
「ギィヤアアアアアー!」
俺は苦痛に叫んだ。
肌が焼け、肉が焦げる悪臭が漂う。
目を開けていたが、一瞬辺りが真っ赤になったが、俺の左眼球が破裂した。
咄嗟に右眼は手で覆い庇ったが、その手も焼けただれた。
そう、ドラゴンが扉の上方の壁際にへばりついており、扉を開けた段階で見えなかったのだ。
こちらの行動を見透かされたようで、転移した場所周辺にブレスを吐いてきており、俺はまんまとやられた。
読まれたのだ。
「主殿ぉぉおぉ!」
イリーヌが叫ぶが俺は手で制し、フラガラッハを投げた。
「使え!後は頼んだ!」
30階層のドロップアイテムにあった剣を無事な方の手で握り締め、転移した。
目の前に転移したが、腕を振るわれ、振るった腕が俺の左腕をもぎ取った。
最後の力を振り絞り俺は剣に魔力を纏わせ、ドラゴンの左目に突き刺した。
「ざまあみろ!一矢報いてやったぞ!」
そう言ったつもりだが、実際は顔面は焼けただれ、ゴモゴモするだけだった。
剣を突き刺すも、もう一度薙ぎ払われ下半身が千切れる。
さようなら息子よ!
咄嗟に回復魔法で血を止める。
内蔵もかなり持っていかれたので死ぬのは時間の問題だろう。
だが、カレンがアルマゲドンを発動する時間を稼ぐ事が出来ればよい。
不思議と痛みはない。
アドレナリンがドバドバ出ているからだろう。
ドラゴンは俺を掴むとゴミクズのように投げ飛ばした。
なす術もなく投げ飛ばされていく。
グシャリ!と俺の体は壁に叩きつけられ、肺の空気が一気に抜ける。
残った側の目も掴まれた時に見えなくなった。
ミリアとイリーヌの怒声が響き、シルフィスがカレンだけは何が何でも守りなさい!と叫んでいた。
どれ位の時間が経っただろうか?
辛うじて命がまだあるのだが、必死にスキルで回復を図る。
回復系のポーションを取り出そうとするも、両腕が無い。
右腕も先程掴まれ、投げられた時にもげたようだ。
ストレージから出せない。
出せても飲めないから同じ事だ。
ゴヒュー、ゴヒュー・・・
片肺も潰れておりまともに息が出来ない。
多くの冒険者はこのようにして死んでいっているのだろうか・・・
走馬灯が・・・いよいよ駄目だ。
初めて竹刀を握った時の事が思い出される。
顔は分からないが、これは中学の部活か?
初めて装備を身に着け、慣れない面が鬱陶しくあわわわ!としていたが、不思議と竹刀を握った時は【これだ!】と脳内にピコーンと音が鳴った気がした。
先輩と模擬試合をした時も、遊んでやるよ!といった感じだったが、余りにも遅く、動きが読めた。
面を狙うかと思ったら竹刀を持つ手を狙っていると予備動作から分かり、払いつつ突きを入れた。
周りが騒然となった。
2年生の中で1番の腕っぷしだった者を負かしたからだ。
そこから俺の伝説が始まった。
俺は試合で打たれた事がない。
中学の時は初戦に優勝出来なかった。
倒す事に意識が向き、当時の俺は血気盛んだった。
途中からは治ったが、中二病ちっくで血の気が多かった。
鍔迫り合いになると頭突きをして反則となったのだ。
実戦ならありなんだけど、小説やアニメの影響だったかも。
そんな失われた記憶の断片?が頭の中を駆け回っていたが、やがてドドドドドドドドド!との轟音共に発生した爆風に俺は吹き飛ばされ、床を転げる中意識を手放したのであった。
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