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第103話 肩を掴まれてしまった
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ボスを倒した後、皆を見るが全員無事だったので無言でドロップの回収をする。
トレジャーボックスの中から魔石等を取り出すと、最早ルーチンだと言わんばかりにトルネアがトレジャーボックスを鎚で破壊していった。
破片が集まり、凝縮されるとドロップに変わるのだが、そのドロップである魔石を回収すると直ぐにボス部屋を出て、31階層へと向かった。
俺は駆け出そうとしたが、ミリアに肩を掴まれ止められた。
そして俺の目の前に周り腕を組み仁王立したイリーヌに怒られた。
「主殿、私の指示を待たずに何をするつもりなのだ?主殿は中衛をお願いしたいだ」
お願いしたいと言えば拒否権があるように思えなくもないが、イリーヌから漫画なら背後にゴゴゴゴ!と効果音を描かれるようなオーラが出ており、ごめんなさいとしか言えなかった。
前日女性陣が隊列について話していたのが聞こえていたが、聞こえなかった振りをしたのだ。
先程冷静ではなかった俺に代わり、イリーヌに戦闘指揮を託したのだが、俺はボス戦だけとの想いから戦闘についてと告げたが、イリーヌ達は各階層の移動も戦闘中と解釈していた。
ただ、先程のボス戦はイリーヌの作戦通りだった。
俺のスキルで転移して予想される初撃を躱す。
2陣、3陣と代わる代わる攻撃し、あっさりとエフェクトに沈めていた。
イリーヌが20階層で起こった事から考えて決めていたようだ。
俺は31階層からはイリーヌの指示に渋々従っていたが、ミリアが先頭で、トルネアがサポートとして罠発見と解除をしていたのもあり、一切怪我をする事もなく順調に進んでいた。
肩を掴まれてしまって面と向かって隊列について言われると無死もできなかった。
道中の魔物は大した事はなく、先頭が瞬殺するので俺はドロップの回収係となっていた。
先程まで俺が踏んでいたトラップは普通に歩いていれば見落とすようなトラップではなかったのだが、俺はあっさり踏んでしまっていた。
トラップから発射された槍よりも早く動いたから良かったが、イリーヌは顔を青くして心配していたようだ。
まあ、俺としては格好良く魔物を狩る姿を見て欲しかったが、今では可哀想な子を見る目で、しかも股間を見ている気がしていた。
勿論被害妄想なのだが・・・・
ボス部屋前までは途中に小休止を挟むのみで進んでおり、出発から2時間程しか経過していなかった。
道中の魔物は最古のタワーで俺達が到達している階層で出るのより弱かった。
ボス部屋前というか、39階層の階段スペースでトイレテントを出し、小休止兼トイレ休憩とし、一口だけ水分を補給した。
「では作戦を伝える。アロンは突撃して右斜め前に転移し、反転して頭上に。その後目の前に転移して片目を潰す。体高が低いボスの場合・・・」
ボス戦の初動を伝えられた。
上手く行けば良いが!
打ち合わせの後40階層に登り、イリーヌとミリアがドアを開け、その隙間から俺は作戦通りに突撃するのだった。
トレジャーボックスの中から魔石等を取り出すと、最早ルーチンだと言わんばかりにトルネアがトレジャーボックスを鎚で破壊していった。
破片が集まり、凝縮されるとドロップに変わるのだが、そのドロップである魔石を回収すると直ぐにボス部屋を出て、31階層へと向かった。
俺は駆け出そうとしたが、ミリアに肩を掴まれ止められた。
そして俺の目の前に周り腕を組み仁王立したイリーヌに怒られた。
「主殿、私の指示を待たずに何をするつもりなのだ?主殿は中衛をお願いしたいだ」
お願いしたいと言えば拒否権があるように思えなくもないが、イリーヌから漫画なら背後にゴゴゴゴ!と効果音を描かれるようなオーラが出ており、ごめんなさいとしか言えなかった。
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先程冷静ではなかった俺に代わり、イリーヌに戦闘指揮を託したのだが、俺はボス戦だけとの想いから戦闘についてと告げたが、イリーヌ達は各階層の移動も戦闘中と解釈していた。
ただ、先程のボス戦はイリーヌの作戦通りだった。
俺のスキルで転移して予想される初撃を躱す。
2陣、3陣と代わる代わる攻撃し、あっさりとエフェクトに沈めていた。
イリーヌが20階層で起こった事から考えて決めていたようだ。
俺は31階層からはイリーヌの指示に渋々従っていたが、ミリアが先頭で、トルネアがサポートとして罠発見と解除をしていたのもあり、一切怪我をする事もなく順調に進んでいた。
肩を掴まれてしまって面と向かって隊列について言われると無死もできなかった。
道中の魔物は大した事はなく、先頭が瞬殺するので俺はドロップの回収係となっていた。
先程まで俺が踏んでいたトラップは普通に歩いていれば見落とすようなトラップではなかったのだが、俺はあっさり踏んでしまっていた。
トラップから発射された槍よりも早く動いたから良かったが、イリーヌは顔を青くして心配していたようだ。
まあ、俺としては格好良く魔物を狩る姿を見て欲しかったが、今では可哀想な子を見る目で、しかも股間を見ている気がしていた。
勿論被害妄想なのだが・・・・
ボス部屋前までは途中に小休止を挟むのみで進んでおり、出発から2時間程しか経過していなかった。
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ボス戦の初動を伝えられた。
上手く行けば良いが!
打ち合わせの後40階層に登り、イリーヌとミリアがドアを開け、その隙間から俺は作戦通りに突撃するのだった。
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