ザ・タワー 〜俺にしかできない魔石を鑑定する能力!魔石を使っての魔法&スキル付与!この力で最強を目指す〜

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第93話 イリーヌvsゴブリンキング

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 俺達は邪魔にならないように外周部に移動した。

 イリーヌの邪魔にならないようにと各々の判断だった。
 正直時間が惜しいから皆で一気にやりたかったが、イリーヌが自らの殻を破る事の方が大きい。

 盾を左手に持ち、フラガラッハを片手で軽々と振る。
 女の方が筋力が有るのは男として微妙なところではあるが、基本的に俺はフラガラッハを両手で持つ。

 片手盾剣のスタイルを取る事もあるが、イリーヌがそうなので被らないようにしているのと、筋力の差だ。
 俺には厳しかった。
 今はパラメーターがかなり上がり、余裕なのだが竹刀は両手で握るので、その影響が大きいと思う。

 対してゴブリンキングはバスタードソードを振り回し、身長は俺より10cm程高い。
 通常のゴブリンの倍はある感じだ。

 威圧感が半端ない。
 ドラゴンとか、ヘルハウンド等とはまた違う存在感だ。

 イリーヌは最初1撃を受けると言っていたから、初撃はノーカンにした。

 袈裟斬りを盾で受けたが、吹き飛ばされ壁に激突・・・しなかった。
 後ろに目がついているんかい!と言いたくなる感じに壁に足の裏が当たった瞬間、屈伸で衝撃を吸収して蹴り出して真っ直ぐにキングに飛んでいった。 
 ただ、盾は半分に割れてしまいその場に捨て置いた。
 俺はイリーヌの予備の盾を中央付近に投げておいた。

「ハアアアアア!」

 イリーヌは気合と共に両手で構えたフラガラッハを1振りし、胴に切り傷を負わせた。

「グオオオオオオオオオ!」

 キングが怒りから剣を振るが、もうそこにイリーヌはいない。
 反対側の壁を蹴り、盾を拾う。
 床を回転しながら拾い、立ち上がると盾を構えていた。

 格好良い!
 惚れそうだ!いや、惚れたから妻にしたんだった。

 力がどれ位なのか分かり、本来のスタイルに切り替えたようだ。
 盾で剣をまともに受けるとではなく、掠らせて斜めに逃がす形にし、バランスを崩した所に剣を突く。

 時に宙返りしたり、魔法陣を足場にトントントンとジャンプしてその機動性で翻弄して行く。

 蝶のように舞い、蜂のように刺すとはまさにイリーヌの為にあると言いたくなる。

 皆見惚れていた。
 騎士の戦い方なのか、時折盾で顔を殴る。

 イリーヌは一撃も食らわなかった。
 髪の毛が数本切られた位で、血を出していない。

 そして最後の時を迎えた。

「行くぞ!これで終わりだ!ハアアアアアアア!」

 両者壁際から走り出し、中央で剣を振る。
 しかし、キングの剣は先程までイリーヌの首があった所を振り抜き空振った。

 イリーヌは斜めにジャンプし、振り向きざまに剣を首に突き刺した。
 どうやって空中で振り向いたのか分からないが、それは首から斜めに心臓に向かって刺し貫いた。

 剣を引き抜くと両手でフラガラッハを握り締め思いっきり振り抜き縦に両断した。

 肩で息を切らせていたが、キングは数秒間のエフェクトに消え、魔石とキングが使っていた剣がその場に残ったのだった。


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