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第89話 祝杯
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俺は皆の服を見て気絶し掛かった。
眩しいぞ!
素敵過ぎたというか、何か変だ。
身体にピッタリ過ぎる。
俺は俺の自分の服を作ったり既製品の裾上げなどを行っており、今まで女性陣に構っていられなかった。
皆まるでオーダーされた服を着ているようだ。
ロングスカートのドレスで、胸元が強調されていてセクシーと言うか、魅力が物凄くアップされている。
「主殿、そう見つめられると恥ずかしいぞ。その、変ではないだろうか?」
「イリーヌ駄目よ!物凄く似合っているんだからアロンに自信を持って見て貰わなきゃよ!」
カレンに言われ姿勢を正していたが、商会の人が彼女たちの後ろで口パクをしてたり何やらジェスチャーをしている。
ハッとなり頭をボリボリしながら皆に告げた。
「すごく似合っていて綺麗だよ!くるっと回ってよく見せてよ!」
そうして皆の服を見せ合い、コホンと動く事を促してきたのでカノープスさんの住居へ向かう。
カノープス邸の正面玄関に行く。
ドアの前で皆を見渡し、ドアノッカーに手を伸ばした・・・が掴めなかった。
触れたのだが、扉が開いたのだ。
自動ドアなんてこの世界にはないよな?と思うと、ドアを開けたのは執事さんだった。
俺は結構情けない格好になり、皆がクスクスと笑っていたが、執事さんに軽く礼をした。
「アッテンボロー様、カレン様いらっしゃいませ」
もう違うのだが、俺とカレン以外が奴隷であるのをこの執事さんには見られている。
イリーヌがいるとは言え、奴隷は奴隷の主人の持ち物であり、奴隷に対して挨拶をしないのが普通だ。
挨拶をするのは奴隷以外に対してだ。
「カノープスさんからディナーへお招き頂きましたのでお伺いしました」
「はい。聞いております。7名でございますね。お嬢様達もこちらへどうぞ」
「はい。私をはじめ計7名です。宜しくお願いします」
案内され食堂に入るとカノープスさん、奥方、子供達が待ち構えていた。
「アッテンボロー様いらっしゃいませ。カレンさん、イリーヌもいらっしゃいな」
「イリーヌお姉さまいらっしゃいませ!」
子供達がイリーヌに駆け寄る。
「アッテンボローさん、イリーヌをはじめ6人と結婚したと聞きました。皆さんおめでとうございます!囁かですが、お祝いの席を設けましたので、お楽しみください」
「あら。間に合ったのね。早速着てくれて嬉しいわ!若いって良いわね!やっぱり似合っているわ」
「奥様、奥様も十分若いと思いますが、その、間に合ったとは?」
「主殿、先日奥方様が我々が近いうちにアロンと結婚すると伝えたら、今後ドレスが入用になるからとお祝いとしてドレスを作ってくれたのだ」
「そ、そんな事をして頂いていただなんて。何て感謝を述べたら良いのか」
「アッテンボロー様、貴方がいなければ私は未亡人になりこの子達とお腹の子は父親を亡くしていたのですよ。貴方から頂いた事に比べ私ができる事なんてお礼にもなりませんわ」
俺は目頭を熱くした。
そっとルシアスが拭いてくれる。
「さあ、料理が冷めますから食べましょう」
短い時間であったが、見た事のないような豪華な食事が並んでいた。
「・・・アッテンボローさんとその妻の結婚を祝い、カンパ~イ!」
正直カノープスさんの挨拶は覚えていない。
複数の妻を持つと夫の名前しか呼ばれないようだ。
俺はカノープスさんの隣で子供達にせがまれ色々な話をしていた。
奥方様はイリーヌをはじめ、女性陣に俺の方をチラチラと見ながら何やら話している。
「アッテンボローさん、彼女達と上手くやる秘訣は、ああやって女性陣が話をしている内容は気にもせず、聞かない事です。後から俺の事を何か話していたが何だった?等と聞いては駄目ですからな」
その日は俺は1人で客間に、イリーヌは奥方と、他は何処かの部屋に泊まり、眠くなるまでカノープスさんと語り合ったのだった。
眩しいぞ!
素敵過ぎたというか、何か変だ。
身体にピッタリ過ぎる。
俺は俺の自分の服を作ったり既製品の裾上げなどを行っており、今まで女性陣に構っていられなかった。
皆まるでオーダーされた服を着ているようだ。
ロングスカートのドレスで、胸元が強調されていてセクシーと言うか、魅力が物凄くアップされている。
「主殿、そう見つめられると恥ずかしいぞ。その、変ではないだろうか?」
「イリーヌ駄目よ!物凄く似合っているんだからアロンに自信を持って見て貰わなきゃよ!」
カレンに言われ姿勢を正していたが、商会の人が彼女たちの後ろで口パクをしてたり何やらジェスチャーをしている。
ハッとなり頭をボリボリしながら皆に告げた。
「すごく似合っていて綺麗だよ!くるっと回ってよく見せてよ!」
そうして皆の服を見せ合い、コホンと動く事を促してきたのでカノープスさんの住居へ向かう。
カノープス邸の正面玄関に行く。
ドアの前で皆を見渡し、ドアノッカーに手を伸ばした・・・が掴めなかった。
触れたのだが、扉が開いたのだ。
自動ドアなんてこの世界にはないよな?と思うと、ドアを開けたのは執事さんだった。
俺は結構情けない格好になり、皆がクスクスと笑っていたが、執事さんに軽く礼をした。
「アッテンボロー様、カレン様いらっしゃいませ」
もう違うのだが、俺とカレン以外が奴隷であるのをこの執事さんには見られている。
イリーヌがいるとは言え、奴隷は奴隷の主人の持ち物であり、奴隷に対して挨拶をしないのが普通だ。
挨拶をするのは奴隷以外に対してだ。
「カノープスさんからディナーへお招き頂きましたのでお伺いしました」
「はい。聞いております。7名でございますね。お嬢様達もこちらへどうぞ」
「はい。私をはじめ計7名です。宜しくお願いします」
案内され食堂に入るとカノープスさん、奥方、子供達が待ち構えていた。
「アッテンボロー様いらっしゃいませ。カレンさん、イリーヌもいらっしゃいな」
「イリーヌお姉さまいらっしゃいませ!」
子供達がイリーヌに駆け寄る。
「アッテンボローさん、イリーヌをはじめ6人と結婚したと聞きました。皆さんおめでとうございます!囁かですが、お祝いの席を設けましたので、お楽しみください」
「あら。間に合ったのね。早速着てくれて嬉しいわ!若いって良いわね!やっぱり似合っているわ」
「奥様、奥様も十分若いと思いますが、その、間に合ったとは?」
「主殿、先日奥方様が我々が近いうちにアロンと結婚すると伝えたら、今後ドレスが入用になるからとお祝いとしてドレスを作ってくれたのだ」
「そ、そんな事をして頂いていただなんて。何て感謝を述べたら良いのか」
「アッテンボロー様、貴方がいなければ私は未亡人になりこの子達とお腹の子は父親を亡くしていたのですよ。貴方から頂いた事に比べ私ができる事なんてお礼にもなりませんわ」
俺は目頭を熱くした。
そっとルシアスが拭いてくれる。
「さあ、料理が冷めますから食べましょう」
短い時間であったが、見た事のないような豪華な食事が並んでいた。
「・・・アッテンボローさんとその妻の結婚を祝い、カンパ~イ!」
正直カノープスさんの挨拶は覚えていない。
複数の妻を持つと夫の名前しか呼ばれないようだ。
俺はカノープスさんの隣で子供達にせがまれ色々な話をしていた。
奥方様はイリーヌをはじめ、女性陣に俺の方をチラチラと見ながら何やら話している。
「アッテンボローさん、彼女達と上手くやる秘訣は、ああやって女性陣が話をしている内容は気にもせず、聞かない事です。後から俺の事を何か話していたが何だった?等と聞いては駄目ですからな」
その日は俺は1人で客間に、イリーヌは奥方と、他は何処かの部屋に泊まり、眠くなるまでカノープスさんと語り合ったのだった。
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