ザ・タワー 〜俺にしかできない魔石を鑑定する能力！魔石を使っての魔法＆スキル付与！この力で最強を目指す〜

第87話 結婚

　俺は神殿で何をするのかドキドキしていたが、神官の指示でコンディションカードを渡した。
　書類はカレンが神官に渡していた。

　何かの魔導具に俺とカレンのコンディションカードをセットしていたが、神官は取り出したカードを俺に渡して来た。
　一般人の婚姻は味気ないよと言われていたが、それでも拍子抜けする感じで、役所に婚姻届を出して戸籍を変更する程度と事務的だった。

　王族貴族はまた別らしいが。

「おめでとうございます。これでお２人は夫婦です」

　俺はカレンの手を握った。

「この世界を生き抜いて幸せになろうな」

「うん。これからもお願いね！あとカードはまだ使うから貸してね」

　カレンからまだ手続きがあるからと俺に神殿の中を見物するように言われた。

　よく分からないが、女の神官が意味ありげにジト目をするので従った。女だけが受ける説明とかあるのかな？

　カレンは皆からコンディションカードを受け取り、机に並べると神官に告げた。

　イリーヌ、シルフィス、トルネア、ミリア、ルシアスの順に並べていた。

「全員をアッテンボローの妻にしてください。見ての通り全員同意しており、最後がルシアスです」

　神官が一人ずつ顔を見ると頷いたので手続をした。

　俺は知らなかったが、１番新しい妻が１人だけ新たな妻を選ぶ事が出来る。

　男に出来るのは１人目の妻を選ぶだけで、妻は１人だけだが新たな妻を夫に娶らせる事が可能だ。
　因みに夫に拒否権はない。
　最後の妻がこれ以上娶らせないとなれば打ち止めだが、際限のない場合がある。

　市井の民は経済力から、女の嫉妬からも新たな妻を認めない。

　俺は１０分ほどぶらぶらして戻ると神官が意味あり気に俺を見てから引き上げた。

　皆が俺に寄ってきた。

「アロン、これからも宜しくお願いします！」

　全員が一斉に言ってきた。

「改まって、ど、どうしたんだ？」

　カレンがコンディションカードを渡して来たので、妻の名があるか確かめたら絶句した。
　皆の名があるからだ。

　俺が固まっているとイリーヌが話してくれた。

「アロンは私達の命と心を救ってくれた。これからは人として、仲間として、そして妻として我々が支えようぞ！」

　更にパクパクしていると妻を娶る仕組みを教えられ、諦めるしかなかった。

　その後お祝いをしようか？と言うも、それらは家を買った時にしたいと皆が言うので予定通りタワーに繰り出す。

　俺は２１階層からは積極的に戦闘に加わる。
　一旦フラガラッハをルシアスに貸して市販の剣で戦う。

　中層階に入り後衛職も近接戦闘が可能なように戦闘経験を積む事にした。

　俺は皆からのプレゼントと言うか、付き合うのを飛び越え、６人と結婚してしまったのもあり浮かれていておりゃあああ！とかくらえええ！とか唸りながら格好をつけていた。

　幸い特に何もなかったけど、タワーを出るとシルフィスから浮かれ過ぎで心配だと言われたのもあり、漸く割れに返った。

　今日は２２階層を抜けた所で切り上げ、カノープスさんに結婚の報告をしに行く事になったのだった。