ザ・タワー 〜俺にしかできない魔石を鑑定する能力！魔石を使っての魔法＆スキル付与！この力で最強を目指す〜

第85話 閑話・大人の階段を登り損なった

　その日の夜、俺はカレンに呼ばれ別の部屋に行った。

「先程のお願いを聞いて欲しいので、一緒に来てください」

　そうしてカレンの後ろについていく。

　するとある部屋の前で鍵を開けて中に入る。

　俺の心臓はドキドキしっぱなした。
　ひょっとしたら大人の階段を登るの？
　カレンが俺の初めての相手になるの？

「あ、アロン、その、寝言で１人になりたいって言っていたから、今日は部屋を取ったの。フェロモンが・・・って言っていたから、女の子ばかりだと居辛いのかなって」

「俺そんな事言っていたんだ。俺は良いけど、そうだよな。男が１人いると皆伸び伸びできないよな」

　危ない危ない。勘違いするところだった。
　カレンからのオッケーサインかと思ったら、俺の寝言だとして傷付かないようにしてくれているけど、ガールズトークが出来無いし、着替えも俺がいつ部屋に戻るか分からないからゆっくり出来ないもんな。

「あっ！直ぐに戻ってくるから、一旦皆の所に行くだけだから待っていて！」

　慌てて部屋を出ていった。

　何か変な気分だ。
　部屋に１人なんて、皆の風呂上がりを待つ時位しか無かったな。
　俺のいびきがうるさかったのかな？
　それとも寝ている時につい胸を揉んだ事がバレたのかな？

　それともこの前夢○したのがバレた？

　そんな事を思っていたらカレンが戻って来た。

　彼女は眩しかった。
　風呂上がりなのもあり頬が赤く色っぽい。

　部屋に入ると飲み物を２つテーブルに置いて、羽織っていたコートを脱いだ。
　すると中々セクシーなネグリジェ姿のカレンがいた。

「ひょっとして酔っている？」

　持ってきたのはお酒だ。

「これ、飲みやすいんでっすって。一緒に飲みましょう？」

　俺にお酒を渡し、カレンもお酒と思ったらジュースだった。
　俺は酒の勢いもあり、飲み物を飲み終わった時にカレンにキスをし、胸まで揉んだ。
　軽くだったからか、受け入れてくれた。

　愛していると伝えると泣いて私もと・・・
　ベッドに押し倒し愛し合ったと言いたいが、出来なかった。

　ネグリジェを脱がし、お互い下着のみになった所で視線を感じた。

　カレンも感じたが、俺はコートを羽織りドアの外を見に行くも誰もいない。

　再びイチャイチャして、ベッドインをしていよいよとなったら俺もカレンと頭にハアハアと女の呻きが聞こえた。

「何か聞こえなかったか？」

「やっぱりアロンも？」

　俺はカレンにネグリジェを着せた。
　天井に誰かが潜んでいないか等を確認するも生き物はいないし、魔力の残滓すらない。

「誰かがと言うか、神様？が覗いているよな？」

「多分・・・」

　２人共冷めてしまい、疲れたから寝ようかとなり、抱き合って眠る事にした。

「出来なかったね・・・」

「俺はカレンと愛し合っている所を誰かに見せるつもりはないけど、俺が転移した時の記憶だと、神か何かが監視しているっぽいんだ。見えないようにしないとだね」

「うん。誰かに見られているのって嫌だわ」

　何か手立てがないか、スキルに妨害する手が無いか考えながら２人は眠りに落ちた。

　俺は血の涙を流した・・・