ザ・タワー 〜俺にしかできない魔石を鑑定する能力！魔石を使っての魔法＆スキル付与！この力で最強を目指す〜

第58話 欠損修復とカノープス商会の襲撃

　眼の前でトルネアの脚が生えるのを見たが、やはり不思議な光景だった。
　ニョキニョキと・・・

　脚と手が生え、俺が触ったりして確認する事になった。

　ドワーフはヒューマンとそれほど変わらない。
　背が低いのと、背中にも毛が生えているそうだ。
　トルネアは身長１３０ｃｍほどだ。

　ヒューマンより少し毛深いが、特に気にならない。

　でも足も細く触り心地は良かった。
　女性の手脚を触り放題とはムフフな状態なのだが、決して堪能しているとは悟られてはならない。

　トルネアはミネアとシルフィスと違い、泣いたり抱きついたりはなかったが、ひたすらカレンに謝辞を述べていた。

　そしてイリーヌの腕が再生されて一段落だが、そうではない。
　４つの果実を実らさねばならない。
　俺の魔力をカレンに渡し、少し散歩に出ると告げた。

　部屋で背中を向けている間にやって貰う事も考えたが、流石に想像してしまうのと、振り向いて見たくなる誘惑に抗えそうにないので外に出る事にし、紳士に思われようと思ったんだ。
　惚れて来た相手なら良いよね？
　カレン以外は奴隷だし、例え奴隷から解放出来たとしても、俺から好きだとか言っても結局主人だった立場、恩を着せている関係から俺が上の立場となり、返しきれない恩を返すのに表面上は受け入れざるを得ないだろう。

　それでは駄目だ。
　周りを見ると、複数の女が俺の女だ！的な奴がチラホラ見られるからハーレムはありなのかな。
　それとも干されるのか？

　イリーヌとルシアスはあまりにも体の関係を迫ってくるから、彼女にするとして、お互いの内面を見よう！普通は付き合いだして直ぐに肌を重ねないだろ？と逃げたけど、まあルシアスは分かる。
　俺を殺そうとした奴の奴隷として、それに加担した事の引け目から体で詫びたいと言う事だ。

　イリーヌも俺が身請けしなかったらどこぞの変態の慰み物にされるところだったし、盗賊から襲撃された時に死ぬか慰み物にされたかのどちらかであり、命と尊厳を守った者として英雄視しているだけだ。

　そんな彼女達とやってしまうのはフェアじゃない。

　カレンは餌付けしてしまったようで、何故か他の女の子を抱こうが（ハグ）、魔力譲渡で唇を重ねても何も言ってこないどころか羨ましそうにし、そっと背を向けさえする。

　モテ期到来か？

　それよりもシルフィスが気になる。
　やはり俺に取り入り再販されないようにしているとしか思えない。

　流石ハイエルフ。
　触り心地は良かった。
　物凄く良かった。
　あり得ない位に良かった。、
　顔が治らなかったのは残念だ。
　だが、物凄い美女なのは間違いない。
　彼女が本気で惚れてくれないかな。

　等とアホな事を考えながら歩いていたら、カノープス商会の本店が見える所に来ていた。

　ふと思い入り口を見ると、柄の悪そうな奴らが入っていくのが見えた。

　すると店内で怒声と罵声、争いの音が聞こえ俺は慌てて店の中へと突入した。

　すると３人のゴロツキが店の中で暴れまくり、服が並べられた棚を倒したり剣で叩き斬っていた。

「お前達何をしている！」

　俺はざっとコイツラを【見た】が、赤色が１人と灰色が２人だ。
　冒険者風の身なりだが、如何にもといった盗賊のような面が見えだ。

「何だてめえ！ここの関係者か？ああん？違うなら痛い目に遭う前に失せやがれ！」

「お前レベル７６の赤文字だな。捕まえて騎士団に突き出してやる！」

「てめえ！誰の差し金だ！」

　俺は血を流して倒れている店員をちらりと見たが、胸が上下している事を確認してフラガラッハを出した。

「てめえ今どこからそれを出しやがった？」

「ダッシュ」

　俺はスキルを使い一気に勝負を決めに行く。
　ダッシュと口にしたのは、これからダッシュを使い、接近するぞとわざと伝える為だ。
　ダッシュは持っている奴が多いと判断するも、テレポートはないだろうと。
　
　別にスキルを発動するのにスキル名を発する必要はない。

　ただ、口にしないと発動できない者が多いのだとイリーヌから教えて貰っていた。

　取得してから実戦で使うのは初めてだが、何度か練習や検証をしており、出来るはずだと確信していた。

　ダッシュで１歩踏み出した次の瞬間、１０ｍほどあった距離が１．５mになり、フラガラッハの剣先がそいつの胸元にあり、深々と突き刺さった。

　ぐはっ！

　そう唸るも俺は一旦フラガラッハを消して直ぐに出した。
　するとそいつの体はピクピクしながら力なく崩れ落ちた。

「次！」

　そいつの横にいた奴は俺に対してナイフを構えた。

「きさまぁぁ！」

　俺より握りこぶし１つ小さいが、細身で敏捷力に優れた軽業師的な奴だ。

　こいつはレベル３６
　最初に潰したのが３人の中で１番レベルが高い奴だ。
　こいつはテレポートで側面に周り込み、フラガラッハの腹で殴り気絶させた。


「き、貴様動くな！動いたらこの女を殺す！武器を捨てろ！」

　レベル５２で盗賊には見えないが、ファイター系の冒険者といった感じの奴が人質を取った。

　俺はフラガラッハを床に落とし、手を上げた。
　ニンマリした瞬間、ストレージにある別の剣を握りテレポートでそいつの目の前に現れその首を刎ねた。

　血が吹き出すので布を出して首に当てた。
　それは人質にされていた店員さんに血飛沫が飛び散るのを最小限にする為だった。