33 / 147
第33話 死亡者の報告
しおりを挟む
俺はボス部屋に落ちている物を全て拾っていたが、コンディションカードはルシアスが拾っていてくれており、まとめて渡された。
タワーを出るとさあこれからどうしましょう?になるのだが、ルシアスがギルドへ真っ直ぐに向かうので、俺は後をついていく。
ルシアスは当たり前のように堂々と進む。
時折俺がついてきているか気にしてはいるが、迷う事なく進んでいる。
・
・
・
まだ早い時間なのでギルドの受付は空いており、ルシアスが空いている受付を見ると迷わずに向かった。
俺を待たずに話し始めると2人して俺を見ている。
俺は周りの様子を見ていてゆっくり進んでいたが、ルシアスの顔は遅いと文句を言っているように見えなくもない。
「ごめんなさい。コンディションカードを!」
良く分からないが、受付のお姉さんにコンディションカードを見せなければならないらしい。
俺はコンディションカードを取り出すとカウンターに置いたが、受付のお姉さんは困った顔をした。
「あ、あのう、亡くなった方のカードがほしいのですが・・・」
俺は真っ赤になりながら死んだ奴のカードを出したが、ルシアスの事でテンパっていて見ていなかった。
「そ、そんな。この人達C級なのに・・・」
「どう言う事ですか?」
「平均レベル60程で、恐らく25から40階層と中層をメインにしているはずなの。多分準備運動位の感覚で50階層辺りのボスが出たのだと思います」
出したカードは3人だ。
「3人のカードだけでしたか?」
「落ちていた装備も3人分だったな」
「はい。私も3人分だったと思います。それにボス部屋を出る時にはもう何も落ちていないのを私も確認しています」
「ごめんなさい。念の為2人のコンディションカードを見せてください」
俺達のカードは黒文字だ。
「荷物はどうすれば良いんだ?」
「タワーのルールは至って単純です。ボス部屋等で魔物に殺された人の装備は最初に発見した方に所有権があります。使われるもよし、売るもよしですわ。報告ありがとうございました」
受付のお姉さんからタワー内で死亡した者について報告事してくれた事に対してお礼を言われ、ギルドを後にした。
そして道の脇に行くとルシアスは申し訳無さそうにした。
「アロン様、アロン様に確認せずにギルドに報告しまして申し訳ありませんでした」
「いや、必要な事なんだろ?俺は色々な事を知らないからさ、逆に俺がお礼をするところだろ?」
「そう言って頂けると有難いです。前に1度今回と同じように死亡者の荷物を見付けたのですが、ゾーイ達は荷物を漁るだけでカードは放置していました。私が拾うのも禁じられました。犯罪ではありませんが、せめて知っている人がその人の死を知る機会を消したくはないのです」
俺はルシアスの頭を撫でるとルシアスは満面の笑みを浮かべた。
「少し早いがイリーヌを迎えに行くか?」
「そうですわね。入れ違いにならなければ良いのですが」
「まあ、その時はその時で良いんじゃないの?待っている間にやりたい事もあるしさ」
「あのう、その、腕を組んでも宜しいですか?」
思い出した。死んだと思って色々言ったのだと。
確か彼女にするとかしないとか?
「ああ。ほら!腕位、一々聞かなくても良いよ」
余裕のよっちゃんだ?を演出する。
「し、失礼します」
あれっ?
グイグイ来ないな?
軽く腕を絡ますだけで、俺の期待した胸を押し当てるのではない。
ちょっと残念だけど、知り合ったばかりの距離感としては良い感じかな?逆にグイグイ来なくて好感度が高いかな。
でももう胸見ちゃったし触っちゃった。
でも真面目な行為だから、男女のそれではないんだよな。
でも意識してしまう。
美少女といや、美女と腕を組んで歩くのって何か優越感があるな。
なんであんな奴が美人と?と羨ましいなと思うような視線を感じるぜ!
取り敢えず何か話をしないと・・・
あかん!話題がない・・・でもさっきの事を聞くか。
「体は大丈夫?さっき胸を斬られたけど」
「はい。もうすっかり元通りですわ。これでも回復担当ですのよ。必死に私を救おうとしてくれて嬉しかったです」
「ごめん。勘違いして装備を壊しながら服を剥ぎ取ったから、まだ血で汚れているよな。先に宿に帰って風呂に入るかい?」
「それでしたら綺麗に拭いて頂きましたので、替えの服を買いに行きたいですわ」
「気持ち悪くなければ良いんだ。じゃあ俺はタワーへイリーヌを迎えに行くから、ルシアスは服を買ってからタワーに来て。もし入口近くにいなかったら宿に戻っていてね」
俺はそっとお金を渡す。
「お金は余裕があるから、少し余分に買っても良いし、使い切っても良いから好きなのを買うんだよ」
「ありがとうございます」
ルシアスは残念そうな顔をしながら俺と別れて買い物に行った。
女の買い物は長いし、肌着とか買うのはどうせ俺は店に入れないから別行動にしたんだよな。
それに俺に遠慮せずに買い物ができれば欲しい物を買えるだろう。
もう少しお金が欲しかったのかな?
勿論ルシアスはアロンと腕を組んでの買い物をしたかったのだが、アロンはそんな乙女心を分からないのだ。
奴隷の主人ではなく、1人の男として接しようとしているルシアスの心を理解していなかった。
それが分かりルシアスはため息をついていた。
鈍感!と・・・・
タワーを出るとさあこれからどうしましょう?になるのだが、ルシアスがギルドへ真っ直ぐに向かうので、俺は後をついていく。
ルシアスは当たり前のように堂々と進む。
時折俺がついてきているか気にしてはいるが、迷う事なく進んでいる。
・
・
・
まだ早い時間なのでギルドの受付は空いており、ルシアスが空いている受付を見ると迷わずに向かった。
俺を待たずに話し始めると2人して俺を見ている。
俺は周りの様子を見ていてゆっくり進んでいたが、ルシアスの顔は遅いと文句を言っているように見えなくもない。
「ごめんなさい。コンディションカードを!」
良く分からないが、受付のお姉さんにコンディションカードを見せなければならないらしい。
俺はコンディションカードを取り出すとカウンターに置いたが、受付のお姉さんは困った顔をした。
「あ、あのう、亡くなった方のカードがほしいのですが・・・」
俺は真っ赤になりながら死んだ奴のカードを出したが、ルシアスの事でテンパっていて見ていなかった。
「そ、そんな。この人達C級なのに・・・」
「どう言う事ですか?」
「平均レベル60程で、恐らく25から40階層と中層をメインにしているはずなの。多分準備運動位の感覚で50階層辺りのボスが出たのだと思います」
出したカードは3人だ。
「3人のカードだけでしたか?」
「落ちていた装備も3人分だったな」
「はい。私も3人分だったと思います。それにボス部屋を出る時にはもう何も落ちていないのを私も確認しています」
「ごめんなさい。念の為2人のコンディションカードを見せてください」
俺達のカードは黒文字だ。
「荷物はどうすれば良いんだ?」
「タワーのルールは至って単純です。ボス部屋等で魔物に殺された人の装備は最初に発見した方に所有権があります。使われるもよし、売るもよしですわ。報告ありがとうございました」
受付のお姉さんからタワー内で死亡した者について報告事してくれた事に対してお礼を言われ、ギルドを後にした。
そして道の脇に行くとルシアスは申し訳無さそうにした。
「アロン様、アロン様に確認せずにギルドに報告しまして申し訳ありませんでした」
「いや、必要な事なんだろ?俺は色々な事を知らないからさ、逆に俺がお礼をするところだろ?」
「そう言って頂けると有難いです。前に1度今回と同じように死亡者の荷物を見付けたのですが、ゾーイ達は荷物を漁るだけでカードは放置していました。私が拾うのも禁じられました。犯罪ではありませんが、せめて知っている人がその人の死を知る機会を消したくはないのです」
俺はルシアスの頭を撫でるとルシアスは満面の笑みを浮かべた。
「少し早いがイリーヌを迎えに行くか?」
「そうですわね。入れ違いにならなければ良いのですが」
「まあ、その時はその時で良いんじゃないの?待っている間にやりたい事もあるしさ」
「あのう、その、腕を組んでも宜しいですか?」
思い出した。死んだと思って色々言ったのだと。
確か彼女にするとかしないとか?
「ああ。ほら!腕位、一々聞かなくても良いよ」
余裕のよっちゃんだ?を演出する。
「し、失礼します」
あれっ?
グイグイ来ないな?
軽く腕を絡ますだけで、俺の期待した胸を押し当てるのではない。
ちょっと残念だけど、知り合ったばかりの距離感としては良い感じかな?逆にグイグイ来なくて好感度が高いかな。
でももう胸見ちゃったし触っちゃった。
でも真面目な行為だから、男女のそれではないんだよな。
でも意識してしまう。
美少女といや、美女と腕を組んで歩くのって何か優越感があるな。
なんであんな奴が美人と?と羨ましいなと思うような視線を感じるぜ!
取り敢えず何か話をしないと・・・
あかん!話題がない・・・でもさっきの事を聞くか。
「体は大丈夫?さっき胸を斬られたけど」
「はい。もうすっかり元通りですわ。これでも回復担当ですのよ。必死に私を救おうとしてくれて嬉しかったです」
「ごめん。勘違いして装備を壊しながら服を剥ぎ取ったから、まだ血で汚れているよな。先に宿に帰って風呂に入るかい?」
「それでしたら綺麗に拭いて頂きましたので、替えの服を買いに行きたいですわ」
「気持ち悪くなければ良いんだ。じゃあ俺はタワーへイリーヌを迎えに行くから、ルシアスは服を買ってからタワーに来て。もし入口近くにいなかったら宿に戻っていてね」
俺はそっとお金を渡す。
「お金は余裕があるから、少し余分に買っても良いし、使い切っても良いから好きなのを買うんだよ」
「ありがとうございます」
ルシアスは残念そうな顔をしながら俺と別れて買い物に行った。
女の買い物は長いし、肌着とか買うのはどうせ俺は店に入れないから別行動にしたんだよな。
それに俺に遠慮せずに買い物ができれば欲しい物を買えるだろう。
もう少しお金が欲しかったのかな?
勿論ルシアスはアロンと腕を組んでの買い物をしたかったのだが、アロンはそんな乙女心を分からないのだ。
奴隷の主人ではなく、1人の男として接しようとしているルシアスの心を理解していなかった。
それが分かりルシアスはため息をついていた。
鈍感!と・・・・
12
お気に入りに追加
744
あなたにおすすめの小説
外れギフト魔石抜き取りの奇跡!〜スライムからの黄金ルート!婚約破棄されましたのでもうお貴族様は嫌です〜
KeyBow
ファンタジー
この世界では、数千年前に突如現れた魔物が人々の生活に脅威をもたらしている。中世を舞台にした典型的なファンタジー世界で、冒険者たちは剣と魔法を駆使してこれらの魔物と戦い、生計を立てている。
人々は15歳の誕生日に神々から加護を授かり、特別なギフトを受け取る。しかし、主人公ロイは【魔石操作】という、死んだ魔物から魔石を抜き取るという外れギフトを授かる。このギフトのために、彼は婚約者に見放され、父親に家を追放される。
運命に翻弄されながらも、ロイは冒険者ギルドの解体所部門で働き始める。そこで彼は、生きている魔物から魔石を抜き取る能力を発見し、これまでの外れギフトが実は隠された力を秘めていたことを知る。
ロイはこの新たな力を使い、自分の運命を切り開くことができるのか?外れギフトを当りギフトに変え、チートスキルを手に入れた彼の物語が始まる。

フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
400倍の魔力ってマジ!?魔力が多すぎて範囲攻撃魔法だけとか縛りでしょ
25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。
目が覚めると俺は広大な領地を有するノーフォーク公爵家の長男の息子ユーサー・フォン・ハワードに転生していた。
ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。
しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。
ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。
そんな主人公のゆったり成長期!!

おっさんなのに異世界召喚されたらしいので適当に生きてみることにした
高鉢 健太
ファンタジー
ふと気づけば見知らぬ石造りの建物の中に居た。どうやら召喚によって異世界転移させられたらしかった。
ラノベでよくある展開に、俺は呆れたね。
もし、あと20年早ければ喜んだかもしれん。だが、アラフォーだぞ?こんなおっさんを召喚させて何をやらせる気だ。
とは思ったが、召喚した連中は俺に生贄の美少女を差し出してくれるらしいじゃないか、その役得を存分に味わいながら異世界の冒険を楽しんでやろう!

異世界に召喚されたが「間違っちゃった」と身勝手な女神に追放されてしまったので、おまけで貰ったスキルで凡人の俺は頑張って生き残ります!
椿紅颯
ファンタジー
神乃勇人(こうのゆうと)はある日、女神ルミナによって異世界へと転移させられる。
しかしまさかのまさか、それは誤転移ということだった。
身勝手な女神により、たった一人だけ仲間外れにされた挙句の果てに粗雑に扱われ、ほぼ投げ捨てられるようなかたちで異世界の地へと下ろされてしまう。
そんな踏んだり蹴ったりな、凡人主人公がおりなす異世界ファンタジー!

少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。
異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜
KeyBow
ファンタジー
間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。
何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。
召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!
しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・
いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。
その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。
上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。
またぺったんこですか?・・・

巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する
高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。
手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。

俺は善人にはなれない
気衒い
ファンタジー
とある過去を持つ青年が異世界へ。しかし、神様が転生させてくれた訳でも誰かが王城に召喚した訳でもない。気が付いたら、森の中にいたという状況だった。その後、青年は優秀なステータスと珍しい固有スキルを武器に異世界を渡り歩いていく。そして、道中で沢山の者と出会い、様々な経験をした青年の周りにはいつしか多くの仲間達が集っていた。これはそんな青年が異世界で誰も成し得なかった偉業を達成する物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる