上 下
23 / 147

第23話 イリーヌとの出会い

しおりを挟む
 そこは先程とは違い、ビキニアーマーを着た近接戦闘が得意な者や、胸元を露出させたセクシーな神官、魔法使いと思われる者がいた。
 魔法使いもビキニ着用?下着?その上にマントと言った様なコスプレ喫茶やイメクラにでも来たのか?そう錯覚するのも仕方がないような者達ばかりがいるんだよな。

「無駄にエロい恰好をさせていないか?」

「勿論です。夜伽ありですから見た目も大事です」

 目の保養にはなるが、可哀想だなと思うも先程から反応している自分が悲しい。
 ルシアスは知っていたんだろうな。
 こんな情けないところを見られなくてよかった。

 だが、ゴリラ女とかも混ざっており、これはあかんと感じるも足早に過ぎて行き、一般奴隷のエリアも過ぎて更に別のエリアに行く。

「ここからは高級奴隷のエリアです。今呼んできますので少々お待ちください」

 そこは応接室のような感じだった。

 ただ、机があり、俺が案内されたのは尋問というか質問する側、つまり入口を見る方に座っていた。

 コンコンコン

 ドアがノックされ、失礼しますと1言あり、どうぞと言うとトレイに飲物を載せたメイドさんが入って来た。

 あれっ?この娘首輪をしているな。
 めっさ綺麗やん。
 ー無駄にセクシーなメイド服だ。

 こ、これは・・・・素晴らしい。
 爆乳ではないが、それなりにボリュームがある。
 俺がごくりとした音が聞こえたようだ。

「喉が乾いてらしたんですね。粗茶ですがどうぞ」

 良かった。喉が乾いたのだと思ったようだが・・・旨い。
 めっちゃ美味い。
 旨いし美味い!
 ルシアスは薄幸美人だが、この子は天真爛漫な明るさを感じる。
 俺の視線に気が付いたようだ。
 不味い。谷間をガン見したのがバレたか。

「やはり首輪が気になりますよね。私はカノープス商会のメイドをさせて頂いておりますが、これから販売される奴隷でもあります」

「君は売られるのか?」

「はい。近日中に販売されます。その、先日はありがとうございました」

 ほっ。どうやら俺の不躾な視線には気が付かなかったようだ。

「先日とは?」

「カノープス様の商隊が襲われた時に、貴方様が多くの賊を倒された時の事です」

「あっ!思い出した。そう言えば格好が違うけど、死体の処理をしていたよね?」

「はい。あの時助けて頂けなければ躯を晒すか、犯されて回されていたかと思います。今日はどのようなご用向きで?」

「うん。カノープスさんから資金難から俺に奴隷を買って欲しいと、戦闘奴隷の中で1番腕の立つ者を見せると言って、今連れに行っているんだ」

「奴隷を買われるのですか?」

「分からない。カノープスさんには世話になったし、俺の懐次第だけど、今は2人で冒険者をしているんだけど、これから先の事を考えると仲間が欲しいのは事実なんだ」

「どのような奴隷を探しておられるのですか?」

「うん。一緒にタワーに入れる者かな。裏切らないなら男でも女でも良いかな。まあ、君のように綺麗な女性なら嬉しいけど、腕が立って更に綺麗な女性なんている訳はないだろうしね」

 メイドさんは照れていて可愛いなとドキリとした。

「君はどのような奴隷なの?」

「アッテンボロー様のような素敵な方に買われると良いのですが、売り出し前の犯罪奴隷なので・・・買って頂けないですよね・・・高いらしいです」

 えっ!?この子犯罪奴隷なのか?って、ちょっと覗いてみよう。

 名前 イリーヌ
 レベル 1
 職業 重騎士
 称号 犯罪奴隷

「重騎士?」

 えっ?これって上位職業?つい呟いた。

「えっ?どうして私のジョブを知っているのですか?」

「思い出した。その、君は盾を持って戦っていたよね?」

「見られていたのですね」

「戦えるのか?」

「私はその、夜伽用の奴隷でして、レベルをリセットされています。レベルが上がれば戦えますが、残念ながら即戦力とはいかないかと思います」

「リセットされる前は?」

「85でした」

 えっ?と唸る。
 それだけ高ければリセットせずに高レベルの奴隷として需要があっただろうに。
 この子が変態貴族の慰み者にされるのは余りにも可哀想だ。いややらせてたまるか!
 うん。この子の身請けをしよう。
 ただ、高そうだよな。見た目から高級な性奴隷として売られるのか?

 そんな事を考えていたが、ドアがガチャリと開いた。

「お待たせしました。良かった。イリーヌ、ここにいたのですね」

「あっはい。お茶をお持ちしろと奥方様より仰せつかりました」

「ああ。美味しいお茶を頂きました。で、俺に買って欲しい奴隷とは?」

「イリーヌと話をしておられたのですな」

「ちなみに彼女はいくらですか?」

「私共も彼女は下手な相手に譲りたくはないのですが、このままだと事業に支障が出るので、先の盗賊討伐の大金貨11枚と装備の権利を頂ければと大変暑苦しいお願いをしたいのです」

「俺も仲間を必要としているから渡りに船だけど、多分俺に都合の良すぎる話じゃないのかと逆に申し訳なく思うんです。本来はいくらの予定なのですか?」

「はい。金貨5500枚です」

 俺は口に運んだお茶をブフッ!と吐き出してしまったが、そっとイリーヌが拭いてくれた。

「イヤイヤイヤ、流石に駄目でしょう。俺はそこまでの事をしていないですよ。もっと安いので良いのに」

「アッテンボロー様は私のような女はお嫌なのだろうか?じゃなくてなのでしょうか?」

「彼女はアッテンボローさんの事を気に入ったようでして、昨夜何があったかを詳しく話し、ならばアッテンボローさんの奴隷になってくれないかと話したら了承してくれましてね。お金を得ようとしたらあまり売りたくない所に売らざるを得ないのです。ここは私や彼女を助けると思って欲しいのです。彼女なら一緒にタワーに入る事が可能なのですよ。それに生娘ですから病気の心配もいりません」

 多分この世界に飛ばされたいや、ハードモードの特典として用意されたのが彼女なのだろう。
 それとも記憶の方か?反応を見ようとしたが問題なさそうだ。

「分かりました。であれば奴隷から解放してはくれませんか?」

 えっ?っと2人が唸る。

「君は奴隷でなくなったらどこかに行ってしまうかい?一緒に冒険者をしてくれるかい?」

「私は奴隷から解放されてもアッテンボロー様と行動を共にし、冒険者としてやっていきたいと思います」

「どうしてか聞いても良いですか?」

「俺のいた所には奴隷っていなかったはずなんです。そんな俺が奴隷の主人なんて無理があるんです。なんというのか、この人なら仲間として一緒にいてくれるんじゃないかなって、対等な仲間としてやれそうだなって感じたんです。もしいなくなったら俺の見る目がなかったって事ですから。カノープスさんが先程見た連れは経済奴隷で、その主に殺され掛けました。ですが返り討ちにして俺の奴隷になったのですが扱いに困りまして。神殿奴隷のようですが解放する手談はないですか?」

 カノープスさんは俺の質問に難しい顔をして考え込んでいたな。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

外れギフト魔石抜き取りの奇跡!〜スライムからの黄金ルート!婚約破棄されましたのでもうお貴族様は嫌です〜

KeyBow
ファンタジー
 この世界では、数千年前に突如現れた魔物が人々の生活に脅威をもたらしている。中世を舞台にした典型的なファンタジー世界で、冒険者たちは剣と魔法を駆使してこれらの魔物と戦い、生計を立てている。  人々は15歳の誕生日に神々から加護を授かり、特別なギフトを受け取る。しかし、主人公ロイは【魔石操作】という、死んだ魔物から魔石を抜き取るという外れギフトを授かる。このギフトのために、彼は婚約者に見放され、父親に家を追放される。  運命に翻弄されながらも、ロイは冒険者ギルドの解体所部門で働き始める。そこで彼は、生きている魔物から魔石を抜き取る能力を発見し、これまでの外れギフトが実は隠された力を秘めていたことを知る。  ロイはこの新たな力を使い、自分の運命を切り開くことができるのか?外れギフトを当りギフトに変え、チートスキルを手に入れた彼の物語が始まる。

勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!

よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です! 僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。 つねやま  じゅんぺいと読む。 何処にでもいる普通のサラリーマン。 仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・ 突然気分が悪くなり、倒れそうになる。 周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。 何が起こったか分からないまま、気を失う。 気が付けば電車ではなく、どこかの建物。 周りにも人が倒れている。 僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。 気が付けば誰かがしゃべってる。 どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。 そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。 想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。 どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。 一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・ ですが、ここで問題が。 スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・ より良いスキルは早い者勝ち。 我も我もと群がる人々。 そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。 僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。 気が付けば2人だけになっていて・・・・ スキルも2つしか残っていない。 一つは鑑定。 もう一つは家事全般。 両方とも微妙だ・・・・ 彼女の名は才村 友郁 さいむら ゆか。 23歳。 今年社会人になりたて。 取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。

異世界で穴掘ってます!

KeyBow
ファンタジー
修学旅行中のバスにいた筈が、異世界召喚にバスの全員が突如されてしまう。主人公の聡太が得たスキルは穴掘り。外れスキルとされ、屑の外れ者として抹殺されそうになるもしぶとく生き残り、救ってくれた少女と成り上がって行く。不遇といわれるギフトを駆使して日の目を見ようとする物語

異世界転生はどん底人生の始まり~一時停止とステータス強奪で快適な人生を掴み取る!

夢・風魔
ファンタジー
若くして死んだ男は、異世界に転生した。恵まれた環境とは程遠い、ダンジョンの上層部に作られた居住区画で孤児として暮らしていた。 ある日、ダンジョンモンスターが暴走するスタンピードが発生し、彼──リヴァは死の縁に立たされていた。 そこで前世の記憶を思い出し、同時に転生特典のスキルに目覚める。 視界に映る者全ての動きを停止させる『一時停止』。任意のステータスを一日に1だけ奪い取れる『ステータス強奪』。 二つのスキルを駆使し、リヴァは地上での暮らしを夢見て今日もダンジョンへと潜る。 *カクヨムでも先行更新しております。

祈りの力でレベルカンストした件!〜無能判定されたアーチャーは無双する〜

KeyBow
ファンタジー
主人公は高校の3年生。深蛇 武瑠(ふかだ たける)。以降タケル 男子21人、女子19人の進学校ではない普通科。大半は短大か地方の私立大学に進む。部活はアーチェリー部でキャプテン。平凡などこにでもいて、十把一絡げにされるような外観的に目立たない存在。それでも部活ではキャプテンをしていて、この土日に開催された県総体では見事に個人優勝した。また、2年生の後輩の坂倉 悠里菜も優勝している。 タケルに彼女はいない。想い人はいるが、彼氏がいると思い、その想いを伝えられない。(兄とのショッピングで仲良くしているのを彼氏と勘違い) そんな中でも、変化があった。教育実習生の女性がスタイル抜群で美人。愛嬌も良く、男子が浮き足立つのとは裏腹に女子からの人気も高かった。タケルも歳上じゃなかったら恋をしたかもと思う。6限目が終わり、ホームルームが少しなが引いた。終わると担任のおっさん(40歳らしい)が顧問をしている部の生徒から質問を受け、教育実習生のミヤちゃん(竹下実弥子)は女子と雑談。タケルは荷物をまとめ、部活にと思っていた、後輩の二年生の坂倉 悠里菜(ゆっちゃん、リナ)が言伝で来た。担任が会議で遅れるからストレッチと走り込みをと言っていたと。この子はタケルに気があるが、タケルは気が付いていない。ゆっちゃんのクラスの担任がアーチェリー部の担任だ。ゆっちゃんと弓を持って(普段は学校においているが大会明けで家に持って帰っていた)。弓を背中に回して教室を出ようとしたら…扉がスライドしない。反対側は開いていたのでそっちに行くが見えない何かに阻まれて進めない。反発から尻餅をつく。ゆっちゃんは波紋のようなのが見え唖然とし、タケルの手を取る。その音からみっちゃんも扉を見て驚く。すると急に光に包まれ、気絶した。目を覚ますと多くの人がいる広間にいた。皆すぐに目覚めたが、丁度三人帰ったので40人がそこにいた。誰かが何だここと叫び、ゆっちゃんは震えながらタケルにしがみつく。王女と国王が出てきてありきたりな異世界召喚をしたむね話し出す。強大な魔物に立ち向かうべく勇者の(いせかいから40人しか呼べない)力をと。口々に避難が飛ぶが帰ることは出来ないと。能力測定をする。タケルは平凡な数値。もちろんチート級のもおり、一喜一憂。ゆっちゃんは弓の上級スキル持ちで、ステータスも上位。タケルは屑スキル持ちとされクラスのものからバカにされる。ウイッシュ!一日一回限定で運が良ければ願いを聞き入られる。意味不明だった。ステータス測定後、能力別に(伝えられず)面談をするからと扉の先に案内されたが、タケルが好きな女子(天川)シズクと他男子二人だけ別の扉を入ると、閉められ扉が消え失せた。四人がいないので担任が質問すると、能力が低いので召喚を取り消したと。しかし、帰る事が出来ないと言っただろ?となるが、ため息混じりに40人しか召喚出

家族全員異世界へ転移したが、その世界で父(魔王)母(勇者)だった…らしい~妹は聖女クラスの魔力持ち!?俺はどうなんですかね?遠い目~

厘/りん
ファンタジー
ある休日、家族でお昼ご飯を食べていたらいきなり異世界へ転移した。俺(長男)カケルは日本と全く違う異世界に動揺していたが、父と母の様子がおかしかった。なぜか、やけに落ち着いている。問い詰めると、もともと父は異世界人だった(らしい)。信じられない! ☆第4回次世代ファンタジーカップ  142位でした。ありがとう御座いました。 ★Nolaノベルさん•なろうさんに編集して掲載中。

神々の間では異世界転移がブームらしいです。

はぐれメタボ
ファンタジー
第1部《漆黒の少女》 楠木 優香は神様によって異世界に送られる事になった。 理由は『最近流行ってるから』 数々のチートを手にした優香は、ユウと名を変えて、薬師兼冒険者として異世界で生きる事を決める。 優しくて単純な少女の異世界冒険譚。 第2部 《精霊の紋章》 ユウの冒険の裏で、田舎の少年エリオは多くの仲間と共に、世界の命運を掛けた戦いに身を投じて行く事になる。 それは、英雄に憧れた少年の英雄譚。 第3部 《交錯する戦場》 各国が手を結び結成された人類連合と邪神を奉じる魔王に率いられた魔族軍による戦争が始まった。 人間と魔族、様々な意思と策謀が交錯する群像劇。 第4部 《新たなる神話》 戦争が終結し、邪神の討伐を残すのみとなった。 連合からの依頼を受けたユウは、援軍を率いて勇者の後を追い邪神の神殿を目指す。 それは、この世界で最も新しい神話。

異世界の約束:追放者の再興〜外れギフト【光】を授り侯爵家を追い出されたけど本当はチート持ちなので幸せに生きて見返してやります!〜

KeyBow
ファンタジー
 主人公の井野口 孝志は交通事故により死亡し、異世界へ転生した。  そこは剣と魔法の王道的なファンタジー世界。  転生した先は侯爵家の子息。  妾の子として家督相続とは無縁のはずだったが、兄の全てが事故により死亡し嫡男に。  女神により魔王討伐を受ける者は記憶を持ったまま転生させる事が出来ると言われ、主人公はゲームで遊んだ世界に転生した。  ゲームと言ってもその世界を模したゲームで、手を打たなければこうなる【if】の世界だった。  理不尽な死を迎えるモブ以下のヒロインを救いたく、転生した先で14歳の時にギフトを得られる信託の儀の後に追放されるが、その時に備えストーリーを変えてしまう。  メイヤと言うゲームでは犯され、絶望から自殺した少女をそのルートから外す事を幼少期より決めていた。  しかしそう簡単な話ではない。  女神の意図とは違う生き様と、ゲームで救えなかった少女を救う。  2人で逃げて何処かで畑でも耕しながら生きようとしていたが、計画が狂い何故か闘技場でハッスルする未来が待ち受けているとは物語がスタートした時はまだ知らない・・・  多くの者と出会い、誤解されたり頼られたり、理不尽な目に遭ったりと、平穏な生活を求める主人公の思いとは裏腹に波乱万丈な未来が待ち受けている。  しかし、主人公補正からかメインストリートから逃げられない予感。  信託の儀の後に侯爵家から追放されるところから物語はスタートする。  いつしか追放した侯爵家にザマアをし、経済的にも見返し謝罪させる事を当面の目標とする事へと、物語の早々に変化していく。  孤児達と出会い自活と脱却を手伝ったりお人好しだ。  また、貴族ではあるが、多くの貴族が好んでするが自分は奴隷を性的に抱かないとのポリシーが行動に規制を掛ける。  果たして幸せを掴む事が出来るのか?魔王討伐から逃げられるのか?・・・

処理中です...