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第18話 嵌め返す

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 5分程そうしていたが、扉が開かない。

 床に落ちている魔石の所為か?
 そう思い取り敢えず拾って回る。
 数えるのも嫌になるが、皆同じ色だ。
 しかし変化がない。
 ふと最初に開けた宝箱を見ると、中に何かが入っている。

 そうか。
 魔物を倒しきったからお宝が発生し、それを取らないと扉が現れないのか?

 手に取るとそれは丈夫そうな戦闘服だった。
 今のよりマシだろうと、服を脱いで宝箱から出した服に着替えた。
 また、色の違う魔石が2個入っていたからそれを回収すると空になった。
 入り口を見ると、扉が現れたようだ。

 ふう・・・
 ため息を付きつつ、コーナーに置いているフラガラッハを取りに行く。
 こいつがなかったら絶対に死んでいたな・・・ありがとうフラガラッハ。

 俺は脱ぎ捨てた服と一緒に収納カバン、胸当てや肩当ての装備品をそのまま置いてしまったので、回収しなきゃなと思い振り向いた。

 そうすると扉から誰かが入ってくるのが見えた。
 ゾーイさん達か?

「やたらと時間が掛かったな」

「ふふふ!お宝よ!」

「馬鹿な奴だよな。ほら、しっかり落ちてるぜ!」

「ああ、アッテンボローさん・・・ごめんなさい・・・」

「何してんだ!てめぇは外で誰か来たら知らせる為に見張っとけ!」

「キャッ!」

「奴隷風情が!今日こそは股を開いて貰うぞ!」

「わ、私は性行為を認めていません」

「お前が認めりゃあ良いんじゃねえか!このアバズレが!」

「こいつほっといてお宝を回収しようよ!あれ絶対業物だよ!それに収納袋!これでアタシらももっと楽になるよね!」

 俺は信じられない会話を耳にしてその場を動けなかった。

「おっ!落ちてるぜ!収納カバンもちゃんとあるぜ!馬鹿だよな!信じちゃうんだもん」

「ゾーイ、あの子ちゃんと締めときなよ。ごめんねって言った時は冷や汗が出たわよ」

「しかしマーヤのフェイク様々だな!俺等が全員レベル50超えだと見事に隠せたもんな!それに赤文字もさ」

「アタシびっくりしたよ!収納カバンも隠さずに身に着けている奴をヌラリスが見付けた時は目を疑ったわよ!」

「だねえ!殺してくれって言っているもんよね!」

「おい、剣はどこだ?それに死体がないぞ?」

 俺はゾーイを鑑定した。

 名前 ゾーイ
 レベル 65
 職業 剣士
 称号 盗賊

 勿論盗賊だ。
 他の者も名前だけ見たが、全員赤文字だ。

 俺は剣を構えスラッシュを使うが狙うは脚だ。

 4人の脚が一気に切断され、叫び声が木霊する。

「な、何だ!あ、脚がぁ」

「い、痛い・・・な、な何で」

「てめぇか!?」

「何で生きてやがる」

「俺を嵌めたのか?何でだ?」

「聞いていたんだろ?カモだと思ったんだ」

「他、助けて!何でもするから!アンタのXXをXXしたげるし、やらせてやるから!」 

「私もやらせてあげるから、命だけは助けて!あんた私の胸見てたでしょ?」

 俺は男から殺していった。
 呆気なかった。

「いやあ!ゾーイ!このひとでなし!」

「お願い!名器って言われているの!ねっ!あんたの性奴隷になるから!」

「人を殺そうとしておいて命乞いとか、見苦しいぞ!死ね!」

 俺は女でも容赦しなかった。
 殴ってから首を捻り殺していった。

「人から奪おうとしてたんだから、俺が奪ってやるよ」

 装備を剥ぎ取る事にした。
 男は服まで剥ぎ取らなかったが、気持ち悪いが財布とかを体を弄って抜き取る。

 フィールシーはビキニアーマーを着ていたようなので、裸にしてやるが、最早死体なので生の胸を見ても興奮すらしない。

 マーヤも中々良い服を着ているので裸にして全て奪う。
 やはり肌身に財布を持っていたり、指輪を装着し、首にネックレスをしていた。
 また、驚いた事に切り取ってやったが、乳首にピアスをしていた。
 裸にして正解だった。
 鑑定したが、やはり魔導具だ。
 売れば金になるだろう。

 女の服はこの世界だとそれなりの値段で売れる。カノープス商会で普通に中古の服が売られていたからな。

 コンディションカードを回収し、死体はそのままにする。
 1人位持ち帰れるが、持って帰っても仕方がない。

 変態なら女を持って帰り、屍姦するのだろうがそんな趣味はない。
 だが、せめてもの情けとして、ゾーイの元にフィールシーの死体を運び、抱き合う形にする。

 また、ヌラリスの元にマーヤを運び抱き合う形にする。
 コイツラが出来ているのはなんとなく分かっていた。

 来世があるとしたら、もう一度出会い、真っ当に生きろ!

 奪った財布から硬貨を4枚出し、各々の手に握らせた。
 意味が有るか分からないが、地獄の沙汰も金次第というから1枚位は握らせる事にした。

 せめてもの情けとしたのは、俺を殺そうとしたがそれまでは色々な事を教えてくれた事に対しての対価としてだ。
 収納カバンも限界まで入ったし、引き上げだな。

 魔物部屋?を出ると、頬を腫らし、泣いているルシアスさんがいたので取り敢えず鑑定した。


 名前 ルシアス
 レベル 51
 職業 クレリック
 称号 一般冒険者 (経済奴隷)

 この人は奴隷なのか。うん。黒文字だな。
 カノープスさんの話だと経済奴隷は性的な奉仕は無しで、契約時の賃金の支払いがあり、その中から一定の割合を購入費用の返済に当てる。
 同意無しに性的な事をしようものなら、イチモツが吹き飛ぶと言っていたな。

 だから人の奴隷を犯そうとは絶対に思わない事だと教えてくれたが、俺は奴隷を犯そうとする奴に見えるのか?
 ただ、それ以外では自らの命に関わる事を別にして主人の命令は絶対だから、俺を嵌めるのを止められも警告も出来なかったのだろうな。
 ごめんねの意味は謝罪を先にしたんだな。
 主人の命令で犯した罪は奴隷の罪にはならないから、黒文字のままだ。

 また、もう一つは犯罪奴隷だ。
 これは期限無しか、有期限なのかは奴隷落ちになった理由次第だとか。
 主に性奴隷や、使い潰す戦闘奴隷になるのだとか。

 謀反を企んだ貴族とその親族、戦争で負けた側や、犯罪を犯した者などだと。

「ルシアスさん?大丈夫ですか?」

 座り込み啜り泣いていた彼女だが、俺を見上げると大粒の涙を流し号泣し出した。

「アッテンボロー様!ごめんなさい!ごめんなさい!」

 俺は泣きながら謝るルシアスさんを立たせ、そっと抱きしめた。

「ゾーイ達の奴隷だったんだね。もう泣かないで。ルシアスさんに涙は似合わないよ」

「生きてらして良かった!でも、こんな時に女性を口説くのですか?うう」

「素直な気持ちですよ」

 俺はハンカチを出し、ルシアスさんの涙を拭いていたが、頬を伝った涙を拭いていると首輪に触れたが、その瞬間首輪が光り脳内ディスプレイに奴隷1を取得した旨が現れた。

「その、アッテンボロー様が私の御主人様になられたという事は、ゾーイは死んだのですか?」

「俺が殺した。確認するか?」

「はい。この目でしかと見たいです」

 俺はもう1度魔物部屋に入り、死体の場所へとルシアスさんを案内するのであった。
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