ザ・タワー 〜俺にしかできない魔石を鑑定する能力!魔石を使っての魔法&スキル付与!この力で最強を目指す〜

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第17話 モンスターパーティー

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 嘘だろ!何体いるんだよ!
 1体が顕現するのに必要な幅と高さが30cmとして、ぐるっと1周36体。
 それが縦にもびっしり見える・・・マジかよ。

 概算で360体・・・終った・・・
 さっきまでは1度に出てくるのが3体で、散発的に現れるから何とかなっていたけど、見渡す限りワーウルフで埋め尽くされている。

 1体1体が大した事がなくとも、数の暴力で来られたらひとたまりもないぞ。

 こんな所で意味もなく死にたくないから足掻くけど・・・
 ぐぅ、壁からどんどん出やがる・・・
 あっ!出尽くした。
 ウハハハハ!こりゃいいや!ワーウルフで埋め尽くされたな!
 四面楚歌ってやつだっけ?
 ここで俺の隠れた力が解放され・・?る訳ないよな。
 噛まれたら痛いだろうな・・・嫌だなぁ・・・

 俺は剣を床に突き立て、頬を叩き気合を入れる。
 噛まれてもヒールがある。
 魔力もフラガラッハで攻撃すれば使った分位は回収出来るだろう!
 痛みはもう経験した。
 あの時は今まで経験した事のない痛みに狼狽えたけど、気絶したりする程ではなかった。

 耐えてやる!
 あの時ルシアスさんが一言ごめんねと言った事が気になって仕方がない。
 直接聞きたい。

 ワオオオオオオオオン!

 1体が吠えると一斉に掛けて来たのでダブルを発動した。

「スラッシュ!スラッシュ!ファイヤーボール!ファイヤーボール!」

 剣の間合いに入られる僅かな間にスラッシュとファイヤーボールを2回発動し、ダブルが働き各々4回ワーウルフ目掛けて飛んでいく。

「ウオオオオオオ!」

 俺はフラガラッハを横に薙ぎ払い、ひたすらスラッシュと発した。
 右手にフラガラッハ、左手は魔法とスキルに。 
 ファイヤーボールは燃えながらも突っ込んでくるからもう使えない。

 左肩を噛まれたが、ドロップの肩当てが防ぎ切る。
 右脚を噛まれた。
 痛みで意識が飛びそうになるが、フラガラッハで斬る。

 スラッシュ!スラッシュ!と適当な方向に放つが、今のところどこに放っても当たる。
 全方向的だ!
 1度場所を変えるのにダッシュを使い、コーナーに向かった。
 流石に全方向から来られるとどうにもならない。
 勝機があるとしたら1度に相手する敵を少なくする事だろう。

 狭い道なら数より質だ。
 少数なら大した事がない。
 だが、こちとら生身の人間だ。
 背後から襲われたらあちこち噛まれたり最悪喉を食いちぎられそれで終わる。

 御免被りたい。

 1度スラッシュが出なくなった。
 つまり、魔力が尽きた。
 それでもフラガラッハにより魔力を回復するから、スラッシュを使い続けた。

 ゼエ、ゼエ、ハア、ハア!

 肩で息をし、服はボロボロで傷は塞がっているが、全身血塗れだ。

 脇腹を噛まれ、フラガラッハを振る。
 そして左手でヒールを発動し、またフラガラッハを振りスラッシュを唱える。
 それの繰り返しだ。

 しかし、段々床が見えてきて、やがて辺り1面魔石が転がっており、今は1回り大きいワーウルフと対峙している。
 こいつだったな・・・最初に吠えたのは。

 力を振り絞り、ダッシュで接近してフラガラッハを深々と突き立てた。
 どうやら決着したようだが、他の個体とは違い2秒程のエフェクトの後、魔石とマントを残し消えていった。

 そいつの落とした魔石は1回り大きい。
 その魔石とマントはストレージに入れ、俺は座り込み息を整える。
 最後の方は殆どフラガラッハで攻撃していたから、魔力は殆ど回復したと思われる。

 だがしかし、如何せん息は乱れ、血塗れの酷い有様なので、自分が生きているのが不思議だった。

「俺は・・・生きている?よな。あれを倒しきったのか・・・ふう」

 しかしだ、ここはモンスター部屋だったのか?
 それとも本来は宝箱にはお宝のみがあり、1階層の時と同じでイレギュラーなのか?

 俺はほんの少しの間だけ横になり、扉が開くのを待つ事にした。
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