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第8話 タワーへ!そしてセカンドバトル!

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 取り敢えず今日はそのタワーとか言うのを見てというか、先ず入ってみて様子を見たい。

 これから稼がなきゃだから早めに知りたいんだよね。
 纏まったお金を貰ったが、そのお金で一生遊んで暮らす事は出来ないから、多くの冒険者がそうしているように、タワーで魔物を倒してそのドロップを売り生計を立てる必要がある。
 その手始めに最初の階層を進む事にする。

 場所は否応なしに分かる。
 巨大な塔がそびえ立っているが、それは町の中心にある。
 なんでもその塔目当ての冒険者を相手にする商人が集まり、宿等段々規模が大きくなり大規模な町に発展したそうだ。

 俺も他に稼ぐ手段が分からないから、先ずはタワーに行く。

「でけえなあぁ!」

 つい呟きながらタワーを見上げた。
 お上りさん丸出しだった。
 下から見上げると上の方が霞んで見えないぞ。
 勿論遠くからだと見えるが、頂上が見えるのは天気の良い日で、雲の中に隠れる事があるそうだ。
 周りの者がお上りさんだとクスクスと笑っている事に気が付き、真っ赤になりながら入り口に向かった。

 タワーの入り口には騎士団の者?がいて周りには露店が立ち並び、冒険者相手に食べ物等を売っていた。

 また、タワーに入る列があり、その周りに大きな紙を持った者がいる。
 何が書かれているか分からなかったが、一瞬ぼやけたと思ったら読めるようになっていた。

 求むタンク!レベル30以上!

 レベル50の重戦士!期間は5日!

 水魔法レベル80以上求む!

 パーティー員欠員の為新メンバー募集!前衛職レベル40以上!

 臨時メンバーやパーティー員を募集している感じだ。
 俺は物見遊山的に取り敢えずタワーに入る感じだ。
 並ぶ事10分、俺の番が来た。
 どうやらコンディションカードを見せなければならないので、見えるようにしておく。

「人数は?」

「ソロだ」

「銀貨1枚だ」

 俺は皆のを見ていて用意しておいた銀貨を手渡した。
 入場料が約1000円って所か。

 タワーの入り口には何人かの冒険者がおり、又もや人が並んでいるのが見えた。
 先に進むと入口があるが、殆どの者は石板の前に並び、各々触れる時に15、21、36等と数字を呟いており、次の瞬間消え失せた。

 俺の前に並んでいる者に聞いた。

「あのう、これは何の為に並んでいるのですか?」

「あんた、タワーは初めてか?」

「ええ」

 面倒くさそうにしていたので、銀貨2枚を握らせた。
 するとにっこりし対応が変わった。
 うん。金の力はどこに行っても偉大だ。

「申し訳ないが、入り方等を教えて頂けないでしょうか?」

「兄ちゃん悪いな。タワーってのはな・・・」

 どうやら石に触れると行った事のある階層に飛べるので、皆それに触れる為に並んでいる。
 初めて入るタワーだと、その先にある入り口からまず地下に行く。
 地下5層のボスを倒すと地上階に挑む事が出来る。
 これは必ず必要とか。

 またその後、飛ぶ階層は裏技としてそこの階層へ行った事のある者に触れていると同行する事が出来るのだと。

 ほら!と言われたのが札を持ち、何階層まで行けるよ!と小銭を稼ぐ者の姿があった。
 といっても騎士見習いだそうだ。

 基本的な事を教えて貰ったが、その人の番が来て頑張れよ!と言われ消えていった。
 その石板は転移板と言うそうだ。
 正式名ではなく、いつの日からかそう呼ばれているのだとか。

 俺は入り口に向かい歩いていく。
 取り敢えず倒した盗賊の武器の中にショートソードがあったので、今はそれを腰に帯びている。
 フラガラッハは目立つからだ。

 入り口から中に入ったが整然とした通路であり、昔のゲームであるウィザードリィやブラックオニキスを彷彿とさせるダンジョン構造だ。

 1辺が約3mの立方体によるブロック単位での構造のようだ。
 階層によっては木が生えていたり、川があったりとタワー、つまり塔の中にこのような自然?が何故あるというような所もあるらしい。

 また、初めて入るダンジョンについては先ずは地下5層のボス部屋を目指し、ボスを倒さないと地上の階層へは進めない。

 さっきのお兄さん?いやおっさんは仲間が後から装備更新してから来るからと、先に低層階に入り準備運動を兼ねて少し狩るのだとか。

 外観はタワーだが、やはり中は迷宮だ。
 取り敢えずサクッと地下5層のボスを倒して地上階へ進出したい。
 当然だが、上に上がる程稼ぎが良いのだが、魔物の強さも比例して上がる。

 やるからには上を目指す?
 当たり前○のクラッカーだ!ゲーマーとすればやるからにはとことんやり、難関と言われれば攻略する!
 それがリアルでもだ。
 このタワーは出来てから100年以上経過しているが未だに未攻略なのだそうだ。

 さて行きますか!
 と気合を入れ、地下1階層への階段を降りる。
 隣には1階層の扉があるが、俺が押して引いてもびくともしない。
 なるほど。多分地下のボスを倒さないとメインストリームに乗れないのだな。
 階段を降りると誰もいないのを確認し、フラガラッハを出してショートソードをカバンに収納した。

 心臓がドキドキする。
 さて紀念すべき1体目は何かな?ワクワクするぜ!

 ぴしっとした1枚もののタイルの床、壁、天井で構成された通路を進む。
 2分程進むと曲がり角があり、曲がった先3ブロック先にそいつはいた。

 青白い体で、病的に細く何より醜く、歪んだ顔がきしょい。
 身重は90cm程だろうか。
 急ぎ鑑定したがコボルトだった。

 キングオブ雑魚!
 王道のゴブリンと並ぶ雑魚中の雑魚だ!
 さあって!俺の異世界ライフの初駆除魔物の栄冠は君だ!そうコボ君!
 経験値になってくれ!

 その辺に落ちているような30cm程の棒切れを持っているので全く脅威に感じないぞ。
 流石にこんな奴でも100匹とかに囲まれたら怖いけどな。

 お互い小走りでエンカウントだが、俺は剣を構えていて間合いに入るとさっと剣を横に振った。

 僅かに肉を斬った感触があったものの、まるでバターを斬るようにサクッと胴体が分断され・・・ポスっと音がしたかと思うと短いエフェクトと共に消えて行った。
 するとそこにはパチンコ玉位の紅色の珠というか、石が転がっていたが、俺は本当に異世界に来たのか?まるでゲームの世界じゃないか!?とそう呟いていた。
 でも現実世界なんだよな?と思うような演出だった。

 取り敢えず見た目と違い強かったというのもなく、見た目通りだったとだけ言っておく。
 ちゃんとした肉体があるのに霧散したから、ゲームの中にいるような錯覚を覚えるんだよな。
 あの盗賊や殺された護衛はちゃんと死体があったんだよな

 で、その玉を拾ってみたが、これが魔石か・・・小さいなって、しょぼー!
 しかもアイテムのドロップもないのかよ。
 多分ボスか地上階へ行かないと駄目なんだろうな。
 そんな事を言っていたっけな。
 稼げないから1日で地下ボスをやれないと厳しいぞと言っていた意味が分かる。
 確かにこの大きさじゃいくら倒しても稼ぎにはならんわな。

 取り敢えずあまりにもあっさりと終わったので拍子抜けしたけど、気を取り直して拾った魔石をカバンに入れた。

「先へ進むぞ!」

 頬を叩き、独りだが自分に言い聞かせて気合を入れ、俺は先へと歩みを進めて行く。
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