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第2章
第122話 黒服
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タクシーに揺られていたが、お昼少し前になり宿泊研修が行われている海洋センターに到着した。
タクシーと言ってもセダンじゃなく、ワゴン車だ。
1人では装備を外せなかったので、装備を背負った状態で乗るのにそれ位の大きさの車が必要だった。
ずっと寝ていて、タクシーのおっちゃんに起こされた。
眠い目を擦りながら僕がタクシーを降りると、黒服の人達に囲まれて銃を突きつけられた。
「なっ!」
と唸るも、そのまま建物の1つに連行されてしまったが意味が分からない。
喋ろうとするも口に指を当てられ、喋らせてくれなかった。
振り向くとタクシーのおっちゃんも手を上げており、何処かに連行されていった。
よく分からないけど巻き込んでごめんね。
一瞬ゴリ押しで周りの黒服を蹴散らそうかと思ったけど、疲れからか気力が湧かない。
僕は何とかなると思うけど、タクシーのおっちゃんは無事では済まないと言うのもあり、今は大人しく従う。
何故か武装解除はされていない。
しかし・・・お腹減ったな。
皆に会いたいです。
そうしていると会議ができそうな部屋に通され、そのまま席へと案内される。
そして着座を促されたけど、それは学校とか会社とかでよく見掛ける折りたたみ式のパイプ椅子・・座るのを躊躇った。
今の僕は200kgを超えているはずだから、座ったら多分ひしゃげる。
「掛けなさい」
1人の黒服がサングラスを外して1言告げる。
よく見ると黒服は皆若い。
今喋ったのは女だ。
顔は中性的で声もハスキーで男女の区別が付き難いけど、自己主張の激しい胸の膨らみが如実に女だと知らしめていた。
「いや、これ座ったら椅子がひしゃげるんで。状況がよく分かりませんが着替えさせて貰えませんか?バトルスーツは結構疲れるんです。無理ならせめて背中の浪漫砲を外したいんです」
「よかろう。こちらも君が武装していると落ち着かないからね。背中のコーマン砲とやらを外し給え」
・
・
・
高慢(コーマン)じゃなくて浪漫(ロマン)なんだけど!と突っ込むのは止そう。
しかし、誰も手伝ってくれない。
取り敢えず鞘ごと剣を外してカバンを降ろす。
「どうしたのだ?外さないのか?」
「いや、誰も手伝ってくれないんだなぁと。これ1人じゃ脱着出来ないんで、誰か手伝って貰えませんか?」
女と思われる黒服が1名と、男女不明なのが1名背後に回る。
「確か30キロはあり重いので気を付けて下さい」
僕の指示で装備を外して行く。
篭手も外したりすると、多少楽になった。
「ふう。あのう、何か食べる物無いですか?1日近く何も食べていなくて」
徐ろにカバンからカロリーメイトを出してきた。
「私のおやつで良ければ食べなさい。今は持ち合わせがこれしかないから」
僕に話し掛けている黒服のリーダー と思われる女性が頷くと、2人の黒服が部屋を出て行った。
感情がこもっていない口調なので、心情がよく分からない。
その後僕がカロリーメイトを食べていると、先程出て行った黒服の1人が戻ってきて、ペットボトルのお茶を背後から僕の目の前に無言で置いた。
驚きよりも、お茶を見てのどが渇いていたと思い出し、夢中で飲み干す。
ゴクゴクゴクゴク。
自分が食べて飲んでいるのを目の前の女性は黙ってみていた。
うん、少し恥ずかしい・・・
よく見ると中々綺麗な女性だから。
あのラビリンスでは、手持ちの食べ物や飲み物はカーヴァントに預けていて、意図せずにラビリンスから放り出されたので何も持っていないに等しい。
手持ちのカバンには小型の予備武器やカードホルダー等が有るが、ラビリンス内でゲットした物は巨大なカバンと共にカーヴァントへ預けている。
僕が食べ終わると目の前の女性はコホンと可愛らしい?咳払いをしてから話を始めたのだった。
タクシーと言ってもセダンじゃなく、ワゴン車だ。
1人では装備を外せなかったので、装備を背負った状態で乗るのにそれ位の大きさの車が必要だった。
ずっと寝ていて、タクシーのおっちゃんに起こされた。
眠い目を擦りながら僕がタクシーを降りると、黒服の人達に囲まれて銃を突きつけられた。
「なっ!」
と唸るも、そのまま建物の1つに連行されてしまったが意味が分からない。
喋ろうとするも口に指を当てられ、喋らせてくれなかった。
振り向くとタクシーのおっちゃんも手を上げており、何処かに連行されていった。
よく分からないけど巻き込んでごめんね。
一瞬ゴリ押しで周りの黒服を蹴散らそうかと思ったけど、疲れからか気力が湧かない。
僕は何とかなると思うけど、タクシーのおっちゃんは無事では済まないと言うのもあり、今は大人しく従う。
何故か武装解除はされていない。
しかし・・・お腹減ったな。
皆に会いたいです。
そうしていると会議ができそうな部屋に通され、そのまま席へと案内される。
そして着座を促されたけど、それは学校とか会社とかでよく見掛ける折りたたみ式のパイプ椅子・・座るのを躊躇った。
今の僕は200kgを超えているはずだから、座ったら多分ひしゃげる。
「掛けなさい」
1人の黒服がサングラスを外して1言告げる。
よく見ると黒服は皆若い。
今喋ったのは女だ。
顔は中性的で声もハスキーで男女の区別が付き難いけど、自己主張の激しい胸の膨らみが如実に女だと知らしめていた。
「いや、これ座ったら椅子がひしゃげるんで。状況がよく分かりませんが着替えさせて貰えませんか?バトルスーツは結構疲れるんです。無理ならせめて背中の浪漫砲を外したいんです」
「よかろう。こちらも君が武装していると落ち着かないからね。背中のコーマン砲とやらを外し給え」
・
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高慢(コーマン)じゃなくて浪漫(ロマン)なんだけど!と突っ込むのは止そう。
しかし、誰も手伝ってくれない。
取り敢えず鞘ごと剣を外してカバンを降ろす。
「どうしたのだ?外さないのか?」
「いや、誰も手伝ってくれないんだなぁと。これ1人じゃ脱着出来ないんで、誰か手伝って貰えませんか?」
女と思われる黒服が1名と、男女不明なのが1名背後に回る。
「確か30キロはあり重いので気を付けて下さい」
僕の指示で装備を外して行く。
篭手も外したりすると、多少楽になった。
「ふう。あのう、何か食べる物無いですか?1日近く何も食べていなくて」
徐ろにカバンからカロリーメイトを出してきた。
「私のおやつで良ければ食べなさい。今は持ち合わせがこれしかないから」
僕に話し掛けている黒服のリーダー と思われる女性が頷くと、2人の黒服が部屋を出て行った。
感情がこもっていない口調なので、心情がよく分からない。
その後僕がカロリーメイトを食べていると、先程出て行った黒服の1人が戻ってきて、ペットボトルのお茶を背後から僕の目の前に無言で置いた。
驚きよりも、お茶を見てのどが渇いていたと思い出し、夢中で飲み干す。
ゴクゴクゴクゴク。
自分が食べて飲んでいるのを目の前の女性は黙ってみていた。
うん、少し恥ずかしい・・・
よく見ると中々綺麗な女性だから。
あのラビリンスでは、手持ちの食べ物や飲み物はカーヴァントに預けていて、意図せずにラビリンスから放り出されたので何も持っていないに等しい。
手持ちのカバンには小型の予備武器やカードホルダー等が有るが、ラビリンス内でゲットした物は巨大なカバンと共にカーヴァントへ預けている。
僕が食べ終わると目の前の女性はコホンと可愛らしい?咳払いをしてから話を始めたのだった。
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