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第1章(高校生入学編)

第110話 エレーナとローバット召喚

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 多数に無勢で堪らず2枚のカードを召喚した。
 1枚は仲居さんからので獣系でオルトロス。
 オドロオドロした見た目から、グループ員に渡してはいけない気がするので見せていないが、ランク7のようだ。

 もう1枚は父のランク7。
 家族もそうだけど、お守り代わりに持っていたのを遂に出す。

 ヴァルキリアだ。
 顔ははっきり見えないけど、初めて手に取った時はそのドレスアーマを着た姿に神々しさを感じたものだ。

 凛々しく気高い種族だと聞いた。
 いや、ネットで調べた。

「出でよローバット、出でよエレーナ」

「戦闘中だから詳しくは後で。ローバットは僕の前方で敵を倒して!エレーナは僕の護衛を。コライリス、君は落ちている魔石やカードを回収してきて!僕の装備には魔石が必要なんだ。気を付けて!」

 新たに召喚したエレーナに僕の守りをお願いし、手元に残っている全ての魔石を出す。
 浪漫砲への充填用でいくつか持っていたんだけど、これで無くなる。

 幸い脇腹辺りに魔石の投入口があり、そこにいくつか放り込む。
 約5秒でチャージ出来たようで狙いを定めると、バシュッ!バシュッ!と魔物を倒していく。
 陸地では足が遅いようなので、少しずつ後退しつつ駆逐していく。
 時折近くに来た敵をエレーナが剣で斬り裂いていく。
 コライリスは敵を駆逐しつつ、渡した袋に魔石等を回収し始めた。

 クロノスは咆哮をあげながら槌を振るう。

 その巨躯が振るう鎚は味方なら頼もしいとしか言いようがないが、スカッとする位敵が吹き飛ぶ!うん、吹き飛ぶ事漫画の世界だな。

 敵からしたら悪夢以外の何物でもないだろう。

 僕は立つとクロノスのお腹辺りの高さとなる敵の頭を撃つ。
 クロノスは強い。
 見た目も何もかも絶対的な強さを誇る。
 しかし多勢に無勢だ。
 クロノスが排除しきれなくならない範囲にしか敵を近付けないようにするのが今の僕だ。

 どれ位戦っただろうか?
 ほんの数分の出来事のはずだが、永遠とも思える長さだ。
 玉を補充し魔石を何度も入れる。
 手持ちがなくなったから拾った魔石を入れるが、投入口に対しギリギリの大きさの魔石しかない。

 1つ1つがサイクロプスの魔石程の大きさだ。

「玉を補充して下さい!」

 ついに玉が切れた。

「他のモードはないのか?」

「他のモードを起動します」

 パルスモード
 拡散パルスモード
 バーストパルスモード
 スカウターにこの3つが表示された。

 魔石の消費が3倍になりんす!
 とある。
 なりんすって、なりますの事かい!?

 どうやら魔石のみでのパルス攻撃で、物理玉を発射するレールガンに比べると魔石の消費量が跳ね上がるらしい。
 魔石はいくらでもある。
 迷わずバーストモードにした。

 キュイーン・・バシュンッ!・・・

 青白いパルス?が3点発射され、3方の敵へ飛んでいく。

 頭に当ったのはエフェクトが発生したが、体に当たったのはダメージが入るも死ななかった。
 しかし、大幅に戦闘力を奪う事に成功した。

 どうやらバーストは3発発射し、当たりどころによっては通常弾のように仕留める事ができるが、そうでないとそこそこのダメージを与える。

 ランク7相当の魔物と仮定してだ。

 もっとも通常弾でも急所に当たらなければ同じ事になる。
 ただ、穿つ穴の大きさなど、1発の威力は半減~3割減しているが、3発放つ事から総合的にはバーストモードの方が使えそうだ。

 広域はもう少しランクの低い魔物が大量に出た時の掃討用になるだろうか。

 取り敢えず魔石でのパルス攻撃は有り難い。

 魔法も使いたいが、魔力切れが怖いので今は無理だ。
 ちゃんと試して運用をどうするか決めてからかな。

 今は無心に倒していく。
 1度コライリスがカードと魔石を持ってきたので、魔石を浪漫砲に補充し、いくつかをエレーナに持ってもらう。
 また、カードは直ぐに血を掛けて魔物の駆逐に回した!

 コライリスがまた魔石の回収に動くと、不意に僕の体は後ろから抱き抱えられる形で浮いた。

「ご主人様、先程からの戦い振りを見ておりましたが、上空からそれを放つのが効率が良いかと愚行しました」

「問題ないかな?エレーナ、重いだろ?」

「ご主人様より魔力が流れ込むので大丈夫です」

 意味がよく分からないけど、取り敢えず1つ言えるのは今の僕は飛んでいるんだよな?
 すげー!
 見渡す限り魔物だらけだけど、絶景だ。
 僕の高揚した心は踊り、カーヴァントを避け浪漫砲をぶっ放し続けた。
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