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第1章(高校生入学編)
第94話 やばい物
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取り敢えずこれからギルドにて職員の立会の元カードの売買を行う。
他の相続人が来るようで、本当はこうやって来るのは駄目なんだそうだ。
僕が無理に仏前に手を合わせたいと話したので、それだけの為に来ている。
少し荷物を見て欲しいと言われたんだ。
それとご主人の遺言に従い、もしも一緒にラビリンスに入った自衛隊の仲間かその子供が訪ねてきたら一部のカードを渡すように言われていたそうだ。
他のカードや装備は医療費等の足しにするのに売っても良いと言われていたが、初期のラビリンスに入った思い出というか、記憶に留めるのに1枚は残していたそうだ。
それらを探索者関係者に渡すように言われており、予め聞いている購入するカードとは別にあった。
「お恥ずかしい限りで、厳しかったあの人の事を息子達は苦手にしていて絶縁していたのです。2人の息子はこの家を相続したくないと300万ずつ要求してきたの。もうお金が残っていないと分かっているから、家探しまでされてね、そうしたらラビリンス関連の物が遺品として出てきたの。それらを売ったお金をくれとなったの。本当はあのカードは300万程の価値なんでしょ?それを厚かましく3倍にしてしまったわ」
「気にしないで下さい。僕にとってはそれ以上の価値がありますから。それにお金に関しては使い切れない程の稼ぎがあるからそれ程痛くないんです」
「そう言ってもらえると助かるわ。出来る限りあの人との思い出の家を守りたいの。それとね、昨日は息子達が自衛隊の方と話をしていたけど、先程言ったカードとは別に遺品があるの。見て頂けるかしら?」
その遺品があるのは奥さんの部屋だった。
息子達と折り合いが悪く疎遠になっていたのもあり、奥さんの部屋に一部の遺品を置いていたそうだ。
家探しされる事は想定内と誰かがアドバイスをしたようだ。
家探しをして金目の物をかき集めたようだが、ご主人の部屋にあった物はカード以外既に換金済みで、そのお金は入院中の費用に充てたのだそうだ。
だが、部屋の中の遺品は関係者に直接渡して欲しいと言うご主人の意志は、奥さんの意地で貫くのだとか。
ふと気になり聞いたんだけど家政婦さんとかの費用は奥さんの貯金を食いつぶしているのだとか。
ご主人が亡くなったので病院の行き来が無くなり楽になるらしいが、ご主人の遺族年金頼りの生活では資金が厳しいんだろうなとつい考える。
部屋の中はベッドがあり、奥さんは見せたい物がベッドの下にあると言う。
言われるがままにベッドの下にあるシートを引っ張ったが・・・そこにはやばい物があった。
余り時間がないので、ギルドにて売買をした後にまた見に来る事にした。
重さは30Kg程のとある武器だった。
待たせているタクシーに乗りギルドに向かう。
遺産分割協議がなされており、僕がお金を払いギルドがその領収書を発行してくれる。
その場でお金を今回の対象者に支払うとの事。
奥さんは体調不良を理由としてギルドには行かず、遺産分割協議書にサイン済みだとかで、カードの売買が成立したら遺産分割協議が解決するそうだ。
それらの事で弁護士が同席するそうだ。
会議室の1室に僕等は通されたが、先方は僕達が若いので驚いていたな。
相手は50代のおっさんが3人だった。
30代の弁護士が仕切り、ギルド職員が立ち会った。
因みにギルドには手数料を払わなくてはならないが、揉めるのも嫌だったのでカードの提供者に900万が渡るようにし、その他の経費は買い主負担で同意している。
カードは聞いている通りだった。
ゴブリン 7枚
ゴブリンウォーリアー 2枚
ゴブリンナイト 1枚
リザードマン 2枚
リビングアーマー 1枚
ペガサス 1枚
僕の他に友里愛達にもカードを確認してもらい、僕は予め引き出し依頼をしておいた現金をギルド職員から受け取る。
手数料等はカードから支払いがされるが、売り主の希望で現金払いとなった。
世知辛いなと思うも、カードの売買の後、僕等はすぐにその場を離れた。
実に嫌な物を見た。
ただ、1人だけ帰り際に先に2人の兄がいったのを見届けてから僕に話してきた。
「済まないね。あの2人は借金で首が回らないんだ。私の方は母に渡すようにするので。こうでもしないと揉めるのでね。母が今ここにいないのは私のアドバイスなんだ」
色々あるなぁとしみじみと感じた。
大人になると見たくもない物を見るのかな。
本当は友里愛達には見せたくなかった。
遺産分割協議で揉めていると聞いていたからなんだけど、社会勉強と言い張ってついてきたんだよね。
他の相続人が来るようで、本当はこうやって来るのは駄目なんだそうだ。
僕が無理に仏前に手を合わせたいと話したので、それだけの為に来ている。
少し荷物を見て欲しいと言われたんだ。
それとご主人の遺言に従い、もしも一緒にラビリンスに入った自衛隊の仲間かその子供が訪ねてきたら一部のカードを渡すように言われていたそうだ。
他のカードや装備は医療費等の足しにするのに売っても良いと言われていたが、初期のラビリンスに入った思い出というか、記憶に留めるのに1枚は残していたそうだ。
それらを探索者関係者に渡すように言われており、予め聞いている購入するカードとは別にあった。
「お恥ずかしい限りで、厳しかったあの人の事を息子達は苦手にしていて絶縁していたのです。2人の息子はこの家を相続したくないと300万ずつ要求してきたの。もうお金が残っていないと分かっているから、家探しまでされてね、そうしたらラビリンス関連の物が遺品として出てきたの。それらを売ったお金をくれとなったの。本当はあのカードは300万程の価値なんでしょ?それを厚かましく3倍にしてしまったわ」
「気にしないで下さい。僕にとってはそれ以上の価値がありますから。それにお金に関しては使い切れない程の稼ぎがあるからそれ程痛くないんです」
「そう言ってもらえると助かるわ。出来る限りあの人との思い出の家を守りたいの。それとね、昨日は息子達が自衛隊の方と話をしていたけど、先程言ったカードとは別に遺品があるの。見て頂けるかしら?」
その遺品があるのは奥さんの部屋だった。
息子達と折り合いが悪く疎遠になっていたのもあり、奥さんの部屋に一部の遺品を置いていたそうだ。
家探しされる事は想定内と誰かがアドバイスをしたようだ。
家探しをして金目の物をかき集めたようだが、ご主人の部屋にあった物はカード以外既に換金済みで、そのお金は入院中の費用に充てたのだそうだ。
だが、部屋の中の遺品は関係者に直接渡して欲しいと言うご主人の意志は、奥さんの意地で貫くのだとか。
ふと気になり聞いたんだけど家政婦さんとかの費用は奥さんの貯金を食いつぶしているのだとか。
ご主人が亡くなったので病院の行き来が無くなり楽になるらしいが、ご主人の遺族年金頼りの生活では資金が厳しいんだろうなとつい考える。
部屋の中はベッドがあり、奥さんは見せたい物がベッドの下にあると言う。
言われるがままにベッドの下にあるシートを引っ張ったが・・・そこにはやばい物があった。
余り時間がないので、ギルドにて売買をした後にまた見に来る事にした。
重さは30Kg程のとある武器だった。
待たせているタクシーに乗りギルドに向かう。
遺産分割協議がなされており、僕がお金を払いギルドがその領収書を発行してくれる。
その場でお金を今回の対象者に支払うとの事。
奥さんは体調不良を理由としてギルドには行かず、遺産分割協議書にサイン済みだとかで、カードの売買が成立したら遺産分割協議が解決するそうだ。
それらの事で弁護士が同席するそうだ。
会議室の1室に僕等は通されたが、先方は僕達が若いので驚いていたな。
相手は50代のおっさんが3人だった。
30代の弁護士が仕切り、ギルド職員が立ち会った。
因みにギルドには手数料を払わなくてはならないが、揉めるのも嫌だったのでカードの提供者に900万が渡るようにし、その他の経費は買い主負担で同意している。
カードは聞いている通りだった。
ゴブリン 7枚
ゴブリンウォーリアー 2枚
ゴブリンナイト 1枚
リザードマン 2枚
リビングアーマー 1枚
ペガサス 1枚
僕の他に友里愛達にもカードを確認してもらい、僕は予め引き出し依頼をしておいた現金をギルド職員から受け取る。
手数料等はカードから支払いがされるが、売り主の希望で現金払いとなった。
世知辛いなと思うも、カードの売買の後、僕等はすぐにその場を離れた。
実に嫌な物を見た。
ただ、1人だけ帰り際に先に2人の兄がいったのを見届けてから僕に話してきた。
「済まないね。あの2人は借金で首が回らないんだ。私の方は母に渡すようにするので。こうでもしないと揉めるのでね。母が今ここにいないのは私のアドバイスなんだ」
色々あるなぁとしみじみと感じた。
大人になると見たくもない物を見るのかな。
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