異世界の約束：追放者の再興〜外れギフト【光】を授り侯爵家を追い出されたけど本当はチート持ちなので幸せに生きて見返してやります！〜

第173話 エピローグ

　セルカッツが国王に就任してから１０日後、宗主国であるルランド公国の国王とセルカッツの対面が決まった。

　過去、数百年前の話だと、魔王を討伐した者が宗主国の国王に即位したのがルランド公国の始まりとされる。

　ルランドの国王の元にもセルカッツの話が早々に伝えられ、それが先日会った男、つまりアイリーンと即時結婚させた者だと結び付いた。

　セルカッツの堂々とした態度と、目に宿る明るい光は誰もが統治する能力を持つ者の証だった。
　ルランド王はその眼差しに心を打たれ、自身が持ち得なかった大陸統一の夢を、この男に託せると確信した。

 　魔王を滅ぼすという壮大な事業を成し遂げたその男、セルカッツが新たな国王に即位したという報せは神託と共に、瞬く間に周辺国家に広まった。

　各国の宮殿、神殿、広場には、セルカッツの名とその偉業が賞賛される言葉が溢れた。 ルランドの宮殿にもその報せが届き、国王は遂に理解したのだ。
　魔王を倒した過去の王と同様、セルカッツが宗主国の国王に即位するのが、国家の繁栄と平和のためだと確信した！

　そして、彼がアイリーンと結婚して新たな国王になった事実は、彼の隠された力と勇気を物語っていた。　　ルランド王は驚愕したが、同時にセルカッツを更に尊敬するようになった。
　そして、隣接国であり、セルカッツの生まれたバリラン国の国王もまたこの偉大な使命で訪れていた。
　ルランド王とバリラン王が面談し、お互いの国家の王権をセルカッツに託すことを決定した。同じ目的で訪れた事に驚きと頷きを持っていた。

　２つの国が一つの大陸を作るための最初の１歩だった。
　他の国々もこの波に乗り遅れまいと順次、王権をセルカッツに移譲し始めた。
　混乱を避けるため、各国家の王達はそのまま大公となり自らが統治していた領土をそのまま地方領土として治める形となった。

　こうして、大陸は無血で統合されていったが、 セルカッツの威厳と、アイリーンの優雅さが大陸統一の意義を全ての人々に示した。

　他の妻たちの意向もあり、アイリーン以外は側室扱いとされたが、因みにネイリスもセルカッツの側室に収まったのは別の話し。

　エピローグ。

　大陸が統一された後も、セルカッツとアイリーンの統治は長く続いた。
　メイヤ達は表に出る事はせず、裏方に徹した。後の歴史書には彼女達は全員第二夫人とされ、同格に扱われた。

　穏やかな時代が流れ、国土は豊かで、人々は繁栄した。
　美しい城で、彼らは幸せな時間を静かに過ごし、統治を続けた。国家の指導者である彼らの責務は尽きることなく、しかし、彼らは力強く、賢明にそれを果たした。

　セルカッツが選ばれる前、戦争と混乱がこの大陸を覆っていたが、今ではそれらはすべて過去のこととなり、平和と安寧が大陸のすみずみまで広がっていた。

　恒久的な平和は、初めての壮大な経験だった。そのすべては彼と彼の愛するアイリーン、妻達はおかげだった。 

　歳月が流れて、セルカッツとアイリーンは老いていった。
　しかし、彼らの愛と尊敬は消えることはなく、逆に時間とともに深まった。彼らの物語は愛と勇気、そして、粘り強さの物語であり、それは人々に大きな希望と勇気を与えていた。 そして、セルカッツとアイリーンがこの世を去った後も、彼らの物語は語り継がれていった。
　彼らの名前は大陸中に広まり、彼らの偉業は歌や詩、物語として伝えられた。国々は彼らの名前を讃え、彼らが創った平和な世界を愛した。 セルカッツとアイリーンは、ただの国王と王妃ではなく、英雄として永遠に語り継がれる存在となった。

　彼らの愛と勇気、そして、大陸を統一した偉業は今もなお人々を感動させ、勇気づける存在となっている。
　彼らの物語は勇気と愛、そして統治への真剣な取り組みが国を強く、安定させることができるという教訓を私たちに示している。

　彼らの生き方は、私たちが選んだ道が何であれ、愛と尊敬、そして忠誠心が最も重要であると私たちに教えている。 
　そして、セルカッツとアイリーンの物語は未だに続いている。それは過去の物語ではなく、今も続いている物語であり、未来もそうである。彼らの理想と願いは、今日の我々が進むべき道を示しており、我々の心に希望と勇気を植えつけているのです。

　また、ウルナは、鏡の開発者として歴史に名を残した。
　セルカッツが皇帝に即位した後、鏡の作り方を公開し、指導をした。

　セルカッツは子どもの保護と、教育に力を入れ、アルテイシアが無償の学び屋の設立に尽力した。義務教育の先駆けを作り、後の学生が歴史の中で暗記する名前に連なった。

　他の妻の名は初代皇帝の妻の名としてしか記録場はなかったが、彼女達の協力と献身がなくば、大陸の平和は維持できなかったと言われている。

　この物語はこれで終わり。



　後書き失礼します。
　新作の【忘却の艦隊】もよろしくお願いします！