異世界の約束:追放者の再興〜外れギフト【光】を授り侯爵家を追い出されたけど本当はチート持ちなので幸せに生きて見返してやります!〜

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第159話 馬車

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 タイタンとの戦いというより、タイタンが率いていた?魔物により一部の馬車が壊れ、修繕のために野営するかしないかの選択をすることになった。
 無理に進もうとすると騎士達の一部が徒歩になってしまうが、この先は盗賊団の出没エリアだった。  
 鎧の所為で歩みは遅くなるので、狙われるリスクが上がる。
 護衛の数が抑止力になるので、馬車の修繕は必須だった。
 セルカッツは妻や騎士達に告げた。

「馬車の修繕をするためにここで野営しよう。明日の朝には出発できるように私達も力を貸す」

「はい。セルカッツ様、私もお手伝いします」「私もです。セルカッツさん、私もお手伝いします」

 妻達は返事をし騎士達と馬車の修繕に取りかかった。

 幸いにも一部の騎士達は通ってきた町で馬や馬車の買付をしに行っていた。
 彼らは壊れた馬車の部品を交換したり、傷ついた馬を治療したりした。  

 それとは別に戦闘で疲弊した騎士には休息が必要だった。
 それでも少し戻る形になったが、道中見かけた野営に適した平地にてテントを張ったりした。
 
 疲弊の激しい者は馬車の中で横にさせ、そうではない者達で馬車の修理を行う。
 空荷ならなんとか動かせたので、無事な馬車に積み替え、セルカッツ達も歩いて野営場所に向かった。
 護衛隊の隊長は申し訳ないと平謝りだった。

 何とか明日の朝までに馬車の修繕を終えないとと、騎士達は一晩中働いて馬車の修繕を終えた。 

 彼らは疲れ果てて寝袋に入った。  

「明日は盗賊団のエリアだ。気をつけよう」と明日に備え眠りについた。

 騎士や兵士は天幕だが、セルカッツ達は基本的に馬車の中で眠る。
 本来1日の移動時間が短くなってしまうが、無理な行程にせず町に寄り宿に泊まるはずだった。
 なので一部の兵士が馬車で近くの町に天幕と毛布を買いに行っていたりする。

 セルカッツは馬車の中でイザベルとアルテイシアと話をしていた。

「タイタンを倒したのはセルカッツ様のおかげでござる。修行不足で役に立たなかったでござる」  

 イザベルは自分を責めた。

「そんなことはない。イザベルは勇敢に戦った。タイタンの足に傷をつけてくれたから動きが鈍くなったし、メイヤが背後に回る時間を稼ぐ事ができたのはイザベルのおかげだよ」

 セルカッツはにこやかにイザベルを慰めた。

「私もそう思います。イザベルの戦い振りは素晴らしかったわ!私ならタイタンの前に立つだけで気絶しちゃうわ」
 アルテイシアはイザベルを励ました。

「ありがとうございます。セルカッツ様、アルテイシア殿。あなた達のお言葉に救われました」

 そう言ってイザベルは涙を拭った。

「でも、タイタンが現れたことは不吉な予兆よ。私の知る限り魔王が復活する予兆の可能性が高いわ」

 アルテイシアは心配そうに話した。  

「そうだな。アルテイシアの言う通りだ。魔王が復活するとしたら、いつになるだろうか?」

「私が転生前の日本でプレイしていたゲームでは、タイタンが現れてから半年以内に魔王が復活するという設定だったわ。でも、この世界ではゲームとは違う展開になっているので正確には分からないわね。本来数年先の事だもの・・・」

 アルテイシアはセルカッツの問に自信なさそうに答えた。

「なるほど。半年以内か。それならばまだ時間はあるな。俺達は魔王の復活を阻止するために、力を合わせて戦うぞ」

 イザベルはセルカッツの決意に頷く。

「セルカッツ殿、拙者も微力ながらお力になるでござる。私はセルカッツ殿の盾でござる」

「私もよ。セルカッツさん、私も力になるわ。私はセルカッツさんの魔法でござる」

 アルテイシアはぎこちなくイザベルの口調を真似て冗談めかしく言い、3人で笑って団結を深めた。

 馬車は3人が寝るのが精一杯で、誰がどの馬車で寝るかはくじ引きで決めていた。
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