異世界の約束:追放者の再興〜外れギフト【光】を授り侯爵家を追い出されたけど本当はチート持ちなので幸せに生きて見返してやります!〜

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第136話 国王との面談

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 卒業式の後、セルカッツとアイリーン(ヤーマ)は国王に呼ばれており、貴賓室に赴いた。
 そこで待ち受けていた国王と王妃は彼らに笑顔で祝福の言葉をかけた。

 王になる前は武闘大会の観覧もし、自分も新人戦には出ていたものだから、優勝者のセルカッツに興味があったので、セルカッツも呼んでいた。

「おめでとう、アイリーン君。貴女は素晴らしい魔法使いになるだろう。私は貴女たちのことを誇りに思う。君はアイリーン君の婚約者だったね?確かあの武闘大会で優勝したとか聞いたが?」

 セルカッツは恐縮しながら礼を言った。

「ありがとうございます、陛下。あなたのご厚意に感謝します。確かに新人戦を制覇しております」

 ヤーマも同じく頭を下げた。

「ありがとうございます、陛下。私は貴国にお世話になり陛下には感謝してもしきれないほど感謝しております」

 国王は優しく頷いた。

「いいや、こちらこそ。あなたたちは私にとって大切な人々だ。私はあなたたちの幸せを願っている」

 少しだけと、国王はセルカッツに男同士の話を持ちかけ、王妃がヤーマを窓際に連れていき、女同士の話を少しした。
 王妃もヤーマ(アイリーン)と少し話をしたかったのだ。

 国王は2年前に王位を継承したばかりの30代前半の2枚目だ。
 隣に第一夫人たる王妃がいるが、確か28歳だ。しかし、20歳くらいにしか見えずほんわかとし、おっとりとした印象を受ける。
 王の義務として世継ぎを設ける必要から7人の夫人と数人の妾を囲っているが、この王妃を溺愛している。

 しかし、他の女を囲っているのは、王妃との間には子をなせず、王子であった間は王妃のみを愛していた。
 だが、国王になった途端、政治的な事から近隣の国の王女を娶り、夜な夜な子作りに励まざるを得なく、腰が痛いと先程ぼやいていた。
 未だ子は女の子しかおらず、少なくとも誰かが王子を生むまでは僕は種馬なんだよと、セルカッツにぼやいていた。
 セルカッツにあるお願いをする為に、サプライズを用意したく話をしていた。

 そして再び応接セットに戻ると国王は少し真剣な表情になった。

「しかし、あなたたちには危険が迫っていることも知っている。暗殺者が差し向けられているのだろう?」

 セルカッツとヤーマは驚いて顔を見合わせた。
 どうやら国王は自分達の正体を知っているようだった。

「どうして・・・?」

 セルカッツが口にしたが、国王は手を振って遮った。

「詳しいことは聞かない。君は理由があって身を隠しているのだろう。私はそれを尊重する。ただ、私はあなたたちの味方だということを知ってほしい。知っているのではなく、外国にいる王位継承権を持っている者が暗殺者に狙われるのはよくあることだからだ」

 国王は優しく微笑んだ。

「それに、あなたたちは今日卒業したばかりだ。これから新しい人生が始まるのだ。そんな時に暗殺者の心配をする必要はない」

 セルカッツとヤーマは不安そうに首を傾げた。

「でも、陛下・・・」

 国王は再び手を振って遮った。

「心配するな。私にはあなたたちを守る方法を知っている。それに、君達はもう婚約者同士だろう?」

 国王は意味ありげに言った。

「ええ、そうですが・・・」

 セルカッツが答えると、国王は満足そうに頷いた。

「それならば、問題ない。私は今からあなたたちに1つの提案をする。それを受け入れてくれれば、あなたたちは安心して暮らせるようになるだろう」

 国王は深呼吸して言った。

「私の提案というのは、この場であなたたちの婚姻の契りを交わしてもらうということだ!」

 俺達は、へっ?と情けなく唸るしかなかった。
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