異世界の約束:追放者の再興〜外れギフト【光】を授り侯爵家を追い出されたけど本当はチート持ちなので幸せに生きて見返してやります!〜

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第127話 同行

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 俺は硬い表情をリリアナさんに向け、回答を始めた。

「・・・リリアナさん、あなたの提案はとてもありがたいです。でも、私達は騎士団に入ることはできません。私達には他にやらなければならないことがあります」

「そうですか・・・残念です。でも、私もあなた達を無理に引き止めるつもりはありません。ただ、あなた達はやはり法に触れたことには変わりありません。何らかの償いをしてもらわなければなりません」

「それは分かっています。だから、私達はあなたに提案します。私達は盗賊を倒した手柄、今ここに捕らえた盗賊を全て騎士団に渡します。それで手打ちにしてもらえませんか?」

「手柄や身柄をですか?それは大きな見返りですね。でも、それだけでは足りません。私達はあなた達が盗賊と関係がないことを証明する必要があります」

「証明する必要・・・ですか?どうすればいいですか?」

「あなた達は宿を襲撃した5人の盗賊を奴隷にしたと言っていましたね。それなら、その5人も私の護衛に当たらせてください。彼らがあなた達の仲間ではないことを証言させれば、あなた達の無実が立証できます」

「護衛に当たらせるということは、私達は騎士団と一緒に行動しなければならないということですか?」

「そうです、いや、正確には違います。私はこの町から4日ほど掛かる王都にある魔法学校に向かい、ある人物を保護する任務を言い渡されています。その任務に関係しては騎士団とは別の話しで、私の父、つまり貴族家の所用です。しかし、僅かな手勢では途中で危険があるかもしれません。あなた達もその任務に参加してください。そうすれば、あなた達の罪も免除されます。少なくとも目的地は同じなのです。確か貴方は卒業する婚約者を迎えに向かうのでしたね?」

「魔法学校の生徒の保護ですか?確かに私達と目的地が同じのようですが、騎士団と一緒に行動するということは私達の自由が制限されるということではありませんか?」

「制限されるというより、協力してもらうということです。私達はあなた達に命令するつもりはありません。ただ、任務中は私が雇った護衛として振る舞ってもらいます」

「確かに依頼主に従う必要がありますか・・・」

 俺達は再び互いに目配せし意思を確認し、リリアナさんに答えた。

「・・・分かりました。リリアナさんの提案を受け入れます。私達は貴女の護衛として一緒に魔法学校へ向かう任務に参加します。その代わり、今回の騒動について罪が免除されるということでよろしいですね?ただ、俺達は目的の人物の知り合いが同行しており、内々で彼女を護衛してもいます」

「はい。それでよろしいです。ありがとうございます、セルカッツさん。私もあなた達と一緒に働けて嬉しいです」

 リリアナさんは笑顔で俺達に言った。彼女は俺達に握手を求め、俺達も応じた。

「それでは、これからは仲間です。よろしくお願いします」

「よろしくお願いします」

 俺達はリリアナさんと仲間になった。
 それは俺達にとって、新たな冒険の始まりだった。

 ・
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 リリアナはこの任務の後、日記にこのように記していた。
【私はセルカッツさんと握手をした時まだ知らなかった。私達が向かう魔法学校ではアイリーン様が行方不明になっているという事実を。セルカッツさんの同行者がハーニャさんではなくアイリーン様で、ハーニャさんの本当の姿の彼女は入れ替えの指輪で姿を変えていて、影武者に危機が迫ったので入れ替えを終わり、隠れ潜んでいるという事実を】

 俺はふと思う。リリアナさんが事実を知ったらどうするだろうか?俺達はアイリーンの影武者をアイリーンとして救えるだろうか?はリリアナさんとの関係に変化があるだろうか?

 俺達の冒険はまだまだ続くのだった。
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