異世界の約束:追放者の再興〜外れギフト【光】を授り侯爵家を追い出されたけど本当はチート持ちなので幸せに生きて見返してやります!〜

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第125話 ボス現れる

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 落下してきたのは、状況からまず間違いなく盗賊のボスだろう。奴は着地すると即時に、有無を言わず剣を振り回しながら俺達に襲い掛かってきた。

 咄嗟にヨルミクルとイザベルを突き飛ばし、そいつと対峙するのは俺だけとし、初撃を何とか防いだ。

 盗賊のボスは倒れている子分を見て、激怒した。

「てめえら、何をしやがった!俺の部下を殺したのか!?」

 ボスは言い放つと再び俺たちに向かって剣を振り回すも、俺はイザベルとヨルミクルと共に防御した。

「1人しか殺していないぞ。奴隷にしただけだ」

「奴隷にした?何を言ってるんだ!」

 ボスは俺が奴隷にした子分に声をかけた。

「おい、お前ら!何で動かないんだ!早く起きろ!そいつらを捕まえろ!」

 子分は苦しそうに答えた。

「ごめんなさい、ボス。俺たちはもうこの人の奴隷だ。あいつに触られたら、自由意志がなくなった。あいつの命令に従わなきゃいけない」

「何だと!?そんなことがあるか!」

 ボスは信じられないという顔をしたが、俺は冷ややかに言った。

「あるんだよ。俺は魔法使いだが、奴隷商人でもある。俺は触れた者を奴隷にする力を持ってる。お前もその力の餌食にしてやる!」

「ふざけるな!俺はお前のような卑怯者には負けねえ!」

 ボスは1人ではきついと判断し、残っている子分を呼んだ。

「おい、お前ら!まだ奴隷にされてないやつはこっちに来い!俺と一緒に戦え!」

 しかし、残っている子分は少なく、ボスの呼びかけに応えたのはわずか3人だった。
 それも先程までボスと一緒にいて、後から駆け付けた者だけだ。

「くそっ!こんな少ないのか!まあ、いい。俺達4人で十分だ!」

 ボスは4人で俺たちに襲い掛かってきたが、俺たちは3人で迎え撃った。

「イザベル、ヨルミクル、気を付けろ!このボスは強そうだぞ!」

「分かってるわよ。でも、私達も負ける気はしないわ」

「うむ。承知した!盗賊ごときに遅れなど取るつもりはござらん!」

 イザベルとヨルミクルがそう言って盗賊と対峙し、剣や斧、槍がぶつかり血や汗や涙が流れた。

 激しい戦闘が続いたが、俺たちは優勢だった。
 俺たちは魔法も使えるし、武闘大会での対人経験と技術があったからだ。  俺は騎士から手ほどきを受けているが、盗賊達は素人同然だった。

 やがて、子分3人が倒れ、残ったのはボスだけだとなった。

「くそっ!どうしてだ!どうして俺がこんな連中に負けるんだ!」

 ボスは必死に抵抗したが、もう無理だった。
 俺はイザベル、ヨルミクルと共にボスに迫った。

「終わりだ!お前はもう敗北した。お前はもう奴隷落ちにしてやる!」

「ふん!奴隷だと?そんなことはないぞ!俺はまだ戦えるぞ!」

 ボスは俺に向かって突進するも、俺は剣で受け止めると猫騙しを食らわせ、背後に周り俺はボスの肩に触れた。

「奴隷になっちまえ!」

 別に告げる必要はないが、告げたのはヨルミクルとイザベルに知らせるためだ。 
 そして俺の力がボスに流れ込むとボスの目が虚ろになった。 
 おそらく奴隷となった事を理解したと思われる。

「はい、ご、ご主人」

 ボスは俺に従順になり俺は勝利を確信した。

「よし、これで終わりだ」

 俺はイザベルとヨルミクルに笑顔を見せると、彼女らも笑顔を見せた。

「やったわね!セルカッツ。あんたのおかげで勝てたわ!」

「そうだ!セル殿はやはりすごいでござる!」

 イザベルとヨルミクルが俺を褒めてくれたのが嬉しかった。

「ありがとう、イザベル。ありがとう、ヨルミクル。でも、俺達はチームだ。君達を連れてきて正解だったよ!俺1人だけなら殺られていたかもだったよ!」

 俺達はそう言って、勝利を祝い抱き合った!
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