113 / 173
第113話 知っていた
しおりを挟む
執務室にあるソファーに腰を掛け、3人が揃うのを待った。
アルテイシアはダイランド家の話ということで席を外そうとしたが、父の呪いに対する話をする時にいてもらった方が良いとして、机にある椅子を使ってもらう。
俺の横に父、向いにタニス、メイヤ、ハーニャの順で座った。
メイヤを真ん中にし、タニスが俺の向かい、ハーニャが父の向かいに座る形だ。
気の所為か父の雰囲気がいつもと違う。
ふと横を見ると何か覚悟をした顔だ。
「皆も聞いていると思うけど、見ての通り使用人だけじゃなく父が来た。呪いをかけられていて、助かるのには魔王を殺さないといけない。ただ、アルテイシアが処置してくれたので、この屋敷の敷地内なら呪いの影響がなくなる。だたし3年しか持たない。何故こうなったかは誰も知らないから、説明してもらう」
「皆息災で何よりだ。暫く厄介になる。3年くらいな。キルカッツが魔王の尖兵になりよった。此奴の母親が残した儂への予知文にあったのに防ぐことが出来なんだ。それもありお前達の行動は把握のみにし、敢えて何もしなかった」
「分かっておいでだったんですか?」
「細かくではない。此奴が女装したり、旧水路で眠った事はわかる。あくまで追跡したからだ。因みにあの地下室も把握しておった」
「わざと逃したとおっしゃるので?」
「もしもお前達が屋敷に残っておれば、その晩に3人共キルカッツに犯され、悲観して自害することになるからな」
「・・・」
3人が俺を見る。
「メイヤだけがと思ったんだが、3人共なのか?」
「うむ。1人が逃げ、2人がそれを追い掛けると。監視だけにして決して捕らえてはならない。儂が捕らえれば翌朝には自殺すると書かれていた」
「キルカッツに何が起こるのか書かれてはいないので?」
「あれには儂とお前についての警告だけで、キルカッツについては我らに絡むところだけだった。お前が剣を持ち出すのも分かっていた。予知が違えば捕らえるまでと、お前のプランに乗っただけだ。だからキルカッツは儂がお前を追放したのだと本気で思ったのだ」
成る程、父は全て把握していたのだな。
「因みに母の予知が無ければどうなっていました?」
「お前を追放した後、3人が消え失せたと理解した所であの隠れ家を急襲して終わりだ。ただ、キルカッツについては、完全に行方をくらませた」
「因みにどこまで追えていますか?」
「うむ。この国より国外追放された所から足取りが掴めなくなった。その後情報網に引っ掛からぬな」
「そうですか。因みに来なかった使用人達は?」
「執事長とメイド長、騎士長は裏切った。それ以外で居らぬのは本人の希望により解雇したからだ。国を出ることを拒んだだけだ」
「死んだ人とかはいなかったんですか?」
「ああ。逃げ遅れそうな者は外に出ていたし、キルカッツが裏切り者以外、外に出していたのだ。賊が侵入したから僕が退治してやんよ!とな」
「良かった。皆無事なら」
「大事なものは持ち出し済みだったからな。書籍もな」
・
・
・
まあここまで来るのに時間が掛かったのは、使用人の体力に合わせた旅になったのと、キルカッツが追放される町と違うルートを辿ったかららしい。
また、キルカッツにより呪いを掛けられるのは、1番被害が少ない方法とあったから、甘んじて食らったのだとか。
回避できたが、それをすると使用人の半数が殺されたはずらしい。
そうして1つ目の話が終わった。
アルテイシアはダイランド家の話ということで席を外そうとしたが、父の呪いに対する話をする時にいてもらった方が良いとして、机にある椅子を使ってもらう。
俺の横に父、向いにタニス、メイヤ、ハーニャの順で座った。
メイヤを真ん中にし、タニスが俺の向かい、ハーニャが父の向かいに座る形だ。
気の所為か父の雰囲気がいつもと違う。
ふと横を見ると何か覚悟をした顔だ。
「皆も聞いていると思うけど、見ての通り使用人だけじゃなく父が来た。呪いをかけられていて、助かるのには魔王を殺さないといけない。ただ、アルテイシアが処置してくれたので、この屋敷の敷地内なら呪いの影響がなくなる。だたし3年しか持たない。何故こうなったかは誰も知らないから、説明してもらう」
「皆息災で何よりだ。暫く厄介になる。3年くらいな。キルカッツが魔王の尖兵になりよった。此奴の母親が残した儂への予知文にあったのに防ぐことが出来なんだ。それもありお前達の行動は把握のみにし、敢えて何もしなかった」
「分かっておいでだったんですか?」
「細かくではない。此奴が女装したり、旧水路で眠った事はわかる。あくまで追跡したからだ。因みにあの地下室も把握しておった」
「わざと逃したとおっしゃるので?」
「もしもお前達が屋敷に残っておれば、その晩に3人共キルカッツに犯され、悲観して自害することになるからな」
「・・・」
3人が俺を見る。
「メイヤだけがと思ったんだが、3人共なのか?」
「うむ。1人が逃げ、2人がそれを追い掛けると。監視だけにして決して捕らえてはならない。儂が捕らえれば翌朝には自殺すると書かれていた」
「キルカッツに何が起こるのか書かれてはいないので?」
「あれには儂とお前についての警告だけで、キルカッツについては我らに絡むところだけだった。お前が剣を持ち出すのも分かっていた。予知が違えば捕らえるまでと、お前のプランに乗っただけだ。だからキルカッツは儂がお前を追放したのだと本気で思ったのだ」
成る程、父は全て把握していたのだな。
「因みに母の予知が無ければどうなっていました?」
「お前を追放した後、3人が消え失せたと理解した所であの隠れ家を急襲して終わりだ。ただ、キルカッツについては、完全に行方をくらませた」
「因みにどこまで追えていますか?」
「うむ。この国より国外追放された所から足取りが掴めなくなった。その後情報網に引っ掛からぬな」
「そうですか。因みに来なかった使用人達は?」
「執事長とメイド長、騎士長は裏切った。それ以外で居らぬのは本人の希望により解雇したからだ。国を出ることを拒んだだけだ」
「死んだ人とかはいなかったんですか?」
「ああ。逃げ遅れそうな者は外に出ていたし、キルカッツが裏切り者以外、外に出していたのだ。賊が侵入したから僕が退治してやんよ!とな」
「良かった。皆無事なら」
「大事なものは持ち出し済みだったからな。書籍もな」
・
・
・
まあここまで来るのに時間が掛かったのは、使用人の体力に合わせた旅になったのと、キルカッツが追放される町と違うルートを辿ったかららしい。
また、キルカッツにより呪いを掛けられるのは、1番被害が少ない方法とあったから、甘んじて食らったのだとか。
回避できたが、それをすると使用人の半数が殺されたはずらしい。
そうして1つ目の話が終わった。
11
お気に入りに追加
218
あなたにおすすめの小説

(完結)魔王討伐後にパーティー追放されたFランク魔法剣士は、超レア能力【全スキル】を覚えてゲスすぎる勇者達をザマアしつつ世界を救います
しまうま弁当
ファンタジー
魔王討伐直後にクリードは勇者ライオスからパーティーから出て行けといわれるのだった。クリードはパーティー内ではつねにFランクと呼ばれ戦闘にも参加させてもらえず場美雑言は当たり前でクリードはもう勇者パーティーから出て行きたいと常々考えていたので、いい機会だと思って出て行く事にした。だがラストダンジョンから脱出に必要なリアーの羽はライオス達は分けてくれなかったので、仕方なく一階層づつ上っていく事を決めたのだった。だがなぜか後ろから勇者パーティー内で唯一のヒロインであるミリーが追いかけてきて一緒に脱出しようと言ってくれたのだった。切羽詰まっていると感じたクリードはミリーと一緒に脱出を図ろうとするが、後ろから追いかけてきたメンバーに石にされてしまったのだった。

【完結】初級魔法しか使えない低ランク冒険者の少年は、今日も依頼を達成して家に帰る。
アノマロカリス
ファンタジー
少年テッドには、両親がいない。
両親は低ランク冒険者で、依頼の途中で魔物に殺されたのだ。
両親の少ない保険でやり繰りしていたが、もう金が尽きかけようとしていた。
テッドには、妹が3人いる。
両親から「妹達を頼む!」…と出掛ける前からいつも約束していた。
このままでは家族が離れ離れになると思ったテッドは、冒険者になって金を稼ぐ道を選んだ。
そんな少年テッドだが、パーティーには加入せずにソロ活動していた。
その理由は、パーティーに参加するとその日に家に帰れなくなるからだ。
両親は、小さいながらも持ち家を持っていてそこに住んでいる。
両親が生きている頃は、父親の部屋と母親の部屋、子供部屋には兄妹4人で暮らしていたが…
両親が死んでからは、父親の部屋はテッドが…
母親の部屋は、長女のリットが、子供部屋には、次女のルットと三女のロットになっている。
今日も依頼をこなして、家に帰るんだ!
この少年テッドは…いや、この先は本編で語ろう。
お楽しみくださいね!
HOTランキング20位になりました。
皆さん、有り難う御座います。

ザコ魔法使いの僕がダンジョンで1人ぼっち!魔獣に襲われても石化した僕は無敵状態!経験値が溜まり続けて気づいた時には最強魔導士に!?
さかいおさむ
ファンタジー
戦士は【スキル】と呼ばれる能力を持っている。
僕はスキルレベル1のザコ魔法使いだ。
そんな僕がある日、ダンジョン攻略に向かう戦士団に入ることに……
パーティに置いていかれ僕は1人ダンジョンに取り残される。
全身ケガだらけでもう助からないだろう……
諦めたその時、手に入れた宝を装備すると無敵の石化状態に!?
頑張って攻撃してくる魔獣には申し訳ないがダメージは皆無。経験値だけが溜まっていく。
気づけば全魔法がレベル100!?
そろそろ反撃開始してもいいですか?
内気な最強魔法使いの僕が美女たちと冒険しながら人助け!
異世界で穴掘ってます!
KeyBow
ファンタジー
修学旅行中のバスにいた筈が、異世界召喚にバスの全員が突如されてしまう。主人公の聡太が得たスキルは穴掘り。外れスキルとされ、屑の外れ者として抹殺されそうになるもしぶとく生き残り、救ってくれた少女と成り上がって行く。不遇といわれるギフトを駆使して日の目を見ようとする物語

異世界に召喚されたが「間違っちゃった」と身勝手な女神に追放されてしまったので、おまけで貰ったスキルで凡人の俺は頑張って生き残ります!
椿紅颯
ファンタジー
神乃勇人(こうのゆうと)はある日、女神ルミナによって異世界へと転移させられる。
しかしまさかのまさか、それは誤転移ということだった。
身勝手な女神により、たった一人だけ仲間外れにされた挙句の果てに粗雑に扱われ、ほぼ投げ捨てられるようなかたちで異世界の地へと下ろされてしまう。
そんな踏んだり蹴ったりな、凡人主人公がおりなす異世界ファンタジー!
イレギュラーから始まるポンコツハンター 〜Fランクハンターが英雄を目指したら〜
KeyBow
ファンタジー
遡ること20年前、世界中に突如として同時に多数のダンジョンが出現し、人々を混乱に陥れた。そのダンジョンから湧き出る魔物たちは、生活を脅かし、冒険者たちの誕生を促した。
主人公、市河銀治は、最低ランクのハンターとして日々を生き抜く高校生。彼の家計を支えるため、ダンジョンに潜り続けるが、その実力は周囲から「洋梨」と揶揄されるほどの弱さだ。しかし、銀治の心には、行方不明の父親を思う強い思いがあった。
ある日、クラスメイトの春森新司からレイド戦への参加を強要され、銀治は不安を抱えながらも挑むことを決意する。しかし、待ち受けていたのは予想外の強敵と仲間たちの裏切り。絶望的な状況で、銀治は新たなスキルを手に入れ、運命を切り開くために立ち上がる。
果たして、彼は仲間たちを救い、自らの運命を変えることができるのか?友情、裏切り、そして成長を描くアクションファンタジーここに始まる!

クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~
いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。
他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。
「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。
しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。
1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化!
自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働!
「転移者が世界を良くする?」
「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」
追放された少年の第2の人生が、始まる――!
※本作品は他サイト様でも掲載中です。

最強無敗の少年は影を従え全てを制す
ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。
産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。
カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。
しかし彼の力は生まれながらにして最強。
そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる