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第105話 甘える

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 俺は同様を隠しきれなかった。
 そんな俺をメイヤがサポートしてくれた。

「セル様、まず落ち着きましょう!詳しくはセバスチャンさんが着いてから聞けば良いと思います」

「ああ、そうだな。うん。内容が内容なだけに少し焦ったよ。よし、迎え入れの準備をしようか」

「私達がなんとかしますから、セル様は休んでいてください」

「そういう訳にはいかないだろう?」

「セル様にしか出来ないことはお願いします。しかし、他の者でできることはこの際任せてみてはどうですか?よい機会だと思いますよ」

「頼めるか?・・・じゃあ悪いけど、少し1人にして欲しい」

 3人はお辞儀をして出ていった。

 一体どういう事だろうか?これまでにない展開だ。

 寝室のベッドに腰を掛け、父との思い出に耽っていると、ふと背中にぬくもりを感じた。
 背中から抱きつき、首に腕を優しく回してくれている。

 その細い腕に手を重ねる。

「メイヤがついています!私は何があろうともセル様の味方です!」

 俺は一度その腕を振りほどいたが、次はその胸に顔を埋める形で30分ほど抱きしめられたが、俺はいつの間にか、メイヤの胸元を濡らしてしまった。

 漸く気持ちの整理ができ、冷静に考える事ができた。

 今思えば何度もゲームをやり直しているが、屋敷が燃えた後は父が登場した記憶はない。

 アルテイシアに聞かないと駄目だなと思い、メイヤを優しく抱き返してから話をする。

「メイヤ、最近少し胸が大きくなったか?」

「な、な、な、こんな時に何を言っているのですか?た、確かに最近大きくなった気はしますけど」

「ははは。やはりそうか。うん、ありがとうな。お陰でだいぶ落ち着いたよ。悪いけど、アルテイシアを呼んでくれないか」

「伽・・・ですか?」

 メイヤの声が消え入りそうだった。

「へっ?違うよ。この事態について放談したいんだ。俺にとって知恵袋だからな。もちろん執務室の方にね。俺は着替えるから、急がなくても良いと言っておいて」

「かしこまりました」

 寝室を出ようとしたので、その手を取りもう1度抱き寄せ、そっとキスをした。

「俺の大事なメイヤ。いつも頼ってばかりだな」

「良いんですよ。たまには頼っていただけると嬉しいから・・・」

 彼女は顔を真赤にしながら出ていった。

「さあってと。まずは着替えて軽く何か食うか。空腹だとろくに考えもまとまらないや」

 ふと見るとテーブルに軽目の食事があった。

 父はこの様になることを予期していた・・・のか?まさかな?

 さっと食べ、着替えると執務室に入り、アルテイシアが来るのを待った。  

 彼女がプレイしたゲームについて、別の角度から知りたい事ができたんだ。
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