異世界の約束:追放者の再興〜外れギフト【光】を授り侯爵家を追い出されたけど本当はチート持ちなので幸せに生きて見返してやります!〜

KeyBow

文字の大きさ
上 下
99 / 173

第99話 屋敷が回る!

しおりを挟む
 あれよあれよといった感じに、2人との雇用契約が進んだ。

 2人にはこの屋敷で鏡を作っている事を話し、口外しないようにお願いをした。

 昼食の後、木工細工に最適なスキルをもつ者に洗濯板の作り方を説明し、いくつかを作った。

 取り敢えずそれを使って洗濯をしてもらう。
 あくまで他の商品の引き立て役としての商品なので、細かい作り込みまでしなくても良い。
 だが、基本を抑えていないと話にならないから、形状を変えた試作品の中から良いのを選び、それを見本とする。

 しかし、いきなり売るのは危険なので、使用してもらって意見を聞く。

 改良の余地は大きいが、それは模造品を作るやつがすればよい。
 洗濯板を作るのには理由がある。

 生産系のスキルは作れば作るだけ経験値が入る。
 それによりレベルが上がり、スキルのレベルも上がるので、洗濯板の作成を大量にすることに意味があった。
 お金は二の次なんだ。

 当面の目票は鏡の枠を作ること。
 今は簡素な飾り気のないシンプルな枠だけなんだ。
 彼女のスキル練度がまだ低く、最低限のしか出来なかった。

 スキルレベルが上がると、彫刻が施され、鏡の価値も上がる・・・はずかな。

 鏡本体を作るメンバーもそうだけど、俺のスキルでレベルを上げてはいけない気がして、敢えて上げずに、数をこなして地道に上げている。

 ウルナ達はそのようなことを知らなかったから、細々と作っていてレベルが上がっていなかった。
 なので大したモノが作れず、中々売れない。
 それに連携して付加価値のあるモノを作る発想がなかった。
 なのでお金がなかった。

 つまり負のスパイラルに陥っていたんだ。

 俺が彼女達を利用していると思わないのか?
 そんな事をウルナに聞いてみたんだが、全く思っていないと言い切ったんだ。

「俺は君達を利用してコネを作り、金を稼ぎたいだけなんだよ!」

「はいはい。そういう事にしておきましょうね」

「ホントの事だぞ?」

「もしそうならそれでも良いのよ。だって、こんな立派なお屋敷に住んでいるし、例え利用していたとしても、底辺の生活から救い出してくれたのは貴方なのよ。貴方はそんな事をしないけど、俺の子を産んでくれ!とあの子達に一言言えば、皆貴方の子を産むのよ」

「いや、流石にそれは・・・」

「例えよ。あの子達はそれほど貴方に感謝しているのよ。それに利用しているにしては貴方のお財布は中々膨らんでこないと思うの」

 俺は苦笑するしか無かった。
 ウルナといるとよく分からなくなる。
 ふと気が付くと彼女達の可能性を広げる事に奔走していた。
 俺の指示を一切疑わず実行する。
 俺は俺で、最初はどんなスキル持ちなのか確認した時、稼ぐ事が可能だ!と思わなくはなかった。

 次の瞬間、稼いだお金の使い道が頭に浮かんだ。
 当然ながら稼ぐための経費を引いてと、計算はしていたんだ。
 で、残った利益について真っ先に思ったのは、綺麗なというか、着飾る方じゃなく、継ぎ接ぎのない真新しい服に袖を通し、あんなボロ小屋じゃなく、まともな家に住ませてあげたいと思ったんだ。

 確かにお金を稼ぐ為の事を考えたけど、不思議と私利私欲の為にとは思わなかった。

 貴族らしからぬ考えなんだ。
 それに支配欲とかじゃなく、彼女達が夜にストリートに立ち、あたしと遊んでかない?と酔っぱらいに抱かれる所を見たくなかった。

 しかも鏡のを作らせ、それを見た時の顔を忘れられない。
 作るのに関わったメンバーは例外なく泣いたからだ。

 家事を皆で分担していたけど、無駄が多かった。
 段取りが悪く、時折俺が指示をすることもあった。
 これまではウルナが仕切れていたけど、残念だが貴族の屋敷に関してはやりようがなかった。
 頑張っていたけど、勝手が違いすぎた。
 だけどこれからは違う。

 メイド長と執事長が来る!そうだ!屋敷が回る!
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

(完結)魔王討伐後にパーティー追放されたFランク魔法剣士は、超レア能力【全スキル】を覚えてゲスすぎる勇者達をザマアしつつ世界を救います

しまうま弁当
ファンタジー
魔王討伐直後にクリードは勇者ライオスからパーティーから出て行けといわれるのだった。クリードはパーティー内ではつねにFランクと呼ばれ戦闘にも参加させてもらえず場美雑言は当たり前でクリードはもう勇者パーティーから出て行きたいと常々考えていたので、いい機会だと思って出て行く事にした。だがラストダンジョンから脱出に必要なリアーの羽はライオス達は分けてくれなかったので、仕方なく一階層づつ上っていく事を決めたのだった。だがなぜか後ろから勇者パーティー内で唯一のヒロインであるミリーが追いかけてきて一緒に脱出しようと言ってくれたのだった。切羽詰まっていると感じたクリードはミリーと一緒に脱出を図ろうとするが、後ろから追いかけてきたメンバーに石にされてしまったのだった。

スライムすら倒せない底辺冒険者の俺、レベルアップしてハーレムを築く(予定)〜ユニークスキル[レベルアップ]を手に入れた俺は最弱魔法で無双する

カツラノエース
ファンタジー
ろくでもない人生を送っていた俺、海乃 哲也は、 23歳にして交通事故で死に、異世界転生をする。 急に異世界に飛ばされた俺、もちろん金は無い。何とか超初級クエストで金を集め武器を買ったが、俺に戦いの才能は無かったらしく、スライムすら倒せずに返り討ちにあってしまう。 完全に戦うということを諦めた俺は危険の無い薬草集めで、何とか金を稼ぎ、ひもじい思いをしながらも生き繋いでいた。 そんな日々を過ごしていると、突然ユニークスキル[レベルアップ]とやらを獲得する。 最初はこの胡散臭過ぎるユニークスキルを疑ったが、薬草集めでレベルが2に上がった俺は、好奇心に負け、ダメ元で再びスライムと戦う。 すると、前までは歯が立たなかったスライムをすんなり倒せてしまう。 どうやら本当にレベルアップしている模様。 「ちょっと待てよ?これなら最強になれるんじゃね?」 最弱魔法しか使う事の出来ない底辺冒険者である俺が、レベルアップで高みを目指す物語。 他サイトにも掲載しています。

異世界召喚されたら無能と言われ追い出されました。~この世界は俺にとってイージーモードでした~

WING/空埼 裕@書籍発売中
ファンタジー
 1~8巻好評発売中です!  ※2022年7月12日に本編は完結しました。  ◇ ◇ ◇  ある日突然、クラスまるごと異世界に勇者召喚された高校生、結城晴人。  ステータスを確認したところ、勇者に与えられる特典のギフトどころか、勇者の称号すらも無いことが判明する。  晴人たちを召喚した王女は「無能がいては足手纏いになる」と、彼のことを追い出してしまった。  しかも街を出て早々、王女が差し向けた騎士によって、晴人は殺されかける。  胸を刺され意識を失った彼は、気がつくと神様の前にいた。  そしてギフトを与え忘れたお詫びとして、望むスキルを作れるスキルをはじめとしたチート能力を手に入れるのであった──  ハードモードな異世界生活も、やりすぎなくらいスキルを作って一発逆転イージーモード!?  前代未聞の難易度激甘ファンタジー、開幕!

異世界で穴掘ってます!

KeyBow
ファンタジー
修学旅行中のバスにいた筈が、異世界召喚にバスの全員が突如されてしまう。主人公の聡太が得たスキルは穴掘り。外れスキルとされ、屑の外れ者として抹殺されそうになるもしぶとく生き残り、救ってくれた少女と成り上がって行く。不遇といわれるギフトを駆使して日の目を見ようとする物語

誰一人帰らない『奈落』に落とされたおっさん、うっかり暗号を解読したら、未知の遺物の使い手になりました!

ミポリオン
ファンタジー
旧題:巻き込まれ召喚されたおっさん、無能で誰一人帰らない場所に追放されるも、超古代文明の暗号を解いて力を手にいれ、楽しく生きていく  高校生達が勇者として召喚される中、1人のただのサラリーマンのおっさんである福菅健吾が巻き込まれて異世界に召喚された。  高校生達は強力なステータスとスキルを獲得したが、おっさんは一般人未満のステータスしかない上に、異世界人の誰もが持っている言語理解しかなかったため、転移装置で誰一人帰ってこない『奈落』に追放されてしまう。  しかし、そこに刻まれた見たこともない文字を、健吾には全て理解する事ができ、強大な超古代文明のアイテムを手に入れる。  召喚者達は気づかなかった。健吾以外の高校生達の通常スキル欄に言語スキルがあり、健吾だけは固有スキルの欄に言語スキルがあった事を。そしてそのスキルが恐るべき力を秘めていることを。 ※カクヨムでも連載しています

外れギフト魔石抜き取りの奇跡!〜スライムからの黄金ルート!婚約破棄されましたのでもうお貴族様は嫌です〜

KeyBow
ファンタジー
 この世界では、数千年前に突如現れた魔物が人々の生活に脅威をもたらしている。中世を舞台にした典型的なファンタジー世界で、冒険者たちは剣と魔法を駆使してこれらの魔物と戦い、生計を立てている。  人々は15歳の誕生日に神々から加護を授かり、特別なギフトを受け取る。しかし、主人公ロイは【魔石操作】という、死んだ魔物から魔石を抜き取るという外れギフトを授かる。このギフトのために、彼は婚約者に見放され、父親に家を追放される。  運命に翻弄されながらも、ロイは冒険者ギルドの解体所部門で働き始める。そこで彼は、生きている魔物から魔石を抜き取る能力を発見し、これまでの外れギフトが実は隠された力を秘めていたことを知る。  ロイはこの新たな力を使い、自分の運命を切り開くことができるのか?外れギフトを当りギフトに変え、チートスキルを手に入れた彼の物語が始まる。

異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜

KeyBow
ファンタジー
 間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。  何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。  召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!  しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・  いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。  その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。  上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。  またぺったんこですか?・・・

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

処理中です...