異世界の約束:追放者の再興〜外れギフト【光】を授り侯爵家を追い出されたけど本当はチート持ちなので幸せに生きて見返してやります!〜

KeyBow

文字の大きさ
上 下
97 / 173

第97話 来客

しおりを挟む
 俺達はリアカーに切り分けた板を満載し、丸太からでた端材を積み込んだ。
 まだ余裕があるので薬草も乗せた


「なあセルにぃ、こんな端切れなんそて何に使うの?」

 この子は9歳の男の子で、名前はコット。
 確かコールットンだったか。
 言い難いからとコットンやコットと呼ばれている。
 特に俺に懐いている子だ。
 最近はマシだけど、最初に見た時は細く弱々しかった。
 ウルナを責める訳じゃないけど、明らかに栄養不足で細かった。
 背は同年代の中では高いので、余計細く見える。

 最近は特に肉を遠目に食べさせているのもあり、少しはマシになってきた。

「ああ。これは帰ったらコットにも手伝ってもらうけど、細かく砕いてチップにしてから使うんだ」

「何に?」

「何だと思う?」

「分かった、飾りを作るんだ?」

「それも良いね。よし、これを利用して、なにか飾りを作ってみるか!」

「でもセルにぃの思っている使い方とは違うんだよね?」

「いや、今のもありなんだよ!俺には思いつかなかったけど!まあ、俺が考えたのはさ、皮は庭の樹の下に敷しめるんだ。雑草の予防とか、虫が入るのを防ぐデコレーションバークとしてだよ。もう1つは、燻すんだよ」

「燻したらケムケムにならない?」  

 ・
 ・
 ・

 そんな話をしながら屋敷に帰った。
 屋敷組は着々と掃除を終え、メイヤが対応していたが、丁度元々この屋敷で働いていた使用人が訪れており、俺は荷物をそのままに応対に追われた。

「セル様お帰りなさいませ!良かった!この方達が、新たに屋敷の主になった人と話したいと来られたんです」

「分かった。このままで大丈夫そう?」

「暫く待ってもらっているのと、元の使用人なので大丈夫かと」

「メイヤも同席できるか?」

「お供します」

 ・
 ・
 ・

 俺達は広間に向かった。
 応接室は一時的に本来の使い方ができない。

 今は鏡作りはストップし、掃除や自分たちが住む為の模様替えなどをしている。

 なので話ができるのがここしかなかった。

 俺がいないのに、主の部屋でまたすわけにもいかず、ここに落ち着いたそうだ。

 そう言えば領主も少ないが使用人がいた旨話していたが、俺がそのまま雇う話はなかったし、その使用人がどうなったか聞かなかった。

 俺達が広間に入ると、座っていた老執事と30代のメイド服を着た少し恰幅の良い女性がいて、立ち上がり、きれいなお辞儀をした。

「こちらが当屋敷の主となりましたセルカッツ様です」

「存じております。メイヤ殿共々闘技大会にてそのご勇姿を見ておりましたので」

「こちらの紹介はいらなさそうだね。で、そちらさんは?」

「失礼を承知でお尋ねいたします。セルカッツ様は我らが何者か分かっておいでなのでは?」

「そう来ましたか。まず、貴方は先日までここで執事長をしていたのでしょう。違いますか?」

「お見事でございます。さすればこれはなんと見られます?」

「まあ、余程のアホじゃない限り、貴方のことは外さないでしょう。
 そうだね、この女性はメイドとしてこの屋敷にいた者の1人なのは間違いないでしょう。しかし、そのような答えを求めてはいないのでしょう?」

「おっしゃる通りで御座います」

「そうだなぁ、次期メイド長か、メイド長になったばかりでしょう。更にいうと、貴方の娘でしょう。しかも試しているのはおれじゃなく、貴方の方だね?」

 メイヤはキョトンとしていた。

「はっ。おみそれ致しました。先ず私は執事長をしておりましたジンベエと申します。この者は前の持ち主が亡くなる1週間前にメイド長を引き継いだ我が娘ルイルにございます」

 続いてルイルも父親の無礼を謝りつつ挨拶をしていった。


しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

【完結】初級魔法しか使えない低ランク冒険者の少年は、今日も依頼を達成して家に帰る。

アノマロカリス
ファンタジー
少年テッドには、両親がいない。 両親は低ランク冒険者で、依頼の途中で魔物に殺されたのだ。 両親の少ない保険でやり繰りしていたが、もう金が尽きかけようとしていた。 テッドには、妹が3人いる。 両親から「妹達を頼む!」…と出掛ける前からいつも約束していた。 このままでは家族が離れ離れになると思ったテッドは、冒険者になって金を稼ぐ道を選んだ。 そんな少年テッドだが、パーティーには加入せずにソロ活動していた。 その理由は、パーティーに参加するとその日に家に帰れなくなるからだ。 両親は、小さいながらも持ち家を持っていてそこに住んでいる。 両親が生きている頃は、父親の部屋と母親の部屋、子供部屋には兄妹4人で暮らしていたが…   両親が死んでからは、父親の部屋はテッドが… 母親の部屋は、長女のリットが、子供部屋には、次女のルットと三女のロットになっている。 今日も依頼をこなして、家に帰るんだ! この少年テッドは…いや、この先は本編で語ろう。 お楽しみくださいね! HOTランキング20位になりました。 皆さん、有り難う御座います。

(完結)魔王討伐後にパーティー追放されたFランク魔法剣士は、超レア能力【全スキル】を覚えてゲスすぎる勇者達をザマアしつつ世界を救います

しまうま弁当
ファンタジー
魔王討伐直後にクリードは勇者ライオスからパーティーから出て行けといわれるのだった。クリードはパーティー内ではつねにFランクと呼ばれ戦闘にも参加させてもらえず場美雑言は当たり前でクリードはもう勇者パーティーから出て行きたいと常々考えていたので、いい機会だと思って出て行く事にした。だがラストダンジョンから脱出に必要なリアーの羽はライオス達は分けてくれなかったので、仕方なく一階層づつ上っていく事を決めたのだった。だがなぜか後ろから勇者パーティー内で唯一のヒロインであるミリーが追いかけてきて一緒に脱出しようと言ってくれたのだった。切羽詰まっていると感じたクリードはミリーと一緒に脱出を図ろうとするが、後ろから追いかけてきたメンバーに石にされてしまったのだった。

異世界に召喚されたが「間違っちゃった」と身勝手な女神に追放されてしまったので、おまけで貰ったスキルで凡人の俺は頑張って生き残ります!

椿紅颯
ファンタジー
神乃勇人(こうのゆうと)はある日、女神ルミナによって異世界へと転移させられる。 しかしまさかのまさか、それは誤転移ということだった。 身勝手な女神により、たった一人だけ仲間外れにされた挙句の果てに粗雑に扱われ、ほぼ投げ捨てられるようなかたちで異世界の地へと下ろされてしまう。 そんな踏んだり蹴ったりな、凡人主人公がおりなす異世界ファンタジー!

イレギュラーから始まるポンコツハンター 〜Fランクハンターが英雄を目指したら〜

KeyBow
ファンタジー
遡ること20年前、世界中に突如として同時に多数のダンジョンが出現し、人々を混乱に陥れた。そのダンジョンから湧き出る魔物たちは、生活を脅かし、冒険者たちの誕生を促した。 主人公、市河銀治は、最低ランクのハンターとして日々を生き抜く高校生。彼の家計を支えるため、ダンジョンに潜り続けるが、その実力は周囲から「洋梨」と揶揄されるほどの弱さだ。しかし、銀治の心には、行方不明の父親を思う強い思いがあった。 ある日、クラスメイトの春森新司からレイド戦への参加を強要され、銀治は不安を抱えながらも挑むことを決意する。しかし、待ち受けていたのは予想外の強敵と仲間たちの裏切り。絶望的な状況で、銀治は新たなスキルを手に入れ、運命を切り開くために立ち上がる。 果たして、彼は仲間たちを救い、自らの運命を変えることができるのか?友情、裏切り、そして成長を描くアクションファンタジーここに始まる!

異世界で穴掘ってます!

KeyBow
ファンタジー
修学旅行中のバスにいた筈が、異世界召喚にバスの全員が突如されてしまう。主人公の聡太が得たスキルは穴掘り。外れスキルとされ、屑の外れ者として抹殺されそうになるもしぶとく生き残り、救ってくれた少女と成り上がって行く。不遇といわれるギフトを駆使して日の目を見ようとする物語

ザコ魔法使いの僕がダンジョンで1人ぼっち!魔獣に襲われても石化した僕は無敵状態!経験値が溜まり続けて気づいた時には最強魔導士に!?

さかいおさむ
ファンタジー
戦士は【スキル】と呼ばれる能力を持っている。 僕はスキルレベル1のザコ魔法使いだ。 そんな僕がある日、ダンジョン攻略に向かう戦士団に入ることに…… パーティに置いていかれ僕は1人ダンジョンに取り残される。 全身ケガだらけでもう助からないだろう…… 諦めたその時、手に入れた宝を装備すると無敵の石化状態に!? 頑張って攻撃してくる魔獣には申し訳ないがダメージは皆無。経験値だけが溜まっていく。 気づけば全魔法がレベル100!? そろそろ反撃開始してもいいですか? 内気な最強魔法使いの僕が美女たちと冒険しながら人助け!

クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~

いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。 他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。 「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。 しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。 1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化! 自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働! 「転移者が世界を良くする?」 「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」 追放された少年の第2の人生が、始まる――! ※本作品は他サイト様でも掲載中です。

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

処理中です...