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第80話 領主の奥方達
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領主の屋敷は本来城がある所に建っていた。
元々主要街道から少し離れていて、戦争が起こってもわざわざ占領しに来るほどの戦略上重要な要衝ではなく、周辺の魔物が少々厄介な土地だ。
主要産業は観光だ。
闘技場はこの大陸でもいくつが有り、各種の戦いが開催されているも、最高格式の大会はこの町で行われる。
闘技場に訪れる人を相手にする商売で発展してきた。
なので城の必要性がなく、屋敷だ。
屋敷に着くと、そのまま応接に案内される。
領主と奥様は着替えに行き、俺達は応接にて待つ。
直ぐに着替えると言われたが、俺やメイヤは良い。
だが、ウルナさんは可哀想な位オロオロしていた。
貴族の、ましてや領主の屋敷になんて、本来無縁のはずだ。
メイドに案内され、座る場所も指示された。
というのも、上座と下座のない変わったレイアウトだ。
5つの1人掛けのソファーが長ソファーのように並べられ、それが対面する形で間にローテーブルがある。
また、横もソファーが2つ並べられている。
それとは別に普通の応接セットも在るようだ。
つまり、領主は何人か同席させるようだ。
ウルナさんが右、左にメイヤが座る。
ウルナさんが狼狽えているので、手を握って落ち着かせる。
ウルナさんは真っ赤だ。
可愛いなと思うも、もう肌をかさねたのに不思議だなあと思う。
10分程で領主が現れ、立ち上がろうとするも静止された。
後ろに先程の奥様とは別の女性も連れてきており、先程の女性が第3夫人、新たに連れてきたのが第1夫人と第2夫人だった。
領主様に贈り物があるが、先のと同じだと伝えてある。
屋敷で受け取るとなり、この2人に直接渡す事になった。
領主の両脇にいるので、ウルナさんとメイヤが奥様方に渡した。
「こちらをお収め下さい。閣下より直接お渡しするようにとの事でしたので」
訝しげにしていた。
「2人共開けてみなさい。気にいるはずだ」
包みを無造作に開けるが、そこは貴族の夫人、上品な所作だ。
30代前半と20代後半だ。
そして絶句した。
鏡を手に取り己の顔をまじまじと見ていた。
「こ、これは・・・す、素晴らしいですわ!宜しいの?」
興奮しているのが分かる。
この世界の鏡は金属の塊を研磨してできた物で、少し歪で色も変だった。
それでも高貴な女性は美を求め、日に何度も顔を見る。
元々の形容は変わらないが、化粧で別人にまで化ける。
化粧はメイドがするが、お任せではない。
細かく注文を付け、注文通りの見た目かどうか、化粧がくずれていないか等を見る。
ひと目でこの鏡の品質が分かったようで、目を輝かせていた。
「この鏡はどうだ?お前達はどう思う?」
「はい。素晴らしいとしか言えません。これはどのようにして入手されたのですか?もっと大きいのはないのでしょうか?」
「はい。こちらにいるウルナが率いるチームが製造をしております。まだ試作の段階で、これから販売を予定しており、閣下のお力添えを頂きたくお願いに上がりました。試作の段階ではありますが、これくらいのもあります」
30Cm四方の大きさを示すと、第1夫人は物欲しげに夫である領主を見た。
「これは革命です。この鏡を手に入れる為に死人がでる程ですわ!貴方、是非後ろ楯になり、販売する事をおすすめします!」
他の夫人も同意し頷く。
「さて、セルカッツ君、鏡の販売について話をしようか。お前達は下がっても良いぞ」
「セルカッツ様、この2人は奥様ですか?」
「色々ありまして、何れ妻にと思っております。これも閣下に相談しないとですが、彼女は父より送られた奴隷でして、先ずは奴隷から解放したいのです。ちゃんと奴隷から解放してからの話です」
「あなた、私達はこの子達とお茶をしようと思いますが構わないかしら?」
領主は俺の方を見る。
「奥様、それではこの2人がご伴相させていただきます。ただ、こちらのウルナは完全に平民でして、無作法や無知な所があるかと思いますが、何卒ご容赦を。ただ、こちらのメイヤはメイドをしておりますから大丈夫だとは思いますが」
「ふふふ。構いませんわ。初で可愛らしいでは有りませんか。気に入りましたわ。では2人共、男達の話は逃げるのが吉でしてよ」
そうして俺は領主と話を始めた。
元々主要街道から少し離れていて、戦争が起こってもわざわざ占領しに来るほどの戦略上重要な要衝ではなく、周辺の魔物が少々厄介な土地だ。
主要産業は観光だ。
闘技場はこの大陸でもいくつが有り、各種の戦いが開催されているも、最高格式の大会はこの町で行われる。
闘技場に訪れる人を相手にする商売で発展してきた。
なので城の必要性がなく、屋敷だ。
屋敷に着くと、そのまま応接に案内される。
領主と奥様は着替えに行き、俺達は応接にて待つ。
直ぐに着替えると言われたが、俺やメイヤは良い。
だが、ウルナさんは可哀想な位オロオロしていた。
貴族の、ましてや領主の屋敷になんて、本来無縁のはずだ。
メイドに案内され、座る場所も指示された。
というのも、上座と下座のない変わったレイアウトだ。
5つの1人掛けのソファーが長ソファーのように並べられ、それが対面する形で間にローテーブルがある。
また、横もソファーが2つ並べられている。
それとは別に普通の応接セットも在るようだ。
つまり、領主は何人か同席させるようだ。
ウルナさんが右、左にメイヤが座る。
ウルナさんが狼狽えているので、手を握って落ち着かせる。
ウルナさんは真っ赤だ。
可愛いなと思うも、もう肌をかさねたのに不思議だなあと思う。
10分程で領主が現れ、立ち上がろうとするも静止された。
後ろに先程の奥様とは別の女性も連れてきており、先程の女性が第3夫人、新たに連れてきたのが第1夫人と第2夫人だった。
領主様に贈り物があるが、先のと同じだと伝えてある。
屋敷で受け取るとなり、この2人に直接渡す事になった。
領主の両脇にいるので、ウルナさんとメイヤが奥様方に渡した。
「こちらをお収め下さい。閣下より直接お渡しするようにとの事でしたので」
訝しげにしていた。
「2人共開けてみなさい。気にいるはずだ」
包みを無造作に開けるが、そこは貴族の夫人、上品な所作だ。
30代前半と20代後半だ。
そして絶句した。
鏡を手に取り己の顔をまじまじと見ていた。
「こ、これは・・・す、素晴らしいですわ!宜しいの?」
興奮しているのが分かる。
この世界の鏡は金属の塊を研磨してできた物で、少し歪で色も変だった。
それでも高貴な女性は美を求め、日に何度も顔を見る。
元々の形容は変わらないが、化粧で別人にまで化ける。
化粧はメイドがするが、お任せではない。
細かく注文を付け、注文通りの見た目かどうか、化粧がくずれていないか等を見る。
ひと目でこの鏡の品質が分かったようで、目を輝かせていた。
「この鏡はどうだ?お前達はどう思う?」
「はい。素晴らしいとしか言えません。これはどのようにして入手されたのですか?もっと大きいのはないのでしょうか?」
「はい。こちらにいるウルナが率いるチームが製造をしております。まだ試作の段階で、これから販売を予定しており、閣下のお力添えを頂きたくお願いに上がりました。試作の段階ではありますが、これくらいのもあります」
30Cm四方の大きさを示すと、第1夫人は物欲しげに夫である領主を見た。
「これは革命です。この鏡を手に入れる為に死人がでる程ですわ!貴方、是非後ろ楯になり、販売する事をおすすめします!」
他の夫人も同意し頷く。
「さて、セルカッツ君、鏡の販売について話をしようか。お前達は下がっても良いぞ」
「セルカッツ様、この2人は奥様ですか?」
「色々ありまして、何れ妻にと思っております。これも閣下に相談しないとですが、彼女は父より送られた奴隷でして、先ずは奴隷から解放したいのです。ちゃんと奴隷から解放してからの話です」
「あなた、私達はこの子達とお茶をしようと思いますが構わないかしら?」
領主は俺の方を見る。
「奥様、それではこの2人がご伴相させていただきます。ただ、こちらのウルナは完全に平民でして、無作法や無知な所があるかと思いますが、何卒ご容赦を。ただ、こちらのメイヤはメイドをしておりますから大丈夫だとは思いますが」
「ふふふ。構いませんわ。初で可愛らしいでは有りませんか。気に入りましたわ。では2人共、男達の話は逃げるのが吉でしてよ」
そうして俺は領主と話を始めた。
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