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第59話 団体戦決勝トーナメント開始
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闘技大会は領主の主催であり、警備を担っているのは領主の私兵である。
今回警備兵に落ち度はなかった。
予め参加者の中に暗殺者を潜り込ませていたからだ。
1種のトロイの木馬だ。
どれだけ警備をしようが、内側に入りこまれたら、その時点で詰んでいる。
中には付き人もおり、宿は騒然となっていた。
各部屋に兵士が赴いて点検をしたが、今回の件とは関係なく違反をしている者がいた。
女を連れ込み、しっぽりとやっていたのだ。
付き人ではなく、娼婦を呼んでいた。
外部の人間との接触が禁止されていたのにも関わらずだ。
しかも取り締まるべき兵士が手配までしていた。
ただ、幸いな事に単に知り合いの探索者に女を手配しただけで、その女達は付き人扱いにされ大会が終わるまで商売ができなくなったおまけもある。
こぴっどく怒られ、減給されたそうだが、その程度で済んだのはその兵士にとって幸いだろう。
まあ、その相手の対戦相手が俺達だったから、まあ頑張れよ的な事で、負がほぼ確定しているのでその程度で済んだらしい。
捕えた奴らを引き渡し、別の部屋に移った。
そのお蔭で、本戦に出場する者が泊まっている部屋の前には歩哨が付き、トイレにも付いてくるので、女子は困っていたな。
ただ、俺は気分が悪く、賊を引き渡した後は早々に眠りについた。
翌朝、2日酔い状態で、頼むから俺に回すな!といった感じでふらふらな状態で闘技場に。
近いが馬車で移動だ。
これは親切ではなく、第三者との接触を避けるためだ。
俺は他の試合を見る余裕がなく、メイヤ達が戦うのをぼうっと見ていた。
ただ、メイヤの出番はなかった。
つまり2試合とも先鋒、次鋒、中堅の3人で終わったからだ。
また、ミジックルとヨルミクル達は決勝トーナメント1試合目を勝てば、1人の奴隷化を免除するとしたが相手は黒き薔薇だった。
先鋒は件の助っ人が勝ち、次鋒はヨルミクルが勝った。
しかし、黒き薔薇の中堅はアルテイシアさんで、彼女はミジックル相手に杖でさくっと勝った。
突進してくるミジックルを紙一重で躱すと、杖で足元を引っ掛け、前のめりに体が浮いた所に、胸当ての留具に杖を掛けて振り抜き、文字通り観客席に飛ばした。
これでミジックルは場外アウト。
この後斧使いと鈍器部門の優勝者が無双しヨルミクルとミジックルは愕然としていた。
ただ、黒き薔薇も次の試合はストレート勝ちで、明日の決勝は予測通り黒き薔薇と氷艶の魔眼との戦いだ。
ただ、試合形式は当日ルーレットを回して決まるとの事だったが、決まったあと30分の準備時間の後始まるとの事だ。
その後、俺はミジックルとヨルミクルと面談した。
2人共最終の個人総合に出るそうだ。
「チャンスが欲しいか?」
「チャンスを頂けるのか?そ、その条件とは?」
「そうだな。2人共予選を勝ち抜いたら1人を、決勝で2勝したら1人を。優勝したら2人共奴隷になるのを免除してやる。但し、どちらもヨルミクルはミジックルへ仕える身から開放はしてもらい、ミジックルとヨルミクルはもう合う事ができなくする」
「てめぇ、俺達が達成できないと思っていって言っているだろう?」
「2人共決勝に上がる事は不可能じゃないだろ?それに片方しか上がれなくても、決勝戦まで行けたら2人共に開放だ。ヨルミクルの剣の腕は間違いなく決勝戦まで来れる。問題はお前だ」
ミジックルは項垂れていた。
勿論俺は可能性はあると思うが、実際は不可能だと思っている。
別れ際にヨルミクルに袖を掴まれた。
「セルカッツ殿、どうしてチャンスを与えてくれるのだ?やはり醜女は抱けぬからか?」
「まあ、思う所があるとだけ言っておくよ。2人が決勝トーナメントに残れるのかは運次第だ。ただ、各武器の優勝者を倒さないと決勝トーナメントには出れないからな。君に関しては決勝トーナメントに行けるだろう。俺も君とはもう一度戦ってみたいと思う。それと君は醜女ではないよ。まあ俺のモノになったら治療して美女にしてやるよ!でも決勝トーナメントに残れなかったら、それをする意欲は薄くなるだろうさ」
「うむ。セルカッツ殿の考えがよくわからぬ。セルカッツ殿の女になれば治療が出来るが、それには強さを見せろと言う事ですか?」
「さて、どうだろうな。だが、どちらにしろこれまでの事を何もなかった事にして開放するというのはない。悪いが君は欲しい。だからミジックルの本家とは縁を切らせてもらう」
「私は口説かれているのか?」
「ある意味そうだね。君の刀術に惚れたよ」
「分かりました。明日の決勝は応援させて頂きます。私も個人総合ではセルカッツ殿に失望されなきよう頑張りますとしか言えません。それでは」
真面目だなぁと思うが、確かにヨルミクルとの決勝は心が踊った。
メイヤの話だと、俺の姿は見た事のないようなだらしないと言うか、子供が新しい玩具にはしゃぐような印象を受けたと言っていたな。
今回警備兵に落ち度はなかった。
予め参加者の中に暗殺者を潜り込ませていたからだ。
1種のトロイの木馬だ。
どれだけ警備をしようが、内側に入りこまれたら、その時点で詰んでいる。
中には付き人もおり、宿は騒然となっていた。
各部屋に兵士が赴いて点検をしたが、今回の件とは関係なく違反をしている者がいた。
女を連れ込み、しっぽりとやっていたのだ。
付き人ではなく、娼婦を呼んでいた。
外部の人間との接触が禁止されていたのにも関わらずだ。
しかも取り締まるべき兵士が手配までしていた。
ただ、幸いな事に単に知り合いの探索者に女を手配しただけで、その女達は付き人扱いにされ大会が終わるまで商売ができなくなったおまけもある。
こぴっどく怒られ、減給されたそうだが、その程度で済んだのはその兵士にとって幸いだろう。
まあ、その相手の対戦相手が俺達だったから、まあ頑張れよ的な事で、負がほぼ確定しているのでその程度で済んだらしい。
捕えた奴らを引き渡し、別の部屋に移った。
そのお蔭で、本戦に出場する者が泊まっている部屋の前には歩哨が付き、トイレにも付いてくるので、女子は困っていたな。
ただ、俺は気分が悪く、賊を引き渡した後は早々に眠りについた。
翌朝、2日酔い状態で、頼むから俺に回すな!といった感じでふらふらな状態で闘技場に。
近いが馬車で移動だ。
これは親切ではなく、第三者との接触を避けるためだ。
俺は他の試合を見る余裕がなく、メイヤ達が戦うのをぼうっと見ていた。
ただ、メイヤの出番はなかった。
つまり2試合とも先鋒、次鋒、中堅の3人で終わったからだ。
また、ミジックルとヨルミクル達は決勝トーナメント1試合目を勝てば、1人の奴隷化を免除するとしたが相手は黒き薔薇だった。
先鋒は件の助っ人が勝ち、次鋒はヨルミクルが勝った。
しかし、黒き薔薇の中堅はアルテイシアさんで、彼女はミジックル相手に杖でさくっと勝った。
突進してくるミジックルを紙一重で躱すと、杖で足元を引っ掛け、前のめりに体が浮いた所に、胸当ての留具に杖を掛けて振り抜き、文字通り観客席に飛ばした。
これでミジックルは場外アウト。
この後斧使いと鈍器部門の優勝者が無双しヨルミクルとミジックルは愕然としていた。
ただ、黒き薔薇も次の試合はストレート勝ちで、明日の決勝は予測通り黒き薔薇と氷艶の魔眼との戦いだ。
ただ、試合形式は当日ルーレットを回して決まるとの事だったが、決まったあと30分の準備時間の後始まるとの事だ。
その後、俺はミジックルとヨルミクルと面談した。
2人共最終の個人総合に出るそうだ。
「チャンスが欲しいか?」
「チャンスを頂けるのか?そ、その条件とは?」
「そうだな。2人共予選を勝ち抜いたら1人を、決勝で2勝したら1人を。優勝したら2人共奴隷になるのを免除してやる。但し、どちらもヨルミクルはミジックルへ仕える身から開放はしてもらい、ミジックルとヨルミクルはもう合う事ができなくする」
「てめぇ、俺達が達成できないと思っていって言っているだろう?」
「2人共決勝に上がる事は不可能じゃないだろ?それに片方しか上がれなくても、決勝戦まで行けたら2人共に開放だ。ヨルミクルの剣の腕は間違いなく決勝戦まで来れる。問題はお前だ」
ミジックルは項垂れていた。
勿論俺は可能性はあると思うが、実際は不可能だと思っている。
別れ際にヨルミクルに袖を掴まれた。
「セルカッツ殿、どうしてチャンスを与えてくれるのだ?やはり醜女は抱けぬからか?」
「まあ、思う所があるとだけ言っておくよ。2人が決勝トーナメントに残れるのかは運次第だ。ただ、各武器の優勝者を倒さないと決勝トーナメントには出れないからな。君に関しては決勝トーナメントに行けるだろう。俺も君とはもう一度戦ってみたいと思う。それと君は醜女ではないよ。まあ俺のモノになったら治療して美女にしてやるよ!でも決勝トーナメントに残れなかったら、それをする意欲は薄くなるだろうさ」
「うむ。セルカッツ殿の考えがよくわからぬ。セルカッツ殿の女になれば治療が出来るが、それには強さを見せろと言う事ですか?」
「さて、どうだろうな。だが、どちらにしろこれまでの事を何もなかった事にして開放するというのはない。悪いが君は欲しい。だからミジックルの本家とは縁を切らせてもらう」
「私は口説かれているのか?」
「ある意味そうだね。君の刀術に惚れたよ」
「分かりました。明日の決勝は応援させて頂きます。私も個人総合ではセルカッツ殿に失望されなきよう頑張りますとしか言えません。それでは」
真面目だなぁと思うが、確かにヨルミクルとの決勝は心が踊った。
メイヤの話だと、俺の姿は見た事のないようなだらしないと言うか、子供が新しい玩具にはしゃぐような印象を受けたと言っていたな。
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