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第44話 決勝戦・槍!ネタ技炸裂!
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メイヤは槍を片手に軽やかに駆け、お互いにやりの間合いに入ると先ずは様子見といった感じに槍を繰り出す。
しかしどちらも躱し一旦距離を置く。
メイヤはこれまでの相手と違い、この人強い!とこの大会に出て初めてそう思う相手と対峙した。
セルカッツと向き合うのは別として、敵としては初めての事に戸惑いと歓びを感じる。
だが、そんな感傷に浸る暇はなく、相手が動いた。
「見事受けてみよ!3連槍!」
男がそう言って槍を繰り出した。
その槍は一瞬にして颯爽と3度突かれ、その穂先は鋭い風切り音を刻んだ。
メイヤは目を見開き、その迫力に圧倒されながらも素早く武器を構えて応戦の姿勢を取った。
彼女は最初の突きを左に躱し、次の突きを右へ避けると同時にその勢いを利用して一気に距離を詰めた。
男の3連槍はメイヤの巧妙な動きによって1度も命中しなかったが、それでも彼の目には確かな自信と闘志が宿っていた。
彼は槍を操る手際の良さと、確かな槍技を持つ少女に、自分に対し挑む意気込みを感じていた。
この戦いはただの闘いではなく、彼にとっては自己を試す瞬間でもあった。
攻守が変わりメイヤの穂先が男に迫る。
男は軽やかに後退し、再び槍を構えて少女の攻撃に備えた。
次こそは攻撃が命中するだろうと思いつつ、1歩、また1歩と後退しながら男は自身の状態を見つつ、冷静な判断を下す必要がある瞬間だった。
技量はやや相対する少女の方が上のようだが、体格から膂力は自分の方が上だと理解した。
そこで男はスキルを発動する。
メイヤは通常の槍さばきで攻撃をする。
しかし、相手が自分と同じような動きでやり難い。
繰り出した槍が男の槍の先端に何度も当たる。
その度に後ろに下がるも男も同じだけ下がる。
ただ、ほんの一瞬、そう、瞬きする位の差が見られる。
僅かに動きが遅いのだ。
どうやら自分の動きをトレースして真似ているのだと理解した。
そこからセルカッツから教わった槍による技を繰り出すもことごとく模倣された。
そんな折パキリと何かを踏んだ。
一瞬目線のみで追うも、行ける!と判断した。
男の下卑た視線が不快だった。
最初はそうではなかったが、戦っているうちにいやらしい目で、特に胸を見てニンマリしているのに気が付いた。
私の身体をいやらしい目で見、触れても良いのはセルカッツ様のみ!セルカッツ様の為だけにある我が身体を、そのような目で見るとは赦しません!
そう思いセルカッツからネタ技を教えられていたと言うか、ネイリスに教えていたのを覚えていた。
そうだ、あれを試そう!
倒せなかったら縮地で決める!
そう決意し1步動くと槍を後ろに置き、再び掴む。
「このままでは埒が明きません。団体戦まで取っておくつもりでしたが仕方がありません。奥義で決めさせて頂きます。人のモノマネがお上手なようですが、流石に見た事のない奥義までは無理でしょう!?」
「ようやく喋ったな。実に心地良い声だな。決めた!君を倒し、君をモノにしてやる!奥義とやらを受け立ってやろう!さあ掛かってこい!」
男はメイヤと同じように槍を後ろ手に持ちメイヤの技を待っている。
「食らいなさい!そして自らの矮小さを恥じ入りなさい!ては参ります!奥義!ウロヤケヌマ!」
メイヤはそう言うと男のやや後ろに落ちるように右手に持った物を投げた。
すると男も右手に持った槍を落下位置がメイヤのやや後ろになるように投げた。
そして男ははっとなる。
やられた!と。
対峙している少女が立ち上がるとそこには槍が握られていたのだ。
しかし、自分は模倣のスキルを発動し、槍を投げてしまった。
今更だが何を投げた?
よく見るとそれは矢だ。
この位置は昨日行われた矢部門の、準決勝時に的があった位置だ。
スタッフが回収し忘れたと言うか、砂に埋まり発見出来なかった矢を発見しそれを投げたのだと理解した。
少女は一気に間合いを詰め、槍を繰り出す。
しかし、男はまだスキルを発動しているので、エア槍を繰り出す無様な格好だった。
「やはり模倣のスキルでしたか!地べたを這いずりなさい!」
メイヤの槍は男に対し石突側が向いており、その鳩尾に食い込む。
男はそのまま崩れ落ち、メイヤは間髪入れずに穂先を首に突き付け決着した。
俺は男塾ネタがまた決まった事に複雑な思いを感じていた。
まさかネタ技が決勝で生きるとは!・・・と。
しかしどちらも躱し一旦距離を置く。
メイヤはこれまでの相手と違い、この人強い!とこの大会に出て初めてそう思う相手と対峙した。
セルカッツと向き合うのは別として、敵としては初めての事に戸惑いと歓びを感じる。
だが、そんな感傷に浸る暇はなく、相手が動いた。
「見事受けてみよ!3連槍!」
男がそう言って槍を繰り出した。
その槍は一瞬にして颯爽と3度突かれ、その穂先は鋭い風切り音を刻んだ。
メイヤは目を見開き、その迫力に圧倒されながらも素早く武器を構えて応戦の姿勢を取った。
彼女は最初の突きを左に躱し、次の突きを右へ避けると同時にその勢いを利用して一気に距離を詰めた。
男の3連槍はメイヤの巧妙な動きによって1度も命中しなかったが、それでも彼の目には確かな自信と闘志が宿っていた。
彼は槍を操る手際の良さと、確かな槍技を持つ少女に、自分に対し挑む意気込みを感じていた。
この戦いはただの闘いではなく、彼にとっては自己を試す瞬間でもあった。
攻守が変わりメイヤの穂先が男に迫る。
男は軽やかに後退し、再び槍を構えて少女の攻撃に備えた。
次こそは攻撃が命中するだろうと思いつつ、1歩、また1歩と後退しながら男は自身の状態を見つつ、冷静な判断を下す必要がある瞬間だった。
技量はやや相対する少女の方が上のようだが、体格から膂力は自分の方が上だと理解した。
そこで男はスキルを発動する。
メイヤは通常の槍さばきで攻撃をする。
しかし、相手が自分と同じような動きでやり難い。
繰り出した槍が男の槍の先端に何度も当たる。
その度に後ろに下がるも男も同じだけ下がる。
ただ、ほんの一瞬、そう、瞬きする位の差が見られる。
僅かに動きが遅いのだ。
どうやら自分の動きをトレースして真似ているのだと理解した。
そこからセルカッツから教わった槍による技を繰り出すもことごとく模倣された。
そんな折パキリと何かを踏んだ。
一瞬目線のみで追うも、行ける!と判断した。
男の下卑た視線が不快だった。
最初はそうではなかったが、戦っているうちにいやらしい目で、特に胸を見てニンマリしているのに気が付いた。
私の身体をいやらしい目で見、触れても良いのはセルカッツ様のみ!セルカッツ様の為だけにある我が身体を、そのような目で見るとは赦しません!
そう思いセルカッツからネタ技を教えられていたと言うか、ネイリスに教えていたのを覚えていた。
そうだ、あれを試そう!
倒せなかったら縮地で決める!
そう決意し1步動くと槍を後ろに置き、再び掴む。
「このままでは埒が明きません。団体戦まで取っておくつもりでしたが仕方がありません。奥義で決めさせて頂きます。人のモノマネがお上手なようですが、流石に見た事のない奥義までは無理でしょう!?」
「ようやく喋ったな。実に心地良い声だな。決めた!君を倒し、君をモノにしてやる!奥義とやらを受け立ってやろう!さあ掛かってこい!」
男はメイヤと同じように槍を後ろ手に持ちメイヤの技を待っている。
「食らいなさい!そして自らの矮小さを恥じ入りなさい!ては参ります!奥義!ウロヤケヌマ!」
メイヤはそう言うと男のやや後ろに落ちるように右手に持った物を投げた。
すると男も右手に持った槍を落下位置がメイヤのやや後ろになるように投げた。
そして男ははっとなる。
やられた!と。
対峙している少女が立ち上がるとそこには槍が握られていたのだ。
しかし、自分は模倣のスキルを発動し、槍を投げてしまった。
今更だが何を投げた?
よく見るとそれは矢だ。
この位置は昨日行われた矢部門の、準決勝時に的があった位置だ。
スタッフが回収し忘れたと言うか、砂に埋まり発見出来なかった矢を発見しそれを投げたのだと理解した。
少女は一気に間合いを詰め、槍を繰り出す。
しかし、男はまだスキルを発動しているので、エア槍を繰り出す無様な格好だった。
「やはり模倣のスキルでしたか!地べたを這いずりなさい!」
メイヤの槍は男に対し石突側が向いており、その鳩尾に食い込む。
男はそのまま崩れ落ち、メイヤは間髪入れずに穂先を首に突き付け決着した。
俺は男塾ネタがまた決まった事に複雑な思いを感じていた。
まさかネタ技が決勝で生きるとは!・・・と。
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