異世界の約束:追放者の再興〜外れギフト【光】を授り侯爵家を追い出されたけど本当はチート持ちなので幸せに生きて見返してやります!〜

KeyBow

文字の大きさ
上 下
40 / 173

第40話 準決勝戦メイヤ、タニス編

しおりを挟む
 俺達はと言うか俺的には軽めだったつもりだが、周りの者がドン引きするようなウォーミングアップをしていた。

 ソロソロ準決勝(槍)が行われるので切り上げ、最初に戦うメイヤの応援となった。

 メイヤの相手は本当に同い年か?と思う筋骨隆々な奴だった。

「ひゅー!こりゃまたえらいべっぴんさんだな。きっとこれまでの相手はその見た目に油断したんだろうな。だが俺は違う。例え見目麗しい女だろうが、敵として眼の前にいるならば全力で倒す!」

 女を見下し、子供を生むだけしか能がないと思っている奴が女に向ける目でメイヤを値踏みして舌なめずりをしている。
 下衆だ。
 あっ!珍しくメイヤの機嫌が悪い。
 相手の言葉に返答をせず、ゴミを見るような冷たい目をしている。

 こんなメイヤは初めてだ。
 審判が開始を告げると男は槍を両手で持ち上げ頭上で回し始めた。 
 示威行為だろう。

「おらおらおらおら!どうした!ビビったか?来ないならこっちから行くぞ!」

 メイヤは槍を持ち姿勢を低くして駆け出した。
 槍の間合いに入った瞬間、奴の目からは忽然とメイヤの姿が消えただろう。

「終わりです!」

 次の瞬間、メイヤの姿は男の頭上にあり、槍を突き入れる。

 男が回転させている槍の上から突き入れた槍は男の後頭部を叩き、回転する槍に弾かれるようにメイヤはその場を離れ、涼しげな顔で立っている。

 駄目だぞ!スカートが短いので観客はともかく、俺とネイリスにはバッチリ白の下着が見えたぞ!

 可愛らしいが、引き締まったお尻の形が露わに。
 普段体の鍛え方を見るのに3人の裸は散々見ているし、エロさはないが触れてもいる。

 でもこれはまた違うんだ!
 見えては行けないのに見えちゃったときのドキドキが発生するんだ。

「か、かっこよいっす!」

 ネイリスはお尻じゃなく、メイヤの戦いを見て興奮しているな!

 フラフラとなっているが、メイヤは背中を向けて開始位置に戻る。
 戦闘中に敵に背中を向けるなんて!と思うなかれ。

 開始位置に立つと奴は膝を付き、そのまま前のめりに倒れ、確認した審判が手を大きく振り終了を告げた。

 一瞬の事だったが、メイヤは縮地を使った。
 レベルが上がると前方にではなく、上に大して距離を縮める方向に発動する事が出来る。
 しかし、余り知られていない小技だ。
 だから縮地を使ったと思う者は少ないだろう。

 勝ち名乗りを受けるとメイヤは対戦相手に1礼のみし、リングを出てもう1つの戦いをじっと見ていた。
 こちらは冒険者風の奴と、兵士風の奴がガチで槍の応酬を繰り広げ、兵士風の奴が勝った。

 次は弓だ。
 今度は女の子だったが、7射目で相手が外し決着した。
 可哀想なくらいあがっており、本来の実力を発揮できなかったんだろうな。

 次はタニスだ。
 なんと相手はゴリラ女だ!
 タニスより少し大きく、かなりゴツい。

 鼻息も荒く、胸を叩いて威嚇すらしている。
 見たくはないがいわゆるビキニアーマー というのを着用しており、そこから辛うじて女だと思われた。

「まためんこいのが来たね!アタイの魅力には敵わないけど、アタイの次位には可愛いじゃないか!さぞ揉み堪えのあるおっぱいのようだねぇ!あんたはどんな声で鳴くんだい!」

 うわっ!痴女だ。
 捕まったら最後、しゃぶり尽くされ、あそこの毛すら毟り取られかねない。
 まあそんな事にはならないけどね。

 タニスは表情1つ変えずに開始を待つ。

「ぐふふ!掛かって来な!先に殴らせてやるよ!倒せなかったらそのまま押し倒してやるよ!裸体を晒してやるよ!」

 開始の掛け声と共にタニスは駆け寄り、回転回し蹴りを顎に決める。
 相手は舐めきっていたから、攻撃してきたのをくらいつつ、そのまま捕まえようとしていた。

 しかし、この世界では顎が人の急所だとは知られておらず、経験から何となく知っている者がちらほらいる程度だった。

 このゴリラ女も知らない者だったようで、顎に蹴りをくらうもそのままタニスの身体を掴みに行った。
 しかし、思うように体が動かず、膝から崩れ・・・倒れ込んだ。

 俺は色々な急所を突く方法を教えており、タニスはその1つを実践した。

 口から泡を吹いており、審判は即時にタニスの勝利を告げた。
 運べないので治療班が来るも、悪臭から近寄らない。
 何故なら失神した時に失禁したからだ。

 糞尿まみれで、暫くそのコートは使用を中断せざるを得なくなり、その後の進行は1面のみを使う事になり兼ねなくなった。
 タニスは相手の無様な様子に戸惑いを見せていた。
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

【完結】初級魔法しか使えない低ランク冒険者の少年は、今日も依頼を達成して家に帰る。

アノマロカリス
ファンタジー
少年テッドには、両親がいない。 両親は低ランク冒険者で、依頼の途中で魔物に殺されたのだ。 両親の少ない保険でやり繰りしていたが、もう金が尽きかけようとしていた。 テッドには、妹が3人いる。 両親から「妹達を頼む!」…と出掛ける前からいつも約束していた。 このままでは家族が離れ離れになると思ったテッドは、冒険者になって金を稼ぐ道を選んだ。 そんな少年テッドだが、パーティーには加入せずにソロ活動していた。 その理由は、パーティーに参加するとその日に家に帰れなくなるからだ。 両親は、小さいながらも持ち家を持っていてそこに住んでいる。 両親が生きている頃は、父親の部屋と母親の部屋、子供部屋には兄妹4人で暮らしていたが…   両親が死んでからは、父親の部屋はテッドが… 母親の部屋は、長女のリットが、子供部屋には、次女のルットと三女のロットになっている。 今日も依頼をこなして、家に帰るんだ! この少年テッドは…いや、この先は本編で語ろう。 お楽しみくださいね! HOTランキング20位になりました。 皆さん、有り難う御座います。

(完結)魔王討伐後にパーティー追放されたFランク魔法剣士は、超レア能力【全スキル】を覚えてゲスすぎる勇者達をザマアしつつ世界を救います

しまうま弁当
ファンタジー
魔王討伐直後にクリードは勇者ライオスからパーティーから出て行けといわれるのだった。クリードはパーティー内ではつねにFランクと呼ばれ戦闘にも参加させてもらえず場美雑言は当たり前でクリードはもう勇者パーティーから出て行きたいと常々考えていたので、いい機会だと思って出て行く事にした。だがラストダンジョンから脱出に必要なリアーの羽はライオス達は分けてくれなかったので、仕方なく一階層づつ上っていく事を決めたのだった。だがなぜか後ろから勇者パーティー内で唯一のヒロインであるミリーが追いかけてきて一緒に脱出しようと言ってくれたのだった。切羽詰まっていると感じたクリードはミリーと一緒に脱出を図ろうとするが、後ろから追いかけてきたメンバーに石にされてしまったのだった。

異世界に召喚されたが「間違っちゃった」と身勝手な女神に追放されてしまったので、おまけで貰ったスキルで凡人の俺は頑張って生き残ります!

椿紅颯
ファンタジー
神乃勇人(こうのゆうと)はある日、女神ルミナによって異世界へと転移させられる。 しかしまさかのまさか、それは誤転移ということだった。 身勝手な女神により、たった一人だけ仲間外れにされた挙句の果てに粗雑に扱われ、ほぼ投げ捨てられるようなかたちで異世界の地へと下ろされてしまう。 そんな踏んだり蹴ったりな、凡人主人公がおりなす異世界ファンタジー!

スライムすら倒せない底辺冒険者の俺、レベルアップしてハーレムを築く(予定)〜ユニークスキル[レベルアップ]を手に入れた俺は最弱魔法で無双する

カツラノエース
ファンタジー
ろくでもない人生を送っていた俺、海乃 哲也は、 23歳にして交通事故で死に、異世界転生をする。 急に異世界に飛ばされた俺、もちろん金は無い。何とか超初級クエストで金を集め武器を買ったが、俺に戦いの才能は無かったらしく、スライムすら倒せずに返り討ちにあってしまう。 完全に戦うということを諦めた俺は危険の無い薬草集めで、何とか金を稼ぎ、ひもじい思いをしながらも生き繋いでいた。 そんな日々を過ごしていると、突然ユニークスキル[レベルアップ]とやらを獲得する。 最初はこの胡散臭過ぎるユニークスキルを疑ったが、薬草集めでレベルが2に上がった俺は、好奇心に負け、ダメ元で再びスライムと戦う。 すると、前までは歯が立たなかったスライムをすんなり倒せてしまう。 どうやら本当にレベルアップしている模様。 「ちょっと待てよ?これなら最強になれるんじゃね?」 最弱魔法しか使う事の出来ない底辺冒険者である俺が、レベルアップで高みを目指す物語。 他サイトにも掲載しています。

異世界で穴掘ってます!

KeyBow
ファンタジー
修学旅行中のバスにいた筈が、異世界召喚にバスの全員が突如されてしまう。主人公の聡太が得たスキルは穴掘り。外れスキルとされ、屑の外れ者として抹殺されそうになるもしぶとく生き残り、救ってくれた少女と成り上がって行く。不遇といわれるギフトを駆使して日の目を見ようとする物語

異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜

KeyBow
ファンタジー
 間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。  何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。  召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!  しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・  いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。  その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。  上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。  またぺったんこですか?・・・

Sランク昇進を記念して追放された俺は、追放サイドの令嬢を助けたことがきっかけで、彼女が押しかけ女房のようになって困る!

仁徳
ファンタジー
シロウ・オルダーは、Sランク昇進をきっかけに赤いバラという冒険者チームから『スキル非所持の無能』とを侮蔑され、パーティーから追放される。 しかし彼は、異世界の知識を利用して新な魔法を生み出すスキル【魔学者】を使用できるが、彼はそのスキルを隠し、無能を演じていただけだった。 そうとは知らずに、彼を追放した赤いバラは、今までシロウのサポートのお陰で強くなっていたことを知らずに、ダンジョンに挑む。だが、初めての敗北を経験したり、その後借金を背負ったり地位と名声を失っていく。 一方自由になったシロウは、新な町での冒険者活動で活躍し、一目置かれる存在となりながら、追放したマリーを助けたことで惚れられてしまう。手料理を振る舞ったり、背中を流したり、それはまるで押しかけ女房だった! これは、チート能力を手に入れてしまったことで、無能を演じたシロウがパーティーを追放され、その後ソロとして活躍して無双すると、他のパーティーから追放されたエルフや魔族といった様々な追放少女が集まり、いつの間にかハーレムパーティーを結成している物語!

フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる 

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
400倍の魔力ってマジ!?魔力が多すぎて範囲攻撃魔法だけとか縛りでしょ 25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。  目が覚めると俺は広大な領地を有するノーフォーク公爵家の長男の息子ユーサー・フォン・ハワードに転生していた。 ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。 しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。 ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。 そんな主人公のゆったり成長期!!

処理中です...